Trademark Appeal Case
称呼の認定と類似判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900219(T2007−900219/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5023292号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成18年5月11日に登録出願、同年12月21日に登録査定、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年2月2日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4395453号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成11年6月30日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年6月30日に設定登録されたものである。
(2)登録第4395454号商標(以下「引用商標2」という。)は、「デソンシーワン」の文字を横書きしてなり、平成11年6月30日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年6月30日に設定登録されたものである。
3 登録異議の申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標1は、緑色の「C1」を大きく書してなるものであるから、外観上類似する。また、両商標には、植物が描かれており、与える印象において類似し、さらに、両商標の「C1」より生ずる「シーワン」の称呼も共通する。
本件商標は、その構成中の「大鮮」の文字部分が韓国語読みで「デソン」と称呼され、全体として、「デソンシーワン」の称呼が生ずるものであるから、「デソンシーワン」の称呼が生ずる引用商標2とは、該称呼を共通にするものであり、観念も共通する。
また、本件商標の指定商品と各引用商標の指定商品は、同一又は類似の商品である。
(2)商標法第4条第1項第10号について
申立人は、引用商標1など「C1」の文字を大きく表した商標(以下、申立人の主張に限り、「C1商標」という。)を商品「焼酎」に使用し、これを「シーワン焼酎」として、1999年より日本において独占的に販売してきた。また、申立人は、「シーワン焼酎」について、盛大に宣伝広告した結果、C1商標は、申立人の取扱いに係る商品「焼酎」を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前には、日本国内の需要者の間に広く認識されるに至ったものである。
本件商標は、その構成中に「C1」を大きく書してなるものであり、C1商標に類似する商標であり、その指定商品中には、C1商標が使用される商品「焼酎」を含むものである。
(3)むすび
以上のように、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第10号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
(ア)本件商標
本件商標は、別掲(1)のとおり、緑色を施したローマ字の「C」状の図形と数字の「1」をモノグラム風に大きく表し(両者は、末尾に行くに従い黄緑色に変化している。)、かつ、該ローマ字の「C」状の図形の左肩には、黄緑色の植物の葉を配してなる図形(以下「本件図形」という。)、及び本件図形の左下に活字体で表した「大鮮シーワン」の文字を横書きにした構成よりなるものである。
そして、本件図形は、前記のとおり、植物の葉をあしらった一種のモノグラムを表したと理解されるものというのが相当であるから、これより、特定の称呼、観念は生じないものと認められる。
一方、本件商標中の「大鮮シーワン」の文字部分は、同一の書体をもって、同一の大きさ、同一の間隔で書されているものであるから、「大鮮」と「シーワン」の外観上の一体性は決して弱いものということはできない。そして、該文字中の「大鮮」の文字部分が韓国語で「デソン」と称呼されるものであるとしても、日本における焼酎等酒類の愛飲家の多くの者が必ずしも韓国語に通じているとは認め難く、また、「大鮮」の文字に続く文字が「シーワン」の片仮名であることからすれば、該文字に接する需要者は、これを全体として、「ダイセンシーワン」と称呼して、商品の取引に当たる場合が多いものとみるのが相当である。
以上によれば、本件商標は、その構成中の「大鮮シーワン」の文字部分に相応して、「ダイセンシーワン」の称呼のみを生ずるものであって、該文字部分は、特定の観念を生じない造語よりなるものといわなければならない。
(イ)引用商標1
引用商標1は、別掲(2)のとおり、黄色地の矩形内に、緑色が施された太輪の左半分を、その上部が上記矩形の右上の頂点に接するように配し、さらに、上記左半分の太輪内に「CLEAN」の文字を青色で書してなる図形(以下「引用左図形」という。)と、その右に、左右と下部に引用左図形の矩形の地色と同色の黄色の縁取りがある植物の地模様矩形内に、数字の「1」を白抜きで表した図形(以下「引用右図形」という。)を配してなるものであるところ、引用左図形と引用右図形は、上下の辺の位置がややずれているものの、これらの側辺の一部は密着してなるものであって、外観上一体のものとして看取されるものである。
そして、引用左図形中、「CLEAN」の文字を除いた部分は、黄色地の矩形と緑色の太輪の左半分を組み合わせた一種の幾何図形を表したと理解されるものとみるのが相当であり、また、引用右図形は、中央に数字の「1」を表したと理解されるとしても、構成全体からみれば、引用左図形と同様に、一種の幾何図形を表したと理解されるものとみるのが相当であって、したがって、引用商標1は、構成全体として、特定の称呼、観念を生じない幾何図形に、ローマ字の「CLEAN」とを組み合わせた構成よりなるものと認識されるというのが相当である。
そうとすれば、引用商標1は、その構成中の「CLEAN」の文字部分より、「クリーン」の称呼及び「清潔な、きれいな」などの観念が生ずるものといわなければならない。
(ウ)引用商標2
引用商標2は、前記のとおり、「デソンシーワン」の文字を書してなるものであるから、これより、「デソンシーワン」の称呼を生ずるものであって、構成全体として、特定の観念を生じない造語よりなるものである。
(エ)本件商標と引用商標1及び2の類否について
本件商標より生ずる「ダイセンシーワン」の称呼と引用商標1より生ずる「クリーン」の称呼は、構成する音数、各音の音質、音感等の差により、それぞれの称呼を一連に称呼した場合においても、明瞭に聴別し得るものであり、また、本件商標より生ずる「ダイセンシーワン」の称呼と引用商標2より生ずる「デソンシーワン」の称呼も、前半部分において、「ダイセン」と「デソン」の音の差異を有するものであるから、これらの差異が両称呼全体に及ぼす影響は極めて大きく、それぞれの称呼を一連に称呼した場合においても、互いに聞き誤るおそれはないものである。
また、本件商標中の「大鮮シーワン」の文字部分は、造語よりなるものと理解されるから、引用商標1及び2とは、観念上比較することができない。
さらに、本件商標と引用商標1は、顕著に表された本件図形、及び引用左図形と引用右図形とにおいて、図形中の緑色の色彩及び一部に植物が配されていることが看者に印象づけられるとしても、その構成は、本件図形は、全体としてモノグラムを表したと理解されるのに対し、引用左図形及び引用右図形は、全体として、幾何図形を表したと理解されるものであるから、その構成全体から受ける印象において大きく相違するものといえる。
してみれば、本件商標と引用商標1とを時と所を異にして、隔離的観察した場合においても、互いに紛れるおそれはないものというべきである。
また、本件商標と引用商標2とは、別掲(1)及び前記のとおりの構成よりみて、明らかに区別し得る差異を有するものである。
したがって、本件商標と引用商標1及び2は、その称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
(2)商標法第4条第1項第10号について
甲第6号証ないし同第34号証を総合すれば、申立人は、1999年ころより、日本国内において、主として別掲(3)のとおりの構成よりなる商標(以下「本件使用商標」という。)を付した商品「焼酎」を輸入販売し、2000年ころより、宣伝活動を行っていたことが認められる。
しかしながら、酒販ニュース、週刊醸界通信、近畿酒類販売業者名簿(甲第13号証1−3)は、酒類販売業者等の業界向けの刊行物であり、一般の消費者を対象としたものではなく、また、静岡新聞や東洋経済日報(甲第14号証1−2)にしても、その発行の部数・範囲がどの程度のものか不明であるし、継続して宣伝広告をしたという事実は見出せない。
さらに、テレビによる宣伝(甲第18号証、同第19号証)も、サンテレビの放送範囲がどの程度のものであるか不明であるし、Sky PerfecTV! 331ch ケイエヌテレビジョン(チャンネル名:KNTV)にしても、「KNTVの1999年末の視聴者が21,000世帯」等との記載からすれば、その視聴者もある程度限られた者といわざるを得ない。
そして、その他の宣伝広告の方法を総合しても、1999年以降の我が国における申立人の販売に係る商品「焼酎」の取引数量、販売地域等は明らかではなく、したがって、これらの証拠をもってしては、本件使用商標が申立人の販売に係る商品「焼酎」を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前より、その需要者の間に広く認識されていたものと認めることは困難であるといわざるを得ない。
加えて、前記(1)で認定したとおり、本件商標は、その構成より、「シーワン」の称呼は生じないものであり、引用商標1とはいうまでもなく、本件使用商標とも、称呼、観念及び外観のいずれの点においても非類似の商標というべきものである。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第10号に違反してされたものということはできないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。