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Trademark Appeal Case

不使用取消における使用立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2006−31108(T2006−31108/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4559726号商標の指定役務「第41類 技芸・スポーツ又は知識の教授」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4559726号商標(以下「本件商標」という。)は、「ピタ」の文字を標準文字により表してなり、平成12年10月6日に登録出願され、第35類、第38類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として平成14年4月12日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張の要点

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べている。

請求人の調査によれば、本件商標は、その指定役務中第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁の要点

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1及び第2号証を提出している。

(1)被請求人は、本件審判請求の登録日である平成18年9月28日前3年以内に、日本国内において、請求に係る指定役務「技芸・スポーツ又は知識の教授」について、本件商標と同一又は社会通念上同一と認められる商標を使用している。

(2)この主張を立証するため、乙第1号証を提出する。乙第1号証は、被請求人のLEM事業局ジェネラルマネージャの助間孝三による証明書である。その証明事項は、被請求人が予告登録日前3年以内の2005年(平成17年)6月16日以降、証明書に添付の画面を被請求人が日本国内において開設・運営するウェブサイト上において、アップロードしている事実である。

証明書に添付の1枚目の画面により、当該画面が証明書に記載されているとおり、アップロードされた画面が2005年(平成17年)1月5日に作成され、同年6月16日に更新されている事実が表示されている。

証明書に添付の2枚目の画面には、ウェブサイトの全体が表され、その左上には、赤色で表された漢字「銀座」と、黒色で表された片仮名文字「ピタ」が一体に表されている。また、中央やや下方に「お店検索サイト“ピタ”で探せる銀座のお店はこちら!」の表示があり、本件商標と同一の片仮名文字「ピタ」がクォーテーション・マークで仕切られて表示されている。この「ピタ」の表示は、その前段の表示「お店検索サイト」からもわかるとおり、このウェブサイトのユーザーが利用し得る店舗等を検索するための情報を提供するウェブサイトの名称として使用されているものであって、該「ピタ」が、そのウェブサイトで検索できる店舗等の情報提供を識別する標識として使用されていることは、客観的に明らかである。

そのウェブサイトにおいて検索できる店舗等については、その下方の「学ぶ/習う」コーナーがある。つまり、本件商標と同一又は社会通念上同一と認められる商標の下に、「技芸・スポーツ又は知識の教授」に関する情報が提供されている事実がわかる。そして、その右方の「外国語」「パソコン/IT」「ビジネス」「フラワー/ジュエリー」のいずれかをクリックすると、ユーザーが利用可能な各種「技芸・スポーツ又は知識の教授」を提供する者に関する情報が提供される。即ち、被請求人は、電磁的方法により行う映像面に本件商標と同一又は社会通念上同一と認められる商標を表示して「技芸・スポーツ又は知識の教授に関する情報の提供」行為をしているのである(商標法第2条第3項第7号)。

なお、現時点において、当該URLから情報提供される「技芸・スポーツ又は知識の教授」の数は少ないが、これは提供場所が「銀座」に限定されているからである。被請求人に登録加盟している店舗等は、日本全国18,000以上存し、「教育/資格」に関して登録加盟している者は、400校を越える。この情報は個人保護情報に該当するため、必要に応じ、立証する。

(3)次に、乙第2号証を提出する。乙第2号証は、被請求人の作成に係るリーフレットである。このリーフレットは、最終ページの右下の枠内の「TP0411」の表示からもわかるとおり、2004年(平成16年)11月に作成されたものであり、予告登録日から3年以内に作成されたものである。また、企画・運営の欄に「株式会社有線ブロードネットワークス」の表示があるが、被請求人は、平成17年(2005年)3月1日に商号を変更しており、この表示からも、このリーフレットがその商号変更前の作成に係るものであることがわかる。

このリーフレットには、赤色のカード状の図形内の中央やや下方に「Pita」の欧文字が表され、その左方又は下方に「ピタカード」又は「ピタマーク」が使用されている。本件商標「ピタ」と欧文字「Pita」は、片仮名及びローマ字の表示を相互に変換するものであって同一の称呼及び観念を生ずるものであり、社会通念上同一と認められる商標である。

この「ピタカード」は、被請求人が開設・運営するウェブサイトを利用するユーザーに配布されるカードであり、そのユーザーが被請求人に登録加盟している店舗等を利用する際に提示すると、クーポンカードとして利用できるカードである。したがって、被請求人が「ピタカード」を発行する行為は、被請求人に登録加盟する者が「技芸、スポーツ又は知識の教授」の提供に当たり、その提供を受ける者(ユーザー)の利用に供する物(クーポンカード)に標章を付する行為(商標法第2条第3項第3号)に当たる。

また、「ピタマーク」は、提携各社のメンバーズカードやポイントカードに付されるマークで、この「ピタマーク」が付されたカードを所持するユーザーもまた、「ピタカード」と同様のサービスが受けられるものである。そして、そのサービスの中には、上記したように、「技芸・スポーツ又は知識の教授」が含まれている。したがって、この「ピタマーク」もまた、登録商標と社会通念上同一と認められる商標を付したものであり、被請求人による付する行為は、上記「ピタカード」と同様、商標法第2条第3項第3号に該当するものである。

さらに、被請求人に登録加盟している者は、登録完了通知書とともに、欧文字「Pita」が表示されたステッカーが配布されている。このステッカーは、ユーザーにとって、「技芸・スポーツ又は知識の教授」の識別標識として機能しているのである。被請求人によるかかる配布行為は、「技芸、スポーツ又は知識の教授」に関する広告「ステッカー」に標章を付して頒布する行為(商標法第2条第3項第8号)に該当するものであり、登録加盟者における実際の貼付行為を立証するまでもなく、商標の使用に当たる、というべきである。なお、登録加盟者における貼付行為(商標法第2条第3項第5号)については、必要に応じ、立証する。

(4)以上により、本件商標が本件審判の登録前3年以内に日本国内において株式会社USEN(旧名称:株式会社有線ブロードネットワークス)によって、その請求に係る指定役務「技芸・スポーツ又は知識の教授」又は「技芸・スポーツ又は知識の教授」に包含される「技芸・スポーツ又は知識の教授に関する情報の提供」について使用されていたことは明らかである。

4 当審の判断

(1)被請求人は、本件商標を請求に係る指定役務「技芸・スポーツ又は知識の教授」について使用している旨主張し、その立証証拠として乙第1及び第2号証を提出しているので、提出に係る各証拠について検討する。

(ア)乙第1号証は、被請求人の「LEM事業局GM助間孝三」による証明書と認められるところ、その内容は、本件審判請求の登録前3年の期間内である2005(平成17)年6月16日以降、被請求人が該証明書に添付されたインターネットのウェブサイト画面の写しのとおりに自己のウェブサイトをアップロードしていることを証明するものである。そして、該ウェブサイトには、「銀座のエリア情報・お店情報満載!」「銀座ピタ」の文字が最上段に表示され、その下段に「銀座ピタSpecial」及び「ピタニュース」の表題とその内容説明が付され、ほぼ中央に銀座地域の地図が表示され、さらにその下方に「お店検索サイト”ピタ”で探せる銀座のお店はこちら!」、「厳選されたグルメ検索サイト!ぐるめピタのお店を検索」、「日本最大級のクーポン検索サイト タウンピタのお店を検索」の各表題の下に各種店舗の見出が表示されていることが認められる。

これらの表示内容から明らかなように、被請求人のウェブサイトは、銀座地域を中心にした各種店舗を検索するためのものにすぎず、被請求人が本件請求に係る「技芸・スポーツ又は知識の教授」の役務を自ら提供していることを具体的に示すものではない。

被請求人は、上記ウェブサイトにおいて検索できる店舗等につき、「学ぶ/習う」の項目があり、これをもって「技芸・スポーツ又は知識の教授」に関する情報の提供が行われている旨主張している。しかしながら、上記ウェブサイトはあくまでも各種店舗を検索するためのものであって、「学ぶ/習う」の項目下においても外国語、パソコン/IT、ビジネス、フラワー/ジュエリーといった各種分野の店舗を検索することができるに止まり、さらに進んでパソコン、ビジネス等についていかなる情報を提供しているのかは明らかでなく、これをもって直ちに、「技芸・スポーツ又は知識の教授」に関する具体的な情報を提供しているとはいい難いものである。

そうすると、上記ウェブサイトにおいて「銀座ピタ」、「お店検索サイト”ピタ”」等の表示がされているとしても、これらの表示が、「技芸・スポーツ又は知識の教授」の役務はもとより、「技芸・スポーツ又は知識の教授に関する情報の提供」の役務についての識別標識として使用されているものとはいえない。

(イ)乙第2号証は、被請求人作成に係るリーフレットと認められるところ、その最終ページの末端の小さな四角形中に「TP0411」と表示されていることから、このリーフレットが2004年11月に印刷発行されたものと推認することはできる。しかしながら、上記リーフレットは、表紙に「TownPita」と表示されたものであり、その内容は、被請求人が運営する「タウンピタ」に加盟する各種店舗はインターネット上や携帯サイト上に自店舗の情報を掲載、宣伝することができること、各加盟店には「タウンピタ加盟店ステッカー」が配布され集客に役立てられること、被請求人が発行する「ピタカード」の会員は、ピタカードを加盟店で提示すると割引等の特典が得られること、等の利点を示しつつ、「TownPita(タウンピタ)」と称する「お店クーポン検索サイト」の機能の説明や加盟の勧誘を目的とするものである。そして、上記リーフレットからは、被請求人が加盟店の募集や会員カードの発行等を行っていることが認められるものの、加盟店の募集や会員カードの発行等が「技芸・スポーツ又は知識の教授」の役務の提供はもとより、「技芸・スポーツ又は知識の教授に関する情報の提供」に当たらないことは明らかである。その他、上記リーフレットには、被請求人が「技芸・スポーツ又は知識の教授」又は「技芸・スポーツ又は知識の教授に関する情報の提供」の役務を行っていることを具体的に示す記述は一切見られない。

そうすると、被請求人の発行する「ピタカード」や加盟店ステッカーに「Pita」の文字が表示されているとしても、これをもって被請求人が「技芸・スポーツ又は知識の教授」又は「技芸・スポーツ又は知識の教授に関する情報の提供」の役務について本件商標を使用しているものということはできない。

なお、被請求人は、被請求人の「ピタカード」の発行行為は、被請求人の加盟店が「技芸・スポーツ又は知識の教授」の提供をするに当たり、その提供を受ける者の利用に供する物に標章を付する行為に該当する旨主張するが、「技芸・スポーツ又は知識の教授」の提供をするのは加盟店であって被請求人ではないから、被請求人の主張は、前提を欠くものであり、採用することができない。

また、被請求人は、被請求人が加盟店に配布する加盟店ステッカーは「技芸・スポーツ又は知識の教授」の識別標識として機能しており、被請求人のかかる配布行為は「技芸・スポーツ又は知識の教授」に関する広告「ステッカー」に標章を付して頒布する行為に該当する旨主張するが、上記と同様、「技芸・スポーツ又は知識の教授」の提供をするのは加盟店であって被請求人ではないから、被請求人の主張は、前提を欠くものであり、採用することができない。

(2)以上のとおり、被請求人の提出に係る証拠によっては、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において商標権者、通常使用権者のいずれかが本件商標を請求に係る指定役務「技芸・スポーツ又は知識の教授」について使用していることを立証したものとは認められない。

その他、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内に我が国において上記指定役務について使用されていることを認めるに足る証拠はない。

(3)したがって、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、請求に係る指定役務「技芸・スポーツ又は知識の教授」について使用されていなかったものというべきであり、また、その使用をしていないことについて正当な理由があるものとも認められないから、商標法第50条の規定により、指定役務中「結論掲記の指定役務」についての登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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