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Trademark Appeal Case

図形商標の外観類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900225(T2007−900225/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5024403号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5024403号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成16年8月9日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同18年12月4日に審決され、同19年2月9日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第54111号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、明治45年4月29日に登録出願、第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同45年7月24日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が6回にわたりなされ、さらに、平成16年3月10日に第1類「アラビヤゴム,にかわ(事務用又は家庭用のものを除く。),りん,グリセリン,硫黄(化学品),オゾン,酸素ガス,しょうのう,しょうのう油(化学品),蒸留水,人造しょうのう,炭酸ガス,はっかのう,はっか油(化学品),竜のう,硫黄(非金属鉱物」、第2類「マスチック,松脂」、第3類「じゃ香,粉末又は水液の人工又は天然の香精(精油からなる食品香精以外の食品香精を除く。),芳香油(しょうのう油(化学品)・はっか油(化学品)を除く。)」、第5類「薬剤(日本薬局方の薬用せっけん・薬用酒・チンキ剤・シロップ剤・膏薬・丸薬・煉薬・散薬・薬油・錠薬・エキス剤・生薬・医療用アルカロイド・煎剤を除く。),ばんそうこう,包帯,綿紗,綿撒糸,脱脂綿,医療用海綿,オブラート」、第16類「事務用又は家庭用のにかわ,海綿(文房具)」及び第30類「食品香精(精油のものを除く。),食塩」を指定商品とする書換登録がなされているものである。

3 登録異議の申立ての理由

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲(1)のとおり、図形の右に「三和生薬」の文字を配した構成からなるところ、当該図形と「三和生薬」の文字とを常に一体不可分に認識せねばならない事情も見受けられないものであるから、かかる構成においては、その図形部分もまた独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものである。

そこで、本件商標中の当該図形部分と引用商標とをその外観において比較検討すると、本件商標は、円と円に内接する3つの点を結ぶ円弧及び円弧の交錯する内部を黒く塗りつぶし、その周囲に白抜きの輪郭を設けたものであるのに対し、引用商標は、円と円に内接する黒く塗りつぶした正三角形とからなるものである。これを離隔的に観察するときには、全体として相違点に関する印象は薄れてしまい、本件商標の3つの内接点が正三角形の位置にあることから、円に内接する正三角形の印象を看者に残し、本件商標、引用商標のいずれからも円に内接する正三角形の印象が強く記憶にとどまるものであるから、両商標は外観上類似するものといわざるを得ない。

申立人は、上記主張の裏づけとして、昭和48年商標登録願第86020号登録異議申立の決定外7件の先例を引用する。

そして、本件商標と引用商標の指定商品は抵触する。

以上のとおり、本件商標と引用商標とは、外観が類似する商標であり、また、その指定商品も類似のものである。

したがって、本件商標登録は商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、引用商標を構成するところの円輪郭とこれに内接して塗りつぶしの正三角形を描いてなる商標を、長年その社章としてその製造・販売にかかる商品に使用し、かつ、同商標を付した商品を大量に販売するとともに、新聞、雑誌、テレビ等あらゆる宣伝方法を通じて、盛んな宣伝広告を行ってきた結果、少なくとも、本件商標の出願当時には、引用商標が申立人の商標であることは極めて広く一般に認識されるに至っているものであって、このことは引用商標が多数の商品区分において防護標章登録されていること(甲第11号証)、あるいは、特許電子図書館(IPDL)において、日本国周知・著名商標として掲載されていること(甲第12号証)からも御庁においても顕著な事実に属するものと確信する。このような事情を勘案した場合には、申立人が社章として使用する著名な引用商標と上記のとおり類似する本件商標が、その指定商品「薬剤」に使用されたときは、取引者・需要者はその商品を持って、申立人あるいは申立人と何らかの関係を有する者の商品であるかのごとく誤認し、出所について混同を生ずるおそれを有するものである。殊に、本件商標の指定商品「薬剤」は、申立人の業務の中核をなす商品である「医薬品」の範疇に属するものであって、申立人の業務と直接的な関連性を有するものであるから、出所の混同を生ずる蓋然性は非常に高いものといわざるを得ない。

以上のとおり、本件商標がその指定商品に使用された場合、その商品の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがある。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反してなされたものである。

(3)まとめ

本件商標は、商標法第4条第1項第11号又は同第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである。

第3 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、別掲(1)のとおり、図形と「三和生薬」の文字とからなるところ、図形と「三和生薬」の文字とを常に一体のもとして認識、把握しなければならない格別の事由は見受けられないから、その図形部分と文字部分とがそれぞれ独立して自他商品識別標識としての機能を果たしすものというべきである。

そこで、本件商標の図形部分と引用商標との類否について、以下検討する。

本件商標の図形部分は、別掲(1)のとおり、白く縁取りされた円弧の緩やかな縦長黒地の三つの輪を重ねて、いわゆる輪違いにして丸内に接っするように配し、これら縦長黒地の三つの輪の重なり合っている中心部が白抜き(縦長黒地の輪の横半分)されている構成よりなるものである。そして、本件商標の図形部分からは、特定の称呼及び観念を生じないというべきである。

これに対し、引用商標は、丸内に黒地正三角形を配した、いわゆる「マルウロコ」の図形商標として一般に知られているものである。

そうすると、本件商標の図形部分と引用商標とは、前者が丸内に縦長黒地の三つの輪が輪違いに配され、その中心部が白抜きされているのに対し、後者は丸内に黒地正三角形を配したなるものであるから、この点において明確な差異を有するものといえ、さらに、全体においても、該中心部の白抜き部分が印象に極めて強く残るというのが相当であり、両者を時と所を異にした、離隔的観察をしたとしても、本件商標と引用商標とは外観において互いに相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

してみれば、本件商標の図形部分と引用商標は、上記のとおり、外観上十分に区別し得る差異を有するものであり、称呼及び観念においては両者は比較することができない。

したがって、本件商標と引用商標は、その外観、称呼及び観念のいずれからしても非類似の商標というべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標と引用商標は、上記のとおり、十分に区別し得る別異の商標というべきものであってその印象を全く異にするものである。

そうとすれば、引用商標が著名であったとしても、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるとはいえないものであって、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しないものである。

3 まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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