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Trademark Appeal Case

効能表示図形の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−14682(T2006−14682/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年6月30日に登録出願されたものであり、その後、指定商品については、同17年4月18日付け手続補正書において、第5類「薬剤,打撲・捻挫の応急措置及び筋肉のほてりをとるために用いるスプレー式の瞬間冷却材,創傷被覆・保護材」に補正されたものである。

2 原査定における拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、青色の四角図形内に表された人体の右肩部分に、シート状及び矢印状の図柄が描かれてなるところ、これは、指定商品との関係において『貼付したシート状の薬剤等が肩の患部に作用していること』を端的に表したものと理解させるにとどまるものであり、また、格別特異な構成とは認め難いので、これをその指定商品中、例えば『薬剤,打撲・捻挫の応急措置および筋肉のほてりをとるために用いるスプレー式の瞬間冷却材,創傷被覆・保護材』等について使用するときは、単に『肩に貼付することにより患部に作用するシート状の商品』であるという商品の品質・形状・効能・用途・使用の方法を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨、認定、判断して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲に示すとおりの構成からなるものであるところ、全体として、人の顎から首、右肩を背後から表したものと把握される図形であって、その肩部分には、シート状のものが貼られていることを容易に看取させる矩形状の図形及び肩のラインに沿って筋が描かれ、それらの双方向に向けた矢印が配された構成からなるものである。

ところで、薬剤等を取り扱う業界において、該商品の形状、使用態様、効能、適応箇所等を表示する場合、商品のパッケージや宣伝広告等で、人体及びその一部の図形、骨格の図形又は写真等が使用され、また、商品の効果・効能を容易に看者に認識させる表示方法の一として、矢印や色彩、円輪郭、引き出し線等で患部を特定させることが、当業者間において普通に行われているところである。これらのことは、例えば、ケンコーコム株式会社のホームページにおける商品「コリンヒットE 120枚」(http://www.kenko.com/product/item/itm_7552034072.html)、同じく商品「キュウメタシンパップH24枚」(http://www.kenko.com/product/item/itm_7521517072.html)、ヒューマン・データ・ラボラトリ株式会社のホームページにおける「エステー化学、ヒアルロン酸を配合した医療用温熱ジェルシート「サーモセラ」を発売」の記事中の説明図、祐徳薬品工業株式会社のホームページにおける商品「パスタイムFX」及び「同FX−L」(http://www.yutokuyakuhin.co.jp/fx/index.html)、小林製薬株式会社のホームページにおける商品「アンメルツヨコヨコ フェルビナエースb」(http://www.kobayashi.co.jp/seihin/an_f/index.html)、同じくアンメルツ温キューパッチ(http://www.kobayashi.co.jp/seihin/an_o/index.html)などにおけるパッケージ等の使用の実情からも、これを首肯できるものである。

そうとすると、上記のとおりの構成からなる本願商標に接する取引者、需要者は、その指定商品との関係において、肩に貼られたシート状の薬剤が、肩部の筋肉に浸透、作用していることを表した図形であると容易に把握し、認識するものであって、商標全体として、シート状の薬剤の使用態様及び効果を表したものとして認識させるものであり、商品の品質、効能、特性を表示記述する標章であるというのが相当である。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品中「シート状の薬剤」に使用しても、その取引者、需要者をして、商品の出所識別標識として認識されるものではなく、単に、商品の品質、効果、効能等を表示するものとして理解するにとどまるものであり、また、これを前記以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれのあるものというべきである。

なお、請求人は、過去の登録例を挙げるとともに「本願商標は、人体の右肩部分の横長方形部の下方に配置されたところの赤色横曲線と赤色矢印図形と青色矢印図形とより構成される部分について、創作的にデザイン処理され、特殊に抽象化された図案として特徴を有しているものであり、本願の指定商品分野において、本願商標のような態様の図形商標が存在しない。さらに、パッケージ等の模倣排除の観点から、本願商標が図形商標として登録され、商標権によって保護されるべきである。」旨主張しているが、本願商標は、前記認定のとおり、需要者等が、商品の品質等を表示するものとして認識すると判断するのが相当であり、また、パッケージの模倣排除と登録出願された商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かは、その法目的を異にするものである。

さらに、登録出願された商標が上記条項に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の構成態様と指定商品に基づいて、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではないから、これらの点についての請求人の主張は、いずれも採用することはできない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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