Trademark Appeal Case
職業名称の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900174(T2007−900174/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5016766号商標(以下「本件商標」という。)は、「ミクソロジスト」の片仮名文字と「MIXOLOGIST」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成18年4月13日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同年11月13日に登録査定、同19年1月12日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)登録異議申立人「イー・エス・ジャパン株式会社」の申立ての理由
本件商標は、「ミクソロジスト」の仮名文字及び「MIXOLOGIST」の欧文字を普通に用いられる方法で表示したに過ぎないから、指定商品中「ミクソロジストが考案または監修して商品化されたカクテル等の洋酒、ミクソロジストが作るカクテルのベースとなる酒」に使用しても商品の品質を表示するに過ぎず、自他商品識別標識としての機能を果たし得ない。また、該商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものである。
よって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものある。
(2)登録異議申立人「サントリー株式会社」の申立ての理由
本件商標は、上段に「ミクソロジスト」の文字を、下段に「MIXOLOGIST」の文字を併記した商標である。しかし、当該商標は、「お酒に新鮮な果物や野菜、ハーブやスパイスを自由に組み合わせて作られるカクテル」を作る人を示す言葉として知られており、その指定商品中の「カクテル」については、商品の製造者表示として認識されるに過ぎず、その他の商品については、商品の品質の誤認を与えるものである。また、一般に「ミスソロジスト」と言われる人により作られるカクテルに「ミクソロジスト」を使用できないのであれば、社会公共の利益に反するものである。
よって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第7号及び同第16号に違反して登録されたものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本件商標は、前記したとおりの構成からなるところ、甲各号証によれば、「MIXOLOGIST」の語(文字)は、「MIX」(混ぜる)を基にした造語で「混ぜる技術者」という意味があり、リキュール類(果実酒)を使わずフレッシュなフルーツや野菜、ハーブなど様々な自然素材を用いてカクテルを作る人を表す語として用いられているものであって、1990年代頃からロンドンのバーテンダー達の中で、自らを「Mixologist」と名乗る者が現れ始め、健康ブームとも相俟って、ミクソロジストの呼称は、世界各国へと拡がり、我が国においてもミクソロジストを名乗るバーテンダーが増えている事実を認めることができる。
しかしながら、これら甲各号証において、「ミクソロジスト/MIXOLOGIST」の語が使用されているのは、専ら、バー等のカウンター内で顧客の目の前で、その注文に応じてカクテルを作る人を表す語として使用されているものであって、本件商標の指定商品について、その商品の品質等を表示する語として一般的に使用されているものとは認められない。
そうとすれば、本件商標の指定商品との関係においてみた場合、「ミクソロジスト/MIXOLOGIST」の語からミクソロジストが作ったカクテル等の如き漠然とした意味合いを暗示させることがあるとしても、その商品の品質を直接的、かつ、具体的に表示するものとは認められない。
してみれば、本件商標は、その指定商品との関係においては、直ちにその商品の用途、品質等を表したものとまではいい難く、これを本件商標の指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、また、その指定商品中のいずれの商品について使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第7号について
上記のとおり、「MIXOLOGIST/ミクソロジスト」の語は、本件商標の指定商品との関係においては具体的な商品の品質等を表すものではなく、商標法第3条との関係においてみても独占適応性を欠く語であるとまではいえない語であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、他に、本件商標が社会公共の利益に反する商標であるとする理由も見当たらない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号に違反してされたものとはいえない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号及び同第7号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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