結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2006−31469(T2006−31469/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4258862号商標(以下「本件商標」という。)は、「黒兵衛」の文字を肉太で書してなり、平成9年11月28日に登録出願、第42類「飲食物の提供,宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリーン印刷,石版印刷,凸版印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,墓地又は納骨堂の提供,一般廃棄物の収集及び分別,産業廃棄物の収集及び分別,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),建築物の設計,測量,地質の調査,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計,デザインの考案,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,機械器具に関する試験又は研究,通訳,翻訳,施設の警備,身辺の警備,個人の身元又は行動に関する調査,あん摩・マッサージ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,家畜の診療,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,編み機の貸与,ミシンの貸与,衣服の貸与,植木の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,会議室の貸与,展示施設の貸与,カメラの貸与,光学機械器具の貸与,漁業用機械器具の貸与,鉱山機械器具の貸与,計測器の貸与,コンバインの貸与,祭壇の貸与,自動販売機の貸与,芝刈機の貸与,火災報知機の貸与,消火器の貸与,タオルの貸与,暖冷房装置の貸与,超音波診断装置の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,凸版印刷機の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,布団の貸与,理化学機械器具の貸与,ルームクーラーの貸与」を指定役務として平成11年4月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により本件商標の指定商品(「指定役務」の誤記と認める。以下同じ。)中第42類「飲食物の提供」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べている。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定役務中、「飲食物の提供」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)弁駁の理由
被請求人は、本件商標「黒兵衛」についての使用事実を立証するために乙第1ないし第12号証に示す各種証拠を提出しているが、これら証拠資料は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによる本件審判請求に係る役務「飲食物の提供」についての商標としての使用事実を立証するものではない。
そこで、以下に被請求人の提出する各種証拠について詳述する。
(ア)乙第1号証−1ないし−3について
乙第1号証−1ないし−3は、確定申告書の控え写しであり、その屋号・雅号の欄に「黒兵衛」と記載され、また、氏名の欄に「下島通人」と記載されている。
しかし、確定申告書は、所得とそれに対する税金を税務署に申告するための書面であり、商標法第2条第3項第8号に規定する「広告、価格表若しくは取引書類」のいずれにも該当しないものである。
したがって、乙第1号証−1ないし−3に示す確定申告書の控えの写しは、商標権者である下島通人氏の本件商標の使用の事実を示す証拠としては不適であるといわざるを得ないものである。
(イ)乙第2号証−1ないし−3について
乙第2号証−1ないし−3は、保守申込書の写しであり、そのお申込者の欄に「黒兵衛」ないし「下島通人」と記載されている。
しかし、この保守申込書の写しは、ホシザキ阪神株式会社の取引書類であって、ホシザキ阪神株式会社が保守サービスの提供を行ったことを示す資料にすぎず、商標権者である下島通人氏が、本件商標をその指定役務である「飲食物の提供」に使用した事実を示す証拠にはなり得ないものである。
また、この保守申込書の写しのお申込者と設置先として記載された住所は、「箕面市西小路4−4−30」と表示されており、商標権者の住所である「兵庫県川西市けやき坂3丁目4−3」の住所とは、一致していないものであるから、商標権者とは異なる別人の下島通人氏がこの保守申込書の申込者であると推測されるものである。
したがって、乙第2号証−1ないし−3に示す保守申込書の写しは、商標権者である下島通人氏の本件商標の使用の事実を示す証拠としては明らかに不適である。
(ウ)乙第3号証について
乙第3号証は、のれん分けのパンフレットであり、そこに「黒兵衛」と記載されている。
しかし、こののれん分けのパンフレットに関し、被請求人は、答弁書において、「平成18年10月制作の黒兵衛のれん分けパンフレットであり」と制作の時期を主張しているが、同パンフレット上には、何らの制作日や頒布日が表示されていないことから、審判請求登録日である平成18年12月12日前3年以内に本件商標を使用していた事実を示す証拠とはなり得ないものであり、また、同パンフレット上には、何ら商標権者である下島通人氏の氏名は表示されていないことから、商標権者である下島通人氏が本件商標を使用していた事実を示す証拠とはなり得ないものである。
したがって、乙第3号証に示すのれん分けのパンフレットは、審判請求登録前3年以内に商標権者である下島通人氏の本件商標の使用の事実を示す証拠としては不適である。
(エ)乙第4号証について
乙第4号証は、株式会社ウェブアイから送信を受けた電子メールを印刷したものとLaLaNetなるホームページを印刷したものと目されるところ、そこに「黒兵衛」と記載されている。
しかし、まず、前者の株式会社ウェブアイから送信を受けた電子メールを印刷したものと目される方については、何ら商標権者である下島通人氏の氏名は表示されていないばかりか、単に電子メールの宛先として「九州ラーメン 黒兵衛様」と記載されているにすぎず、かかる記載をもって出所識別標識である商標として使用されているとは到底言い得ないものであるから、商標権者である下島通人氏が本件商標を使用していた事実を示す証拠とはなり得ないものである。
また、後者のLaLaNetなるホームページを印刷したものと目される方については、同様に、何ら商標権者である下島通人氏の氏名は表示されていないばかりか、これに表示された「2003/12/24」の日付は、ホームページを表示するブラウザーのタブとして表示された日付であり、この日付がコンピュータの日付の設定を変更すれば何時の日付にも変更できることは明らかであるから、審判請求登録日である平成18年12月12日前3年以内に本件商標を使用していた事実を示す証拠とはなり得ないものである。
したがって、乙第4号証に示す株式会社ウェブアイから送信を受けた電子メールを印刷したものとLaLaNetなるホームページを印刷したものと目されるものは、審判請求登録前3年以内に商標権者である下島通人氏の本件商標の使用の事実を示す証拠としては不適である。
(オ)乙第5号証−1及び−2について
乙第5号証−1及び−2は、名刺の写しであり、そこに「黒兵衛」と記載され、また、「下島通人」と記載されている。
しかし、そもそも、名刺そのものは、氏名や住所等を記載した紙片にすぎず、商標法第2条第3項第8号に規定する「広告、価格表若しくは取引書類」のいずれにも該当しないものである。
また、同名刺の写しには、「有限会社クロベエ」と表示されており、本件商標の商標権者である下島通人氏とは異なる主体が表示されており、あたかも、本件商標を使用してなる者は、有限会社クロベエの如きであるから、有限会社クロベエと商標権者である下島通人氏との関係が何ら証明されていない以上、到底、本件商標を商標権者が使用しているとはいい得ないものである。
したがって、乙第5号証−1及び−2に示す名刺の写しは、商標権者である下島通人氏の本件商標の使用の事実を示す証拠としては不適である。
(カ)乙第6号証について
乙第6号証は、割引プラン・回数券利用明細書の写しであり、その名宛人として「九州ラーメン黒兵衛」と記載されている。
しかし、この割引プラン・回数券利用明細書の写しは、株式会社リクルートの取引書類であって、株式会社リクルートが何らかのサービスを提供したことを示す資料にすぎず、また、商標権者である下島通人氏の氏名ばかりでなく、現実に広告を頒布等した事実も示されていないことから、商標権者である下島通人氏が、本件商標をその指定役務である「飲食物の提供」に使用した事実を示す証拠には何らなり得ないものである。
したがって、乙第6号証に示す割引プラン・回数券利用明細書の写しは、商標権者である下島通人氏の本件商標の使用の事実を示す証拠としては不適である。
(キ)乙第7号証について
乙第7号証は、大阪産業創造館のホームページを印刷したものと目されるところ、そのプレスリリースとして、「ヤル気爆発!『黒兵衛』暖簾分けシステム」のタイトルにて紹介されている。
しかし、そこに紹介された記載は、いずれも見出しや文章中に「黒兵衛」と記載されているにすぎず、かかる記載をもって出所識別標識である商標として使用されているとは到底言い得ないものであるから、商標権者である下島通人氏が本件商標を使用していた事実を示す証拠とはなり得ないものである。
また、そこに表示された「2006/09/29」の日付は、ホームページを表示するブラウザーのタブとして表示された日付であり、この日付がコンピュータの日付の設定を変更すれば何時の日付にも変更できることは明らかである。むしろ、通常、企業等が自社の新製品や新サービスをプレスリリースとして発表する場合には、必ず紹介とともに発表した日付をも表示するのが通常であることを考慮すると、表示された「2006/09/29」の日付は明らかに不自然である以上、審判請求登録日である平成18年12月12日前3年以内に本件商標を使用していた事実を示す証拠とはなり得ないものである。
したがって、乙第7号証に示す大阪産業創造館のホームページは、審判請求登録前3年以内に商標権者である下島通人氏の本件商標の使用の事実を示す証拠としては不適である。
(ク)乙第8号証−1ないし−11について
乙第8号証−1ないし−11は、ぐるなびのホームページを印刷したものと目されるところ、そこに「黒兵衛」と記載されている。
しかし、何ら商標権者である下島通人氏の氏名は表示されていないことともに商標の使用の許諾の有無も明らかでないばかりか、そこに表示された「2007/01/10」の日付は、ホームページを表示するブラウザーのタブとして表示された日付であるが、いずれも審判請求登録日である平成18年12月12日以降の日付であるため、審判請求登録前3年以内に本件商標を使用していた事実を示す証拠とはなり得ないものである。
したがって、乙第8号証−1ないし−11に示すぐるなびのホームページは、審判請求登録前3年以内に商標権者である下島通人氏の本件商標の使用の事実を示す証拠としては不適である。
(ケ)乙第9号証について
乙第9号証は、テレビ放送番組を録画したものと目されるところ、そこで「黒兵衛」の店舗が映されている。
しかし、何ら商標権者である下島通人氏の氏名は表示されていないばかりか、このテレビ放送番組の放映の日付が何ら明示されていないことから、審判請求登録日である平成18年12月12日前3年以内に本件商標を使用していた事実を示す証拠とはなり得ないものである。
したがって、乙第9号証に示すテレビ放送番組の録画は、審判請求登録前3年以内に商標権者である下島通人氏の本件商標の使用の事実を示す証拠としては不適である。
(コ)乙第10号証について
乙第10号証は、平成19年元日の年賀状の写しであり、その裏面に「黒兵衛」と記載されている。
しかし、何ら商標権者である下島通人氏の氏名は表示されていないばかりか、この年賀状は平成19年元日の日付であるため、審判請求登録日である平成18年12月12日前3年以内に本件商標を使用していた事実を示す証拠とはなり得ないものである。
したがって、乙第10号証に示す平成19年元日の年賀状の写しは、審判請求登録前3年以内に商標権者である下島通人氏の本件商標の使用の事実を示す証拠としては不適である。
(サ)乙第11号証について
乙第11号証は、無料ご試食券の写しと目されるところ、そこに「黒兵衛」と記載されている。
しかし、何ら商標権者である下島通人氏の氏名は表示されていないばかりか、何らの日付も明示されていないことから、審判請求登録日である平成18年12月12日前3年以内に本件商標を使用していた事実を示す証拠とはなり得ないものである。
したがって、乙第11号証に示す無料ご試食券の写しは、審判請求登録前3年以内に商標権者である下島通人氏の本件商標の使用の事実を示す証拠としては不適である。
(シ)乙第12号証−1及び−2について
乙第12号証−1及び−2は、割引広告の写しと目されるところ、そこに「黒兵衛」と記載されている。
しかし、何ら商標権者である下島通人氏の氏名は表示されていないばかりか、乙第12号証−1に表示された「11月5日(火)6日(水)」の日付は、何らの年号も表示されていないものの、11月5日が火曜日となり、11月6日が水曜日となるのは、平成14年であり、また、乙第12号証−2に表示された「9月24日(水)〜9月26日(金)」の日付も、何らの年号も表示されていないものの、9月24日が水曜日となり、9月26日が金曜日となるのは、平成15年であるため、いずれも審判請求登録日である平成18年12月12日前3年以内に本件商標を使用していた事実を示す証拠とはなり得ないものである。
したがって、乙第12号証−1及び−2に示す割引広告の写しは、審判請求登録前3年以内に商標権者である下島通人氏の本件商標の使用の事実を示す証拠としては不適である。
以上の通り、被請求人は、本件審判請求に係る役務である「飲食物の提供」について、審判請求登録前3年以内に商標権者である下島通人氏並びに専用使用権者及び通常使用権者のいずれかによる本件商標「黒兵衛」の使用の事実を示す証拠を何ら提出していないものである。
したがって、被請求人の提出する各証拠資料は、いずれも本件審判において、使用立証の証拠としては採用される余地の無いものであるから、本件商標を当該請求に係る役務に使用していないことは明らかである。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第12号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)平成6年6月に被請求人である下島通人が箕面市西小路にラーメン店「黒兵衛」を開店、平成9年11月に商標出願・平成11年登録後、現在まで、11店舗チェーン展開し、各店舗「黒兵衛」の屋号で現存営業している。今後も本屋号を継続使用する。
(2)証拠方法
(ア)乙第1号証−1〜3は平成17年〜15年の確定申告書のコピーであり、商標を使用して店舗を経営していた事実を示している。
(イ)乙第2号証−1〜3は平成17年〜15年の保守申込請書であり、商標を使用して店舗を経営していた事実を示している。
(ウ)乙第3号証は平成18年10月制作の黒兵衛のれん分けパンフレットであり、商標を使用していた事実を示しているものである。
(エ)乙第4号証は平成15年インターネットクーポン登録情報であり、商標を使用していた事実を示しているものである。
(オ)乙第5号証−1、−2は代表取締役下島通人と広報部室長吉田佳子の名刺であり、商標を使用していた事実を示しているものである。(広報室は平成18年7月開設)
(カ)乙第6号証はタウンワーク北摂西版広告明細書であり、商標を使用していた事実を示しているものである。
(キ)乙第7号証は平成18年9月29日の大阪産業創造館サイト掲載のプレスリリースであり、商標を使用していた事実を示しているものである。
(ク)乙第8号証−1〜11はインターネット「ぐるなび」に登録されている黒兵衛各店舗の情報であり、商標を使用していた事実を示しているものである。
(ケ)乙第9号証は平成18年名古屋テレビ放送CD(「プリンセブン」大食い対決)であり、商標を使用していた事実を示しているものである。
(コ)乙第10号証は平成19年年賀状であり、商標を使用していた事実を示しているものである。
(サ)乙第11号証は平成18年ラーメン無料試食券であり、商標を使用していた事実を示しているものである。
(シ)乙第12号証−1及び−2本店割引チラシ
(3)上記の内容をみれば「飲食物の提供」において継続して3年以上商標を使用していることが明らかである。
(1)被請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(ア)乙第1号証−1ないし3は、被請求人の平成15年ないし平成17年の「確定申告書」と認められるところ、そこには被請求人の住所と認められる「川西市けやき坂3−4−3」の表示と、事業所の居所として「箕面市西小路4−4−30 箕面コスモビルB1」(以下「事業所居所」という。)の表示があり、被請求人が「黒兵衛」の屋号をもって「飲食業」を営んでいるとして確定申告をしたことが認められる。
(イ)乙第2号証−1ないし3は、平成15年ないし平成17年の「保守申込請書」であって、申込者欄に「下島通人」及び事業所居所と「黒兵衛」の表示があり、この申込者に対し、ホシザキ阪神株式会社が保守サービスを行ったことが認められる。
(ウ)乙第3号証は、ラーメン店「黒兵衛」ののれん分けパンフレットと認められるところ、該パンフレットには、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が表示されていること及び「黒兵衛」の営業開発本部・研修センター(箕面本店)の居所は、事業所居所と同一であること、さらに、黒兵衛グループとして箕面本店他10店記載されていることが認められるが、該パンフレットの制作日は不明である。
(エ)乙第4号証は、2003年12月24日付けのインターネットクーポン登録情報と認められるところ、該登録情報には、事業所居所とラーメン店名である「黒兵衛」の記載が認められる。
(オ)乙第5号証−1及び2は、「有限会社クロベエ」の代表取締役の被請求人と同社の広報部室長である吉田佳子の名刺であって、該名刺には、本件商標と社会通念上同一と認められる「黒兵衛」の商標が表示されていること及び該商標と重なるように書された居所は、事業所居所と同一と認められる。
(カ)乙第6号証は、2004年5月31日付けの割引プラン・回数券利用明細書であるが、該明細書には、事業所居所と「九州ラーメン黒兵衛 箕面本店」の記載が認められる。
(キ)乙第7号証は、2006年9月29日付けのプレスリリースと認められるところ、該プレスリリースには、「ヤル気爆発!「黒兵衛」の暖簾分けシステム」をタイトルとし、リリース内容として、「(有)クロベエは北摂方面を中心としたラーメンチェーン店「黒兵衛」の本部です。箕面本店の他に現在11店舗を展開しています。・・・箕面本店は創業者で「黒兵衛」の味を開発した下島が経営、他11店は弊社の「のれん分け」システムで、各オーナー達が経営しています。・・」と掲載されている事実を認めることができる。
(ク)乙第8号証−1ないし11は、2007/01/10の日付で表示された「ぐるなび」のホームページと認められるところ、該ホームページには、事業所居所の「黒兵衛」を含む他のラーメン店の地図が掲載されていることが認められる。
(ケ)乙第9号証は、テレビ放送番組の録画と認められるところ、該放送番組は、平成18年の「プリンセブン」大食い対決であるとしているが、該放送番組の放映日が明らかでない。
(コ)乙第10号証の平成19年の年賀状には、事業所居所と「黒兵衛」及び「箕面本店」の記載が認められる。
(サ)乙第11号証の無料ご試食券は、「黒兵衛」及び「箕面本店」の記載が認められる。
(シ)乙第12号証−1及び−2は、割引チラシと認められるところ、該チラシには、事業所居所と「黒兵衛」及び「箕面本店」の記載が認められる。
(2)以上の認定事実を総合すると、被請求人は、有限会社クロベエの代表取締役であり、また、事業所居所のラーメン店「黒兵衛」箕面本店の経営者であって、本件審判の請求の登録日(平成18年12月12日)前3年以内の、少なくとも2003年12月24日には、上記店舗において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を請求に係る指定役務「飲食物の提供」について使用していたものと推認される。
(3)請求人は、乙第1号証−1ないし3の「確定申告書」及び乙第5号証−1及び2の「名刺」は、「広告、価格表若しくは取引書類」のいずれにも該当しないこと、乙第2号証−1ないし3の「保守申込請書」は、商標権者以外の第三者の取引書類にすぎないこと、乙第3号証の「パンフレット」、乙第9号証の「テレビ放送番組の録画」、乙第11号証の「無料ご試食券」、乙第12号証−1及び−2の「チラシ」は、いずれも商標権者の表示がなく、制作日、放映日等が明らかでないこと、乙第4号証の「インターネットクーポン登録情報」、乙第7号証の「プレスリリース」及び乙第8号証−1ないし11の「『ぐるなび』のホームページ」は、いずれも商標権者の表示がなく、乙第4号証及び乙第7号証のホームぺージ等に表示される日付は何時の日付にも変更できること、乙第6号証の「割引プラン・回数券利用明細書」は、商標権者の表示がないこと、乙第8号証−1ないし11の「『ぐるなび』のホームページ」及び乙第10号証の「年賀状」は、本件審判の請求の登録後のものであること、等を指摘して本件審判の請求の登録前3年以内に商標権者の使用の事実を示す証拠としては不適である旨主張している。
確かに、被請求人の提出に係る証拠には必ずしも適切でないものも見受けられるが、上記(2)のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内の期間に、ラーメン店「黒兵衛」箕面本店において「ラーメン」等を提供していたのであり、乙第4号証の「インターネットクーポン登録情報」及び乙第7号証の「プレスリリース」等に表示されている日付が、例え何時の日付にも変更できるとしても、該乙第4号証及び乙第7号証の日付をもって直ちに変更したとまではいえない。
また、乙第3号証のパンフレット等には、被請求人の表示がないとしても、乙第1号証−1ないし3、乙第2号証−1ないし3、乙第5号証−1及び乙第7号証には、「下島通人」「下島」の表示とともに、「黒兵衛」が表示されていること等を総合すれば、本件商標は、被請求人によって「ラーメン」等の飲食物の提供について上記期間内に使用されていたものというべきであるから、請求人の主張は採用することができない。
(4)以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定役務「飲食物の提供」について被請求人により使用されていたものと認められるから、商標法第50条第1項の規定により、請求に係る指定役務についての登録を取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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