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Trademark Appeal Case

周知商標と称呼の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900120(T2007−900120/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5008639号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5008639号商標(以下「本件商標」という。)は、「Advanced Film Devices」の文字を標準文字で表してなり、平成17年12月9日に登録出願、第9類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同18年10月31日に登録査定され、同年12月8日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録第1497474号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和47年8月16日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同57年1月29日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2回にわたりなされ、さらに、指定商品については、平成14年6月5日に第9類に属する商標登録原簿のとおりの商品に書換登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由(要旨)

1 商標法第4条第1項第15号について

本件商標と引用商標とは、上記第1及び第2のとおりである。

そして、引用商標は、別掲のとおり、図形部分の下方に、欧文字「ADVANCED」、「 MICRO」及び「DEVICES」を3段に併記してなる構成であり、当該欧文字部分は、その上方に表された図形部分と分離されて表されてなるものであり、それ自体、独立して識別力を発揮するものである。

そこで、本件商標と引用商標とを比較すると、大文字、小文字の相違はともかくとして、冒頭の「Advanced」、及び、末尾の「Devices」を共通にし、中間の「Film」、「MICRO」において相違するものである。

かかる共通する「Advanced」及び「Devices」については、それぞれ各語を含む登録商標であって、本件に係る指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務を指定商品・指定役務とするものは、甲第3号証及び甲第4号証のとおりであり、これら両語を構成要素とする登録商標は、本件商標の出願時においては、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の商標以外に存在しない。

本件商標のように、3語からなる商標にあって冒頭の語及び末尾の語が共通する場合、文字数が19文字または20文字と多く冗長であり、かつ、「アドバンスト」「デバイセ(シ)ズ」と極めて特色のある語感、語調をもって始まりかつ終止することもあって、引用商標との間で彼此相紛れるおそれがある。しかも、上記したとおり、 我が国において「ADVANCED」を冠し、「DEVICES」で終止する登録商標は、申立人のそれ以外、存在していない。

次に、引用商標における「ADVANCED MICRO DEVICES」の周知性について言及する。

この文字は、申立人の商号の要部である。

申立人は、インテルx86マイクロプロセッサ及び自社64ビット技術のAMD64対応マイクロプロセッサやフラッシュメモリ等を生産している、1969年に設立された半導体の製造業者であり、パーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータで使われる80x86系CPUを搭載した製品は、2005年に世界中で約2億台以上出荷されているが、申立人のシェアは、世界2位である(甲第5号証)。我が国においては、申立人の日本法人である日本エイ・エム・ディ株式会社が1975年2月4日に設立されて以来、日本における正規販売代理店としては、加賀電子株式会社、コマツトライリンク株式会社、シー・エフ・デー販売株式会社、シンデン・ハイテックス株式会社、東京エレクトロンデバイス株式会社、日商エレクトロニクス株式会社、及びマイクロテック株式会社の7社がある(甲第6号証)。

また、申立人に関しては、各種メディアを通じ、紹介されているが、その一端を甲第7号証の1ないし13として提出する。

かかる状況の下で、本件商標が使用された場合、特に、その指定商品及び指定役務の積極表示された商品及び役務からすると、コンピュータ関連の商品・役務に使用されるものであることは明白であり、恰もそれが申立人と何等かの関連がある者の出所に係る商品又は役務であると、その需要者・取引者をして、誤認混同を生ずるおそれがある。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するにもかかわらず、登録されたものである。

2 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について

上述したとおり、申立人の略称「ADVANCED MICRO DEVICES」は、我が国においても周知、著名なものとなっていると思料するが、仮にかかる事実を離れた場合、本件商標は、指定商品及び指定役務との関係上、識別力を有しないものである。

すなわち、本件商標は、その全体構成から「先進のフィルム装置」の如き意味合いを有するものである。

実際、「FILM DEVICES」の単数形「FILM DEVICE」又はその片仮名表記「フィルムデバイス」は、取引上、一般に使用されている(甲第8号証の1ないし9)。

かかる意味合いを有する本件商標は、指定商品・指定役務について積極表示されたところからすると、「映像表示装置,フラットパネルディスプレイ,ヘッドマウントディスプレイ,ゴーグル型表示装置,モバイルコンピュータ,身体もしくは衣類に装着する携帯情報端末機器,パーソナルテレビ,鉄道またはこれに類するものの時刻表用または料金表用電光掲示板ディスプレイ,液晶表示装置,エレクトロルミネッセンス素子を利用した表示装置,エレクトロルミネッセンス光源装置,エレクトロルミネッセンスパネル,エレクトロルミネッセンス装置用回路,磁気カード,光カード, ICカード,非接触型ICカード,本人確認用ICカード,情報記録用ICカード,未記録のICカード,コンピュータプログラムを記憶させた磁気カード・光カード・ICカード・その他の記録媒体,半導体素子,集積半導体素子,集積回路,大規模集積回路,半導体素子を搭載した電子応用機械器具」や「半導体技術に関する研究の情報の提供,薄膜技術に関する研究の情報の提供,エレクトロルミネッセンスディスプレイに関する研究の情報の提供,電子回路・半導体素子・集積回路の設計,電子回路・半導体素子・集積回路・大規模集積回路の設計に関する情報の提供,電子回路・半導体素子・集積回路・大規模集積回路に関する試験又は研究,電子回路・半導体素子・集積回路・大規模集積回路に関する試験刻ま研究に関する情報の提供」に使用されるものである。

したがって、かかる商品又は役務について「Device」を複数形にしたにすぎない本件商標が使用されたとしても、「先進のフィルム装置(デバイス)」の如き意味合いを看取せしめるので、商品の品質又は役務の質を表示するにすぎず、また本件商標が「先進のフィルム装置(デバイス)」以外の商品に使用された場合、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。

よって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するにもかかわらず、登録されたものである。

(3)むすび

以上述べたとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号又は同法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、本件商標は、商標法第43条の2第1号により、その登録が取り消されるべきである。

第3 当審の判断

1 商標法第4条第1項第15号について

(1)本件商標は、前記したとおり、「Advanced Film Devices」と、同じ書体で一体にまとまりよく標準文字で表してなるものであり、これより生ずると認められる「アドバンスドフィルムデバイシズ」の称呼もやや冗長であるとしても、一連に称呼し得るものである。また、本件商標を構成する「Advanced」、「Film」、「Devices」の各語は、「進歩的な」、「フィルム」及び「装置」の意味をそれぞれ有し、本件商標の指定商品及び指定役務との関係よりすると、自他商品・役務識別標識としての機能を果たし得ないか、極めて弱いといえるとしても、構成文字全体をもってしては、特定の観念を有しない一種の造語というのが相当であるから、これを「Advanced」と「Devices」の文字のみ分離、抽出して観察しなければならない格別の理由は見いだせない。

これに対し、引用商標は、別掲のとおりの構成、態様よりなるものであるから、その構成文字部分に相応して「アドバンスドマイクロデバイシズ」の称呼を生ずるものである。

そして、本件商標より生ずる「アドバンスドフィルムデバイシズ」の称呼と引用商標より生ずる「アドバンスドマイクロデバイシズ」の称呼は、中間部において「フィルム」と「マイクロ」という顕著な差異を有するものであるから、称呼上相紛れるおそれはないものである。

また、本件商標と引用商標の観念は、前記したとおり本件商標が特定の観念を有しない一種の造語である以上、両者は比較することができないものでる。

さらに、本件商標と引用商標は、前記及び別掲のとおりの構成よりなり、外観上十分に区別し得る差異を有するものである。

してみれば、本件商標と引用商標は、商標において明らかに異なる別異のものといわなければならない。

(2)申立人が、別掲の引用商標の著名性を立証するものとして提出した、「Advanced」を含む登録商標リスト、「Device(s)」「デバイス」等を含む登録商標リスト、「アドバンスト・マイクロ・デバイセズ」の記事(Wikipedia)、インターネット「CNET Japan」の「AMD」の記事、及び「YOMIURI ONLINE(読売新聞)NIKKEI NET(日本経済新聞社)「アドバンスト・マイクロ・デバイシズ」の紹介記事(甲第3号証ないし甲第7号証の2〜13)を総合すると、別掲の引用商標が「コンピータ関連商品」について使用され、その取引者、需要者の間にある程度知られていたと認められるものである。

しかしながら、本件商標は、上記認定のとおりであって、引用商標とは、商標それ自体異なるものとして需要者等に印象付けられるというのが相当であるから、本件商標に接する需要者等が引用商標を想起することは極めて少ないというべきである。

してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、該商品が申立人の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものとはいえないものである。

2 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について

本件商標は、前記した1(1)のとおり、構成文字全体をもってしては、特定の具体的商品の品質又は役務の質を表示するとはいい難いものであり、一種の造語というのが相当である。

確かに、「フィルムデバイス」に関する紹介記事(甲第8号証の1ないし9)が認められるが、これらを総合しても、「Advanced Film Devices」が、本件商標の登録査定時に申立人の述べる本件商標の指定商品及び指定役務の効能、用途、品質、質を表示するものとして普通に使用されているとは認められない。

また、職権をもって調査するも、本件商標がその指定商品及び指定役務の効能、用途、品質、質を表示するものとして、その登録査定時に、取引上普通に使用されていたという事実を発見することもできなかった。

してみれば、本件商標は、いずれの商品及び役務についても、自他商品・役務識別標識としての機能を十分に果たすものであり、かつ、商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれもないものといわなければならない。

3 むすび

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号、同法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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