Trademark Appeal Case
周知著名性と図形商標の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900183(T2007−900183/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5018576号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成18年5月18日に登録出願され、第25類「スポーツシャツ,ポロシャツ,その他の被服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第41類「テニスの教授,ゴルフの教授,その他のスポーツ又はスポーツに関する知識の教授,室内テニス場の提供,室内ゴルフ練習場の提供,その他の運動施設の提供,スポーツの興行の企画・運営又は開催」を指定商品及び指定役務として平成19年1月19日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第701259号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、国際登録において指定された商品を指定商品とし、2003年(平成15年)12月2日を事後指定の日とするものであり、その後、第14類「Horological instruments」を指定商品として平成18年7月7日に我が国において設定登録されたものである。
3 登録異議申立ての理由の要点
申立人の所有に係る引用商標は、使用権者グローバル・ウォッチ・インダストリーズ社(以下「GWI社」という。)が使用するイタリアの時計のブランドとして、本件商標の登録出願時及びその登録時に我が国において周知著名となっている。そして、本件商標の各三日月の形状の描き方が引用商標の各三日月の形状の描き方に酷似していることから、本件商標と引用商標の図形部分は外観上類似するものである。
してみれば、時計と被服がトータルファッションの要素として関連性が高いこと等に鑑みると、本件商標をその指定商品中第25類に属する商品に使用するときは、引用商標のGWI社の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、その指定商品中上記商品について、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
申立人の提出に係る証拠によれば、申立人の所有に係る引用商標は、世界各国で商標登録されているほか、GWI社に使用許諾されていること、GWI社は、引用商標を時計について使用し、香港、バーゼル、ミュンヘン、ラスベガス、マドリード、モスクワ、東京等で開催された国際展示会に出展していること、GWI社は、2005年にマイルドセブン・ルノーF1チームのオフィシャルパートナーとなり、F1レーサーのユニフォーム等に引用商標が付されていること、引用商標を使用した時計については、イタリアにおいてカタログが頒布され、テレビ、雑誌等による広告宣伝計画をしていること、日本ではカタログの頒布も広告宣伝も行われていないが、2004年頃から輸入され、マルイシティ新宿店等で販売されているほか、インターネットのオークション等で販売されていること、などが認められる。
しかしながら、上記国際展示会での出展については、展示ブースの割り当てがあったことを示すものなどが中心であり、引用商標の具体的な使用状況は必ずしも明確でないし、引用商標を使用した時計に関する広告宣伝もイタリア国内に限定されており、しかもその規模は、それ程大きなものとはいい難い。我が国においては、該時計については、カタログの頒布や宣伝広告が一切されていないほか、その販売数量も格別に多いものではなく、また、一部マニアの間で取引されている程度といわざるを得ない。
そうすると、申立人の提出に係る証拠によっては、我が国において、引用商標が申立人又はGWI社の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時に需要者、取引者の間において広く認識されていたものということはできない。また、引用商標がイタリアにおいて知られていることが我が国の需要者、取引者の間に広く認識されているとも認められない。
さらに、本件商標と引用商標との類否についてみると、両商標は、別掲(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、本件商標が図形のみからなるのに対し、引用商標は図形と文字とからなるものであり、全体の外観が異なることは明らかである。引用商標の図形部分と本件商標とを対比してみても、本件商標は、ローマ字「C」の両開口部を尖鋭にし中央部を肉太にした如き図形を左上方に傾斜させ、それに重ねるように黒塗りの円の中に三日月状の形状を白抜きにした如き図形を配してなるのに対し、引用商標の図形は、ローマ字「C」の両開口部を尖鋭にし中央部を肉太にした如き大小の図形を二つ重ねるように配したものであって、これらの相違点により、両者は、看者に与える印象が明らかに異なるものであるから、それぞれを時と所を異にして離隔的に観察しても、彼此相紛れることなく外観上判然と区別し得るものである。
そして、引用商標は、図形の下段に書された「Chronotech」の文字より「クロノテック」の称呼が生ずるといえるとしても、本件商標からは、親しまれた既成の観念及び称呼を生じ得ないものというべきであるから、称呼及び観念上両商標を比較すべくもない。
してみると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
かかる事情の下に、本件商標をその指定商品及び指定役務中の第25類に属する商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が引用商標を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人、GWI社又はこれらと経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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