Trademark Appeal Case
記述的商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−23522(T2005−23522/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「しょぼしょぼ目」の文字を標準文字で表してなり、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」を指定商品として、平成16年11月24日に登録出願されたものである。
第2 原査定における拒絶の理由(要点)
原査定は、「本願商標は、『しょぼしょぼ目』の文字を普通に用いられる方法で表示してなるところ、『しょぼしょぼ』の文字は、『疲れなどのために目を見開いていられず、弱々しくまばたきするさま。』の意味を有するから(株式会社岩波書店発行「広辞苑 第五版」参照)、『しょぼしょぼ』の文字と『目』の文字を結合させたに過ぎない本願商標からは、全体として、『疲れている目』程の意を看取するものと認められる。そして、指定商品に係る業界においては、目の疲れを軽減することを目的とする商品が少なからず存在する。以上からすると、本願商標を、その指定商品中『前記文字に照応する商品(例えば、眼科用剤,眼帯)』について使用するときは、単に前記商品が、目がしょぼしょぼする症状(目の疲れ)に有効な商品であること、すなわち、商品の品質を表示したものと理解されるに止まり、自他商品識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、次の項番1ないし3の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づく通知を行った(下線は、今回、審判官が付け加えたもの。)。
1 新聞記事情報
(1)読売新聞東京朝刊、1997年2月8日付けの「[紙上相談室]
目がかすみ疲れやすい
肩凝り、頭痛も(寄稿)」の見出しの下、「・・・何年も前から
目が疲れやすくて
困っています。
目が
・・・
しょぼしょぼしたりし、
・・・」の記載がある。
(2)Pharmaweek、1996年3月4日付けの「〈インタビュー〉宗像守氏(日本リテイル研究所代表)/他店では実現できない強い目的来社性、スペシャリティサービス確立が不可欠」の見出しの下、「・・・
目がしょぼしょぼして
自分で
疲れ目の目薬
を選んだとします。・・・」の記載がある。
(3)読売新聞東京夕刊、2002年7月27日付けの「[人間列島]奈良県=1 万葉の風が吹く」の見出しの下、「・・・
目が疲れてしょぼしょぼ。
・・・」の記載がある。
(4)読売新聞東京夕刊、2000年12月7日付けの「読売新聞採用の大きな文字「目にやさしい」視力の専門家が高く評価」の見出しの下、「・・・
目が
かすむ、
しょぼしょぼする、
・・・など、
目の疲れ
に伴う悩みは・・・」の記載がある。
(5)読売新聞東京朝刊、2000年3月4日付けの「疲れ目の代表格、ドライアイに注意 乾燥期に多く、大半が原因不明」の見出しの下、「・・・「目が重い」
「しょぼしょぼする」などの目の疲れ
を訴えて・・・」の記載がある。
(6)朝日新聞東京朝刊、1998年6月21日付けの「
目の疲れ
を取る 画面はやや見下ろす感じで(きほんのき)」の見出しの下、「・・・
目がしょぼしょぼする。
・・・「
目の疲れ
を和らげる手軽な方法」を専門家に伝授してもらった。・・・」の記載がある。
(7)共同通信記事、1998年6月17日付けの「「球界時評」パワーと高度な技量に乾杯」の見出しの下、「・・・
目が疲れてしょぼしょぼする。
・・・」の記載がある。
2 インターネットのウェブサイト
(1)「院長吉野健一これまでの業績/吉野眼科クリニック」(http://www.yoshino-eye-clinic.com/achievements.html)の「【啓蒙・マスメディア】」の見出しの下、「21・・・
疲れたしょぼしょぼ目
をリフレッシュする方法は?・・・」の記載がある。
(2)「FancyPet/お気楽主婦の徒然日記」(http://harujion.tea-nifty.com/fancy_pet/2006/12/post_4e0d.html)の「タイル教室&ランチ忘年会オフ」の見出しの下、「・・・
疲れたしょぼしょぼ目
もビールでシャキーンと・・・」の記載がある。
(3)「@Rie(アトリエ) コンフォル刺繍日記」(http://blog.larpapi.shop-pro.jp/)の「日本で出会う異文化」の見出しの下、「・・・
しょぼしょぼ目疲れ
も眩さで瞬時に吹き飛びました。・・・」の記載がある。
(4)「Nice/〜素敵なパパをめざして〜パパ」(http://nicepapa.fc2web.com/health/blueberry/)の「ブルーベリーアイ」の見出しの下、「
疲れ目
を通り越して慢性的な眼精疲労、・・・
夕方にはしょぼしょぼ、
・・・」の記載がある。
(5)「やなぎに和む草なぎ剛【5】」(http://candy.lv3.net/test/read.cgi/pams/1119254724/)の見出しの下、「185・・・
お疲れピークなしょぼしょぼ目
で・・・」の記載がある。
(6)「遠赤外線グッズ/すみ丸くん
目の疲れ
」(http://www.ccn.aitai.ne.jp/~alex/me-no-tukare.htm)の「■
眼精疲労
の進行度」の見出しの下、「・・・
目がしょぼしょぼする。
・・・」の記載がある。
(7)「gendai.net/ゲンダイネット」(http://gendai.net/?m=view&g=kenko&c=110&no=16634)の「【すこやか生活術】/眼科専門医が教える 市販目薬の正しい選び方」の見出しの下、「・・・
目がしょぼしょぼする
・・・
目薬で目を潤わせれば、目の“しょぼしょぼ感”は解消できます
・・・」の記載がある。
(8)「サンテ メディカル10.ライブラリー」の「プロフェッショナルたちが語る「目と仕事」/マスターズアイ」(http://www.sante-medical-10.com/medical10_2/medical10_2_1.html)の大見出しの下の、「しっかり見る目と集中力が勝負。/だからこそ、
目の疲労
は早く回復させたい」の見出しの下に、「・・・1時間も作業すると、
目がしょぼしょぼ
していましたね。そんなときは、使い慣れた
目薬をさしていた
ようです。・・・」の記載がある。
3 国語辞典
(1)「国語大辞典」(株式会社小学館 昭和57年2月10日発行)の
「しょぼしょぼ目」
の項に、「
疲労や病気などのために、はっきりと見開いていられない目。
・・・」の記載がある。
(2)「日本国語大辞典 第二版第七巻」(株式会社小学館 2001年7月20日発行)の
「しょぼしょぼ目」
の項に、「・・・
目の疲労や病気などのために、はっきりと見開いていられない目。
」の記載がある。
(3)「日本国語大辞典 第十一巻」(株式会社小学館 昭和51年4月1日 第一版第二刷発行)の
「しょぼしょぼ目」
の項に、
「目の疲労や病気などのために、はっきりと見開いていられない目。
・・・」の記載がある。
(4)「新潮現代国語辞典 第二版」(株式会社新潮社 平成12年2月5日 第2版第1刷発行)の
「しょぼしょぼ」
の項に、「・・・
病気や疲労などのために、目がはっきりと開かず、まばたきするさま。
・・・」の記載がある。
(5)「新明解国語辞典 第六版」(株式会社三省堂 2006年2月10日 第五刷発行)の
「しょぼしょぼ」
の項に、「・・・
目がよく開かない感じで、物が見えにくい状態になる様子。「疲れて目が−する」・・・」
の記載がある。
4 まとめ
以上の事実によれば、本願商標「しょぼしょぼ目」に接する取引者、需要者は、これより「しょぼしょぼ目」、すなわち、疲れた目の症状の一を理解するにとどまるというのが相当である。
第4 職権証拠調べに対する意見(要点)
1 新聞記事情報について
指摘された新聞記事情報を見ると、いずれも「しょぼしょぼ」の語が「しょぼしょぼする」という動詞の一部として使用されている例であり、「しょぼしょぼ目」の態様で使用されているものは一例も挙げられていない。
「しょぼしょぼ」の語が「疲れなどのために眼を見開いていられず、弱々しくまばたきするさま」の意味合いを有するものであることは、各種国語辞典等からも明らかであり、請求人も否定するものではないが、この語は、「小雨が陰気に降り続くさま」「気が弱ってわびしげなさま」「毛髪・髭などがまばらなさま」等の他の意味合いも有しており、状況に応じて様々な意味に理解され得るものであるから、単に「しょぼしょぼ」の語のみが表示されている場合には、特定の意味合いは認識されないものと思料する。
列挙された新聞記事情報を見ると、いずれも「疲れ目」について具体的・説明的記述があり、それとともに「しょぼしょぼ」の語が使用されている例ばかりであり、本願商標とは事案が異なるものと考える。
すなわち、目が疲れているとか、弱ってまばたきを繰り返しているとかの具体的な記述もなく、単に「しょぼしょぼ」と表示されていれば、指摘のような疲れ目の症状という特定の意味合いを想起するとはいえず、何やら陰気でわびしげな雰囲気が漠然と想起されるにすぎないものと思われる。
しかも、「目」の語も「eye」の意味合いで用いられるほかに「憂き目」「題目」「網目」「跡目」「一番目」「落ち目」「季節の変わり目」等の多岐にわたる意味合いで使用されている語であり、また、接尾語として「多少その性質や傾向をもつことを表す」「その状態にあることを表す」等の意味合いで使用されている語であるから、本願商標「しょぼしょぼ目」よりは、「小雨が陰気に降り続く状態にあるさま」「気が弱ってわびしげな傾向にあるさま」「毛髪・髭などがまばらな状態にあるさま」の意味合いをも想起させるものであるので、証拠調べ通知書に述べられているような特段の具体的な意味合いを直感させるとはいえないものと思料する。
2 インターネットのウェブサイトについて
インターネットのウェブサイトについて、本願商標「しょぼしょぼ目」が使用されているものは4件しか挙げられていない。
しかも、列挙されたウェブサイトのうち、「しょぼしょぼ目」の語が使用されているサイトの内容は、いわゆるブログ(日記形式で書き込める個人のホームページ)や、BBS(電子掲示板)など、ごく仲間内での意思疎通のための私的なものであって、一般の人に正しく理解してもらうための記載とはいえないものがほとんどであった。
また、その他のウェブサイトには、「しょぼしょぼ」の語が使用されていたが、それぞれ疲れ目についての具体的・説明的記載とともに使用されているものであり、本願商標とは事案を異にするものと考える。
3 国語辞典について
我が国における主要な国語辞典(岩波書店の広辞苑、三省堂の大辞林、角川書店の国語大辞典、学習研究社の学研国語大辞典等)にはいずれも「しょぼしょぼ目」の語は掲載されていない。
4 むすび
証拠調べ通知書において指摘されたものは、そのほとんどが「しょぼしょぼ」の語に係る情報であって、これと「目」の文字とを結合してなる本願商標の識別力の有無を考察するに際しては、やや事案を異にするものである。
「しょぼしょぼ目」の語が使用されているものについては、ごく私的なものであったり、インターネットや国語辞典などの媒体全体から見ればごく僅かな件数であったりするため、これらの証拠から、本願商標「しょぼしょぼ目」が「疲れなどのために眼を見開いていられず、弱々しくまばたきするさま」の意味合いで一般に使用されているとまではいい難い。
第5 当審の判断
本願商標は、上記第1のとおり、「しょぼしょぼ目」の文字を普通に用いられる方法で表してなるものである。
そして、上記第3に記載のとおり、国語辞典における記載及びその他の事実より、本願商標を構成する「しょぼしょぼ」の文字と「目」の文字とは、密接な関連を有する文字であって、両文字が結合した本願商標からは、「疲労や病気などのために、はっきりと見開いていられない目。」程度の意味を看者に認識させる語であるというのが相当である。
また、本願指定商品は、「薬剤」を含むものであり、その商品分野においては、別掲1に示すとおり、「目の疲れを軽減することを目的とする商品」が存在していることが認められる。
してみれば、本願商標を、その指定商品中、例えば、「目の疲れを軽減することを目的とする眼科用剤・ビタミン剤」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、単に、商品の品質、用途を表示したものと認識するにとどまるものであって、自他商品識別標識としての機能を果たさないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、上記第3に対する平成19年4月9日付け提出の意見書において、上記第4に記載の旨を述べ、本願商標の登録適格性を主張しているが、本願商標構成中の「しょぼしょぼ」の文字は、「疲れなどのために目を見開いていられず、弱々しくまばたきするさま。」(「広辞苑 第五版」)の意味を有する語であり、別掲2に示すとおり、「目」に関して使用される語であること及び本願指定商品中には「目の疲れを軽減することを目的とする商品」が含まれていることよりすれば、「しょぼしょぼ」の文字と「目」の文字とを一連に表した「しょぼしょぼ目」の文字からは、「疲れている目」程度の意味合いを容易に認識するといわざるを得ず、その他の意味合いを認識するとはいい難いから、上記判断を覆すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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