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Trademark Appeal Case

称呼類似と商品非類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900077(T2007−900077/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5003578号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5003578号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成17年7月28に登録出願、第9類「録音済みの磁気カード・磁気シート及び磁気テープ,録音済みのコンパクトディスク,その他のレコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM」を指定商品として、同18年11月17日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)

(1)登録異議申立人の引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4683148号商標(以下「引用商標」という。)は、「DELPHI」の欧文字を横書きしてなり、平成7年9月21日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年6月20日に設定登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、その構成中の「delfi」の文字部分が要部であり、「デルファイ」と称呼されるものであるから、同じく「デルファイ」の称呼を生ずる引用商標とは、該称呼を共通にする同一又は類似の商標である。そして、その指定商品についても、企業が多角経営化する現在において商取引の実態を考慮すれば、本件商標の指定商品である「録音済みCD等の音楽録音記録済み媒体」と引用商標の指定商品である「CDプレーヤー等の音響機器」とは互いに類似する商品というべきである。

よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

(3)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について

申立人は、車輌部品及びオーディオシステム等についての著名商標「DELPHI」の所有者であり、パワー・トレイン、安全、操縦、熱、制御及び防犯システム、電気/エレクトロニクスアーキテクチャー、自動車内エンターテイメント機器技術を含む携帯電子機器及び交通システムに関して、世界規模で、かつ最大手の一つである。米国の会社の上位500社をランキングする雑誌「FORTUNE 500」において、2005年において第63位、2006年において第77位にランキングされており、「DELPHI」の商標に限定しただけでも、世界102カ国以上に743件の商標出願・登録を行っている(甲第8号証ないし甲第15号証)。

日本においても営業所を東京新宿区に有し(甲第10号証)、引用商標を付した様々な製品が販売されており、ウェブサイト等を通じて幅広く宣伝広告が行われている(甲第16号証、甲第17号証)。そして、フリー百科事典ウィキペディア(日本語)において、「デルファイ」は、申立人を意味すると掲載されている(甲第13号証)。

以上のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間において広く認識されている商標である。

したがって、引用商標と類似する本件商標がその指定商品に使用された場合には、申立人の業務に係る商品と出所について混同を生ずるおそれがあり、また、商標権者が著名な引用商標を知らないで本件商標を出願したものとは考えられないから、不正の目的をもって使用をするものと判断するのが妥当である。

よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲のとおり、方形内の左端部分に「delfi」の欧文字を白抜きの太文字で表し、「delfi」の「i」の白丸部分を中心点として同心円状に幅のある円形を、その濃度が次第に濃くなるように幾重にも表し、該方形図形の下に「SOUND」の欧文字を配した構成からなるものであるところ、「delfi」の欧文字は、方形内において、同心円状図形ともども、まとまりよく一体的に、特徴のある態様をもって表されているものということができる。

しかして、申立人が主張しているように、その構成中の「delfi」の文字部分を要部とみれば、これより「デルファイ」の称呼をも生じ、「DELPHI」の欧文字からなる引用商標とは、称呼の点に関しては、「デルファイ」の称呼を共通にするものということができる。

しかしながら、本件商標の指定商品である「録音済みの磁気カード・磁気シート及び磁気テープ,録音済みのコンパクトディスク,その他のレコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM」と引用商標の指定商品に含まれている「CDプレーヤー等の音響機器」とは、通常、その生産部門、販売部門等をも異にするものであって、両商品は、非類似の商品というべきものである。

そうとすれば、本件商標と引用商標とは、称呼において共通にするところがあるとしても、両者の指定商品は類似するものとは認められないから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえない。

(2)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について

申立人は、引用商標が「パワー・トレイン、安全、操縦、熱、制御及び防犯システム、電気/エレクトロニクスアーキテクチャー、自動車内エンターテイメント機器技術を含む携帯電子機器及び交通システム」に関して著名である旨主張して、甲各号証を提出しているが、甲第13号証(フリー百科事典ウィキペディア)にも記載されているように、申立人は、米国の自動車部品メーカーであり、引用商標が自動車部品の商標として一定程度知られているとしても、提出に係る証拠をもってしては、オーディオシステムをはじめとする上記した各種商品の商標として著名であるとまでは認められない。

そうとすれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、本件商標の構成及びその指定商品との関係をも併せみれば、これに接する取引者・需要者をして、申立人の使用に係る引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

また、申立人は、同第19号についても主張しているが、上記したとおり、引用商標が申立人の業務に係る商品の商標として取引者・需要者の間において広く認識されていたものとまでは認められないものであり、しかも、商標権者において不正の目的をもって使用をするものであることを認めるに足る証拠も提出されていない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に該当しない。

(3)結び

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する

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