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Trademark Appeal Case

商標使用証拠の信憑性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2007−300061(T2007−300061/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4471606号商標の指定役務中、「在宅療養のための医療機関の紹介,心理検査,心理相談,催眠療法による治療,温泉療法による治療」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4471606号商標(以下、「本件商標」という。)は、「ふれあい」の文字を横書きしてなり、平成11年3月4日に登録出願、第42類に属する「在宅療養のための医療機関の紹介,心理検査,心理相談,催眠療法による治療,温泉療法による治療」外別掲のとおりの役務を指定役務として、平成13年5月11日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その指定役務中「在宅療養のための医療機関の紹介,心理検査,心理相談,催眠療法による治療,温泉療法による治療」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが使用した事実がないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)被請求人の提出に係る「平成16年に作成した会社案内の写し」(乙第1号証)には、「介護サービス」、「子供のいじめ」、「生活安全福祉部門」、「身元調査」の項目があり、特に「子供のいじめ」の項目には「子供のいじめに関する心理相談」、「子供のいじめに関する医療機関の紹介」が挙げられている。

さらに、その裏表紙の右下に「2004.10.1,000」との表示があり、「平成16年に作成した」との主張を合わせると、2004年10月に作成したものと理解できる。

ところで、請求人は、平成17年9月28日付けで被請求人に対して不使用取消審判(取消2005−31187号)を請求しており、その審判請求に対して被請求人は審判事件答弁書で乙第1号証として会社案内(本件における甲第1号証)を提出している。

かかる甲第1号証と前記乙第1号証とを対比すれば明らかなように、表紙のデザイン等が同じで、裏表紙に記載された「2004.10.1,000」の表示も同じであるが、1点異なるのが業務内容の表示である。

すなわち、業務内容のうち「介護サービス」、「生活安全福祉部門」、「身元調査」 は共通しているが、「子供のいじめ」 の項目と「子供のいじめに関する心理相談」、「子供のいじめに関する医療機関の紹介」の記載が甲第1号証にないが、乙第1号証にはある。

この事実が何を意味するのかが問題である。

全く同時に、ほとんど内容が同じ会社案内を2種類作成することはあり得ないと思料する。

審判請求の対象を多数含まれる役務中の「心理相談」と「医療機関の紹介」等に限定しているが、新たな会社案内(乙第1号証)ではそれらの役務に限って業務として特に掲載している。

このことから、かかる会社案内は本審判の請求が却下されるように作成したものといわざるを得ない。

今般印刷物はコンピューターの発達により非常に容易に作成でき、特に一部手直しであれば、さほど費用もかからずに短期間で作成することができる。

(2)被請求人の業務は、甲第2号証に示すように、多岐にわたっている。それにもかかわらず、被請求人が作成した「会社案内」(乙第1号証)は何故、「介護サービス」、「子供のいじめ」、「生活安全福祉部門」、「身元調査」の項目のみであるのか、疑問である。

被請求人のホームページでみる限り、「介護サービス」も「子供のいじめ」も業務に含まれていない。

これらが新規事業であるとしても、2年以上経過しており、常識的にホームページに掲載されているはずである。

乙第1号証の会社案内は、内容的に何の意味もないところから考え、審判請求を回避するためのものといわざるを得ない。

(3)前記甲第2号証には、「ふれあい交番[110番]」の使用が認められる。

しかしながら、「ふれあい交番[110番]」は、登録商標(「ふれあい」)の使用とはいい難く、事実上、被請求人は登録商標「ふれあい」を使用していない。

(4)以上より、被請求人は、本件商標をその指定役務中「在宅療養のための医療機関の紹介,心理検査,心理相談,催眠療法による治療,温泉療法による治療」について、継続して3年以上日本国内において使用していることを証明したとはいえない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、「審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、証拠方法として、乙第1号証を提出した。

被請求人は、本件商標の指定役務の中「在宅療養のための医療機関の紹介,心理検査,心理相談,催眠療法による治療,温泉療法による治療」に類似する指定役務について、乙第1号証に示すとおり使用を継続している。請求人が本件商標の指定役務の中、前記取り消しに係る指定役務と、乙第1号証のいずれにも商標「ふれあい」の掲載が確認され、また、指定役務もまた互いに類似する。

以上の理由により、本件商標は、商標法第50条に該当しない。

第4 当審の判断

1 被請求人提出の乙第1号証によれば、以下のことが認められる。

乙第1号証は、被請求人の会社案内のパンフレットと認められるところ、該パンフレットは、裏表紙の右下隅に「2004.10.1,000」と記載されていることからして、平成16年10月に作成されたものと推認される。

そして、その表表紙及び裏表紙には、被請求人(商標権者)の商号と共に「ふれあい」の文字が表示されており、また、その見開き頁の右側には、中程に「ふれあい」の文字が顕著に表示されるとともに、「介護サービス」として「専門スタッフによる肢体不自由者(老人も含む)に対するリハビリテーションの提供、食事・入浴・排泄などの日常サービスと栄養の指導、その他。」、「子供のいじめ」として「・子供のいじめに関する心理相談・子供のいじめに関する医療機関の紹介」、「生活安全福祉部門」として「・救急通報システム・徘徊老人報知システム生活安全福祉部門」、「身元調査」として「・援助者の身元調査・被援助者の方の調査・行動調査」の記載が認められる。

2 これに対し、請求人は、甲第1号証(不使用取消審判(取消2005−31187)における乙第1号証)と乙第1号証とを対比し、上記被請求人提出の乙第1号証について、別件の本件商標に対する不使用取消審判(取消2005−31187号において、証拠方法として提出した乙第1号証)との関係からすると、「全く同時にほとんど内容が同じ会社案内を2種類作成することはあり得ないと思料する。審判請求の対象を多数含まれる役務中の『心理相談』と『医療機関の紹介』等に限定しているが、新たな会社案内(乙第1号証)ではそれらの役務に限って業務として特に掲載している。このことから、かかる会社案内は本審判の請求が却下されるように作成したものといわざるを得ない。今般印刷物はコンピューターの発達により非常に容易に作成でき、特に一部手直しであれば、さほど費用もかからずに短期間で作成することができる。被請求人の業務は、甲第2号証に示すように、多岐にわたっている。それにもかかわらず、被請求人が作成した『会社案内』(乙第1号証)は何故、『介護サービス』、『子供のいじめ』、『生活安全福祉部門』、『身元調査』の項目のみであるのか、疑問である。被請求人のホームページでみる限り、『介護サービス』も『子供のいじめ』も業務に含まれていない。これらが新規事業であるとしても、2年以上経過しており、常識的にホームページに掲載されているはずである。」旨主張している。

3 この点については、別件の本件商標に対する不使用取消審判(取消2005−31187号)は、請求人の主張のとおり、2年以上経過しており、その間に被請求人が新たな業務を拡大して行うことは普通なことといえるものであるが、本件審判請求の証拠である乙第1号証の被請求人の会社案内の裏表紙の右下隅にも、請求人提出の甲第1号証(不使用取消審判(取消2005−31187号))と同じ2004.10.1,000と記載されていることは、「乙第1号証の被請求人の会社案内」の信憑性に疑義を持たざるを得ない。

加えて、被請求人は、実際に上記役務を行っていることを証する客観的証拠、例えば、会員名簿、印刷発注書、収支報告書、などの具体的証拠を何ら提出していないものである。

そうすると、乙第1号証のみによっては、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に役務「在宅療養のための医療機関の紹介,心理検査,心理相談,催眠療法による治療,温泉療法による治療」について使用されていたとは認めることはできない。

他に商標権者、専用使用権者ないし通常使用権者が、本件商標を請求に係る指定役務について本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用していたものと認め得る証拠は見あたらない。

4 以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国において、使用権者が本件商標を請求に係る指定役務のいずれかについて使用していることを証明したものとは認めることができない。

また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていないものである。

5 したがって、本件商標は、その指定役務中「在宅療養のための医療機関の紹介,心理検査,心理相談,催眠療法による治療,温泉療法による治療」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する

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