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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と語尾音の有無

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900139(T2007−900139/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5010687号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5010687号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、商願2005−57051に係る平成17年8月4日付け手続補正書に基づく商標法第17条の2第1項で準用する意匠法第17条の3第1項の規定による補正後の商標登録出願として、同18年2月2日に登録出願、第11類「家庭用電熱用品類」及び第21類「なべ類,やかん,水筒」を指定商品として、同年12月15日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)

(1)登録異議申立人の引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標についての取消理由に引用する国際登録第866989号商標(以下「引用商標」という。)は、「TWIN」の欧文字を横書きしてなり、2004年11月11日にドイツ連邦共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、第8類及び第21類に属する国際登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、2005年5月10日に国際登録され、我が国において平成19年3月2日に登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、構成中の文字部分に相応して「ツインズ」の称呼を生じ、引用商標は「ツイン」の称呼を生じるところ、この両称呼は、印象が強い「ツイン」の音を共通にし、比較的聴取し難い語尾音「ズ」の有無の差にすぎないから、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音調・語感が近似したものとなり、互いに紛らわしい類似の商標である。

また、わが国においては、単数形と複数形の明確な区別がなされておらず、「ツインズ」、「ツイン」はともに「双子」の意味合いを有する語として親しまれ用いられているから、両者は、観念においても同一あるいは極めて近似するものである。そして、「TWINS」の文字部分から生じる観念及び称呼を考慮すれば、本件商標の図形部分からも、「双子」の意味合い及び「ツインズ」の称呼が容易に看取されるものである。

そうとすれば、本件商標は全体として、引用商標と混同を生ずる程度に相紛らわしい商標であるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

申立人は、ドイツ国ゾーリンゲン地方を代表する刃物類等のメーカーであり、世界各国で「TWIN」を含む商標を付した商品を販売している。

日本においては、明治時代から輸入商社によって商品が輸入されており、昭和48年に日本法人が設立されて以来、各地の百貨店、量販店等で販売されている。例えば、「調理ばさみ」については、1980年より約26年間の長きにわたり、「TWIN」の商標を使用しているばかりでなく、申立人は、包丁、事務用ばさみ、散髪ばさみ、鍋、キッチンツール等々にも「TWIN」を含むシリーズ商標を使用している(甲第7号証ないし甲第25号証)。

以上のことから、「TWIN」が申立人のマークとして一般に広く知られるに至っていることは明らかである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものであり、また、本件商標がその指定商品に使用された場合には、申立人の業務に係る商品であるかの如くその出所について混同を生ずるおそれがあるから、同第15号にも違反して登録されたものである。

(4)よって、本件商標の登録は、その指定商品中の第21類「なべ類,やかん,水筒」について取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲のとおり、黒塗りの方形内に幾何図形を白抜きにした図形を表し、その右側に、全体として丸みを帯びた「TWInS」の欧文字を配した構成からなるものであるから、該欧文字部分に相応して「ツインズ」の称呼を生ずるものと認められる。

他方、引用商標は、前記したとおり、「TWIN」の欧文字を表したものであるから、該文字に相応して「ツイン」の称呼を生ずるものである。

そこで、この両称呼を比較するに、両称呼の差異は、語尾における「ズ」の音の有無の差異のみではあるが、「ズ」の音は、それ自体、重々しく響く濁音であるばかりでなく、その前音である「ン」の音が鼻音にして響きの弱い音であることから、相対的により一層響きの強い音として明瞭に聴取され得るものということができる。

そうとすれば、この「ズ」の音の有無の差異が両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、全体としても4音対3音という短い音構成であることとも相俟って、これらをそれぞれ一連に称呼するときは、その語調・語感を異にし、互いに聞き誤るおそれはないものといわなければならない。

また、両商標は、上記した構成からなるものであるから、全体の外観において明らかな差異を有するばかりでなく、それぞれの欧文字部分のみを比較してみても、「S」の文字の有無の差異から充分に区別し得るものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、「TWINS」と「TWIN」の語の意味合いにおいて近似したところがあるにしても、全体を総合してみれば、互いに紛れるおそれのない非類似の商標とみるのが相当である。

(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について

申立人は、「TWIN」の文字からなる商標が刃物類等の商標として著名である旨主張して甲各号証を提出しているところ、本件商標と使用に係る「TWIN」の文字からなる商標とは、前記したところと同様の理由により、互いに区別し得る非類似の商標と認められるものであり、また、本件商標の図形部分と申立人の使用に係る「双子の図形」の商標とも明らかに別異の商標と認められるものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。

また、甲各号証によれば、取引者・需要者に強い印象を与える特徴のある「双子の図形」とともに、「TWIN」の文字からなる商標も使用されている事実は認められるとしても、提出に係る証拠をもってしては、本件商標の登録出願時において、「TWIN」の文字からなる商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国における取引者・需要者の間に広く認識されていたものとまでは認められない。

してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、申立人の使用に係る「TWIN」の文字からなる商標あるいは「双子の図形」からなる商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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