Trademark Appeal Case
「オアシス」と「オアシスナビ」の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900224(T2007−900224/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5024309号商標(以下「本件商標」という。)は、「オアシスナビ」の片仮名文字と「OASIS NAVI」(「オアシスナビ」の文字よりやや小さい)の欧文字を上下二段に書してなり、平成18年5月31日に登録出願、第9類「耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」、及び第5類、第10類、第12類、第16類、第18類、第20類、第21類、第25類、第29類、第30類、第32類、第35類、第41類、第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同19年1月5日に登録査定され、同年2月9日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由
1 引用商標
登録異議申立人富士通株式会社(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりである。
(1)登録第2188364号商標(以下「引用商標1」という。)は、「OASYS」の欧文字を書してなり、昭和55年4月18日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、平成元年11月28日に設定登録されものであるが、その後、同11年8月24日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、指定商品中の「民生用電気機械器具」についての登録は、同13年6月20日付けの審決により取り消され、その確定の登録が同年9月5日になされ、さらに続いて、指定商品中の「ラジオ受信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具,映像周波機械器具」についての登録は、同15年4月23日付けの審決により取り消され、その確定の登録が同年7月2日になされたものである。
(2)登録第2617594号商標(以下「引用商標2」という。)は、「オアシス」の片仮名文字を書してなり、昭和55年5月12日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、平成6年1月31日に設定登録され、その後、指定商品中の「ラジオ受信機,テレビジョン受信機,音声周波機械器具,映像周波機械器具」についての登録は、同13年6月20日付けの審決により取り消され、その確定の登録が同年9月5日になされ、さらに、指定商品中の「民生用電気機械器具」についての登録は、同13年6月6日付けの審決により取り消され、その確定の登録が同年11月14日になされ、さらにその後、同15年10月7日に商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに続いて、指定商品について、同16年12月15日に第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具(「ラジオ受信機・テレビジョン受信機・音声周波機械器具・映像周波機械器具」を除く。),電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」を指定商品とする書換登録がなされているものである。
2 理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記のように、「オアシスナビ」の文字を上段に、「OASIS NAVI」の文字を下段に書してなるところ、構成文字中後半部の「ナビ」及び「NAVI」は、「案内・誘導(をするもの)」の意味である英語「navigation」又は「navigator」の略称として、我が国において一般的に親しまれた言葉であるとともに、電気通信機械器具や電子応用機械器具及びその部品を取り扱う業界において、「ナビゲーションシステム」や「カー・ナビゲーションシステム」を表す語として広く一般的に用いられている。
申立人のこの主張を裏付けるものとして、特許庁での平成9年審判第4482号の審決において、第9類での「ナビ」の識別性について論じられている部分がある。この審決によると、「ナビ」は「ナビゲーションシステム」、「カー・ナビゲーションシステム」又は「カーナビ」と称して、車載用航法装置について取引上普通に使用されているとともに、同航法機器を取り扱う取引者、需要者間においては、「ナビ」又は「NAVI」の文字を同機器等の略語又は通称として取引上普通に使用しており、それ自体が単独に商品識別の機能を果たす部分とは認識し得ないものと判断されている(甲第6号証)。
してみれば、本件商標「オアシスナビ\OASIS NAVI」中、「ナビ」又は「NAVI」部分は商品の識別機能を発揮しないことから、本件商標に接する取引者・需要者は、本件商標中、「オアシス」又は「OASIS」の部分に着目し、この部分より生ずる「オアシス」の称呼のみを以って取引にあたる場合も決して少なくないものと考えられる。 したがって、本件商標からは、「オアシスナビ」の他に、要部である「オアシス」「OASIS」から自然と「オアシス」の称呼が生じる。
一方、引用商標1は、アルファベットにて「OASIS」と横書きに書してなるものであり、自然と「オアシス」の称呼が生じる。また、引用商標2は、片仮名文字にて「オアシス」と書してなるものであり、その字音どおり「オアシス」の称呼のみが生じる。
してみれば、本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、共に「オアシス」の称呼を生じることが明らかであり、また、観念上においても、両者は「砂漠の中で、水がわき、樹木の生えている場所」の観念において類似の商標である。
さらに、本件商標と引用商標1及び引用商標2の指定商品は、前記したとおり、同−又は類似のものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、1980年以来、ワードプロセッサあるいは電子計算機用ワープロソフトの名称として、引用商標1及び引用商標2を広く使用して今日に至っており、電気通信機械器具や電子応用機械器具及びその部品を取り扱う業界においては、相当程度認識されている。
したがって、本件商標の指定商品の分野の取引者・需要者は、本件商標がその指定商品について使用された場合には、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
3 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。
第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記第1のとおり、「オアシスナビ」の片仮名文字と「OASIS NAVI」(「オアシスナビ」の文字よりやや小さい)の欧文字を二段に書してなるものである。
そして、本件商標の上段の「オアシスナビ」の文字は、同書、同大、等間隔で一連一体に書され、下段の「OASIS NAVI」の欧文字も中間部に半字程度の間隔を有するとしても、他は全て同じ書体、同じ大きさにて一体に書されているものであって、上段下段を併せて全体としてまとまりのよいものである。また、後段部の「ナビ」、「NAVI」の文字は請求人の主張のように自動車の「カーナビ」の例が知られているが、この例とて「ナビ」だけが独立して使用されているものではなく、「○○ナビ」、「△△ナビ」等、他の文字と組み合わせて一体として用いられている例の一つといえるものである。
さらにまた、本件商標より生じるものと認められる「オアシスナビ」の称呼も冗長なものでなく、一気一連に無理なく称呼し得るものである。
そうすると、かかる構成よりなる本件商標にあっては、たとえ申立人の主張のとおり、「ナビ」及び「NAVI」の語が単独で、「navigation」又は「navigator」の略称として、我が国において一般的に親しまれた言葉であり、電気通信機械器具や電子応用機械器具及びその部品を取り扱う業界において、「ナビゲーションシステム」や「カー・ナビゲーションシステム」を表す語として広く一般的に用いられているとしても、本件商標はその構成文字全体に相応して、「オアシスナビ」のみの称呼を生ずる一体不可分の一種の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。
してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して「オアシスナビ」の称呼のみを生じ、特定の観念を有しない造語というのが相当である。
他方、引用商標1及び引用商標2は、共に前記第2の構成からなるものであるから、「オアシス」の称呼を生ずるものである。
そうとすれば、本件商標から生ずる称呼と引用商標1及び引用商標2から生ずる称呼とは、その音構成、構成音数において明らかな差異を有するものであるから、称呼上十分区別し得るものである。また、両者は、外観においても明らかな差異があり、観念においては、本件商標が上記のとおり特定の観念を有しないものであるから、比較できないものである。
したがって、本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
2 商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る「IT用語事典バイナリ」の写し(甲第1号証)に、申立人の商品として「OASYS/オアシス」が紹介され、フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」の写し(甲第2号証)に、「OASYS」に関する記述があることは認められるが、これらの辞書に「OASYS」、「オアシス」が掲載されていることのみをもってしては、引用商標1及び引用商標2が電気通信機械器具や電子応用機械器具及びその部品を取り扱う業界において、本件商標の出願時(平成18年(2006年)5月31日)及び登録査定時(平成19年(2007年)1月5日)に、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、広く認識されていると認めるには不充分なものといわざるを得ない。
また、富士通株式会社は、平成13年2月15日付自社ホームページ上で「ワープロ専用機『OASYSシリーズ』の生産を終了」等記載されているところからしても、本件商標の出願時(平成18年(2006年)5月31日)及び登録査定時(平成19年(2007年)1月5日)に、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、広く認識されていると認めることはできない。
さらに、上記のとおり、本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品中の第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標1及び引用商標2を連想又は想起させるとはいえないものであって、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議申立てに係る指定商品第9類中の「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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