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結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第11号「地名「アンデス」の称呼類似」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2006−28636(T2006−28636/J1)|拒絶査定取消・登録)

審判番号
不服2006−28636(T2006−28636/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
地名「アンデス」の称呼類似
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2006−28636(T2006−28636/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「地名「アンデス」の称呼類似」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第29類「ペルー産の鶏肉,ペルー産の鶏を使用してなる鶏肉製品」を指定商品として平成17年10月3日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原審において、本願の拒絶の理由に引用した登録第502444号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、昭和31年10月2日に登録出願、第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同32年5月21日に設定登録、その後、同52年8月3日、同62年7月22日、平成9年5月27日及び同19年1月9日の4回にわたる商標権存続期間の更新登録、そして、同年5月23日に、その指定商品及び商品の区分を第29類「ハム,ベーコン,ソーセージ,食肉,塩辛,うに(塩辛魚介類),このわた,寒天,ジャム,卵,かつお節,干しのり,焼きのり,とろろ昆布,干しわかめ,干しあらめ,肉のつくだに,水産物のつくだに,野菜のつくだに,なめ物,果実の漬物,野菜の漬物」とする書換の登録がされたものである。

同じく、登録第512546号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、昭和32年2月28日に登録出願、第45類「他類に属しない食料品及び加味品」を指定商品として、同33年1月21日に設定登録、その後、同53年4月6日、同63年1月22日及び平成9年12月16日の3回にわたる商標権存続期間の更新登録がされたものである。

同じく登録第1184098号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(4)に示すとおりの構成よりなり、昭和45年12月29日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同51年2月12日に設定登録、その後、同61年5月21日、平成8年3月28日及び同18年1月31日の3回にわたる商標権存続期間の更新登録、そして、同年8月2日に、その指定商品及び商品の区分を第29類「ハム」とする書換の登録がされたものである。

同じく登録第4428223号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(5)に示すとおりの構成よりなり、平成11年12月1日に登録出願、第29類「チリ産の豚肉,チリ産の豚肉を使用してなる豚肉製品」を指定商品として、同12年10月27日に設定登録されたものである。

以下、これらをまとめて、単に「引用商標」という。

3 原査定の拒絶理由の要点

原査定は、「本願商標と引用商標とは『アンデス』の称呼を共通にする類似の商標であり、両者の指定商品も同一又は類似のものであるから、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定・判断して本願を拒絶したものである。

4 当審の判断

本願商標は、別掲(1)に示すとおり、その構成中の左上段に、黒色の二重円(内円はわずかに細く表示されている。)を描き、該二重円中の外円の左斜め下に嘴様の図柄を付記し、また、同外円の右斜め上に、それよりもわずかに離して、赤色の鶏冠様の図柄を付記した図形部分(該図形部分は家禽をモチーフとはするものの、全体的には著しくデフォルメして表した図形よりなると認められるものである。)を配置する一方、その右上段には筆記体風の「andes」の欧文字、中段には、やや図案化してなる黒色の「C」とそれに続く赤色の「HICKEN」の欧文字、そして、最下段には、「アンデスチキン」の片仮名文字をそれぞれ配置した構成よりなるものである。

そうすると、本願商標は、上記した家禽をモチーフとはするものの、全体的には著しくデフォルメして表した図形部分に自他商品の識別力があるということができる。

しかして、当該構成中、中段にあって、やや図案化してなる黒色の「C」の欧文字は、その上段に表示された筆記体風の「andes」の欧文字と最下段に表示された「アンデスチキン」の片仮名文字と相俟って、該「C」の欧文字と「HICKEN」の欧文字とにより全体として「CHICKEN」の文字を表示したものと看取し、把握されるというのが相当である。

しかるに、主に南アメリカ大陸の西側に沿って、北緯10度から南緯50度まで南北7500km、幅750kmにわたる世界最大の褶曲山脈であるアンデス山脈は、ベネズエラ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、アルゼンチン、チリの6ヶ国にまたがり(フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」参照)、これらの国、地域はアンデス地方とも呼ばれており、上記諸国のうち、ボリビア、コロンビア、エクアドル、ペルーの4ヶ国は、アンデス共同体を構成している(チリは署名時に加盟していたが、1976年10月に脱退。ベネズエラは2006年4月に脱退を表明)。そして、これらアンデス地方の中でも、ペルーでは、鶏、鴨、七面鳥などの養禽業が盛んであり、同国の2005年の鳥肉生産量は、前年比17.4%減ながら、55万6000トンとなっており、また、同年11月には、鶏肉が日本向けに出荷され、現在では「アンデスチキン」の名称で販売が開始されているほか(以上、第2号証、外務省ホーム頁参照)、料理のメニューに「アンデスチキン」を謳っている飲食店も見られる(請求人提出:第3号証)ことが認められる。

以上の事実を参酌し、本願商標をみるに、その構成中、上段及び中段に表示された「andes」及び「CHICKEN」の各欧文字が、たとえ、上下二段に書されているとしても、最下段に表示された「アンデスチキン」の片仮名文字と相俟って、上段及び中段の文字は、一連一体の「andesCHICKEN」という語として認識され、かつ、「アンデスチキン」の片仮名文字とも併せて、上記ペルー産の鶏肉を指す表示として認識されるとみるのが相当である。

しかも、本願商標の指定商品は、「ペルー産の鶏肉,ペルー産の鶏を使用してなる鶏肉製品」であることから、本願商標をその指定商品に使用した場合、上記文字部分は、商品の品質、原材料等を表示したものとして認識されるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。

してみると、本願商標は、その構成中より「andes」及び「アンデス」の文字部分のみを抽出し、これより生ずる「アンデス」の称呼をもって、取引に資されるものと解すべきでなく、むしろ、単なる「アンデス」のみの称呼を生じないと判断するのが相当である。

したがって、本願商標より「アンデス」の称呼をも生ずるとし、そのうえで、本願商標が引用商標と称呼上類似するから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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