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Trademark Appeal Case

著名略称と構成要素の分離

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900179(T2007−900179/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5017261号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5017261号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成18年6月15日に登録出願され、第41及び第43類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として平成19年1月12日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4808519号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、2003年5月8日アメリカ合衆国においてした商標出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して平成15年10月30日に登録出願され、第35類「運動・健康の分野における商品の展示会又は見本市の企画・運営」、第36類「運動競技のチームへの債務の保証及びマラソン競技・その他の運動競技試合・大会への債務の保証」及び第41類「インターネットを介した運動・健康増進のためのトレーニング方法に関する情報の提供,インターネットを介したスポーツイベントに関する情報の提供,技芸・スポーツ又は知識の教授」を指定役務として平成16年10月8日に設定登録されたものである。

同じく登録第1542353号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、昭和52年6月21日に登録出願、第22類「はき物、その他本類に属する商品」を指定商品として昭和57年9月30に設定登録され、その後、平成4年9月28日及び同14年8月20日の2回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成15年11月26日に指定商品を第25類「履物」とする書換登録がされているものである。

以下、これらを総称するときは、単に「引用商標」という。

3 登録異議申立ての理由の要点

(1)本件商標は、申立人の著名な略称「NB」を含むものであり、本件商標の出願及び使用につき申立人の承諾を得たものでない。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第8号に該当する。

(2)本件商標は、引用商標1と類似する商標であり、その指定役務中第41類に属する役務は引用商標1の指定役務と同一又は類似のものである。したがって、本件商標は、その指定役務中上記役務について、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)引用商標2は、申立人により世界的に展開されているスニーカー等の靴に関する由緒あるブランドとして著名であり、本件商標は引用商標1と同様に引用商標2とも類似するものであるから、申立人の商品販売又は役務提供対象者と同じ層が需要者である本件商標の指定役務に本件商標を使用する場合には、申立人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれがある。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。

(4)本件商標中の「Cafe」の文字は、喫茶店、軽食堂、キャバレー、ナイトクラブ、バー、レストランを意味するから、飲食物を提供しない役務に本件商標を使用する場合、役務の質の誤認を生ずるおそれがある。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第16号に該当する。

(5)本件商標は、従来から申立人が使用してきた「NB」と識別力のない「Cafe」の語を組合せ、かつ図形中にも「n」及び「B」を表示していることから、その構成が偶然採択されたものとは認められず、申立人の業務上の信用を利用しようとする不正の目的をもって使用するものである。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断

(1)本件商標の商標法第4条第1項第8号該当性について

申立人は、引用商標が申立人の著名な略称であるとして証拠を提出しているが、提出に係る証拠を精査しても、引用商標自体が申立人の略称として使用されている事実を示す証左はなく、引用商標は、いずれも申立人の略称として周知著名になっているものとは認められない。加えて、本件商標は、後述のとおり、その構成中の「NB」の文字部分のみを分離抽出して観察すべき格別の理由を見出し難いものである。

したがって、本件商標は、申立人の著名な略称を含むものとはいえないから、商標法第4条第1項第8号に該当するものではない。

(2)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標は、別掲(1)のとおり、図形と文字とからなるところ、その構成に照らし、該図形と文字とは視覚上分離して看取されるものであり、両者を常に不可分一体のものとしてのみ観察すべき特段の理由も見当たらないので、それぞれが独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものといえる。そして、上段に配された図形は、深緑色で着色され、白抜きの模様を有する球の如きものであって、一見して直ちに何を表したものか明らかでなく、これよりは親しまれた既成の称呼及び観念は生じないものであるのに対し、下段に顕著に表された「NBCafe」の文字は、容易に判読できるものであるから、本件商標は、この文字部分を捉え、これより生ずる称呼をもって取引に資される場合も決して少なくないというべきでるから、「エヌビーカフェ」の称呼を生ずるものといえる。

申立人は、「Cafe」の文字が喫茶店、軽食堂、キャバレー、ナイトクラブ、バー、レストランを意味し、派生的に「特定の目的を持った人間の集まる現実又は仮想的空間」等の意味を有する語であって、自他役務の識別力のないものであるから、本件商標は、「NB」の文字部分が要部であり、単に「エヌビイ」の称呼をも生ずる旨主張している。

しかしながら、たとえ、「Cafe」の語が上記意味合いを有するものであるとしても、本件商標は、上記(1)のとおりの構成からなるものであり、かかる構成にあっては、「NBCafe」の文字部分は、「NB」の文字のみが分離抽出されることなく、全体をもって一連一体の一種の店名の如きものとして認識し把握されるとみるのが自然であるから、本件商標は「エヌビーカフェ」の一連の称呼のみを生ずるものというべきである。

一方、引用商標1は、図案化された「N」及び「B」の文字を組合せ、モノグラムとしたものであって、これよりは単なる「エヌビー」又は「エヌビイ」の称呼は生じないものといわざるを得ない。

そうすると、本件商標及び引用商標1から「エヌビイ」の称呼が生ずることを前提に両商標が称呼上類似するものであるとする申立人の主張は理由がないことになるし、他に両商標が称呼上類似するものとみるべき理由は見出せない。

また、本件商標と引用商標1とは、それぞれの構成に照らし、外観及び観念においても相紛れるおそれはないものである。

したがって、本件商標と引用商標1とは、称呼、外観及び観念のいずれの点から見ても非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(3)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について

申立人は、引用商標2はスニーカー等の靴に関する由緒あるブランドとして著名であるとして証拠を提出している。確かに、提出に係る証拠によれば、申立人の業務に係るスポーツシューズ等が我が国においても相当量取引されていることが認められ、引用商標2もある程度需要者間に認識されているものと推認されるが、上記(2)のとおり、本件商標と引用商標1とは非類似の商標であり、引用商標2は、引用商標1とほぼ同様の構成からなるものであって、やはり本件商標とは類似するところのない、別異のものである。

また、引用商標2が使用されている商品「靴」と本件商標の指定役務中の第41類に属する役務とは、商取引上密接な関係を有するものともいい難いところである。

かかる事情の下において、本件商標をその指定役務中の第41類に属する役務について使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標2を連想、想起するようなことはないというべきであり、該役務が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと認められる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

(4)本件商標の商標法第4条第1項第16号該当性について

申立人は、本件商標中の「Cafe」の文字が、喫茶店、軽食堂、キャバレー、ナイトクラブ、バー、レストランを意味することから、飲食物を提供しない役務に本件商標を使用すると、役務の質の誤認を生ずるおそれがある旨主張している。

しかしながら、上記(2)のとおり、本件商標中の「NBCafe」の文字部分は、全体をもって一連一体の一種の店名の如きものとして認識し把握されるとみるのが自然であり、「Cafe」の文字部分のみを分離抽出して「飲食物の提供」の役務を表示するものとして認識し理解されるものとはいえないから、本件商標をその指定役務中の第41類に属する役務について使用しても、役務の質について誤認を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものではない。

(5)本件商標の商標法第4条第1項第19号該当性について

申立人は、本件商標は、その構成に照らし、引用商標とは別個に偶然採択されたものとは認められず、申立人の業務上の信用を利用しようとする不正の目的をもって使用するものである旨主張している。

しかしながら、既に述べたように、本件商標と引用商標とは全く別異のものであって、本件商標から引用商標や申立人を連想、想起することもなく、両商標の関連性が何ら見られないばかりでなく、申立人も、本件商標が申立人の業務上の信用を利用する等の不正の目的をもって採択使用されるものであることを具体的に示す証拠を何ら示していない。

したがって、本件商標は、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的、その他の不正の目的をもって使用するものとはいえないから、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。

(6)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同項第11号、同項第15号、同項第16号及び同項第19号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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