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Trademark Appeal Case

語順反転商標の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2006−89147(T2006−89147/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4632390号商標(以下「本件商標」という。)は、「NATUREWHITE」の文字を標準文字で書してなり、平成14年2月28日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同14年12月20日に設定登録、その後、該商標権は、同18年2月3日に、商標権一部取消審判の請求(2006年審判第30154号)があった結果、本件商標の指定商品中「せっけん類,歯磨き」についての登録を取り消す旨の審判の確定登録が同18年12月5日にされたものである。

2 引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第4320214号商標(以下「引用商標」という。)は、「ホワイトナチュレ」の文字と「WHITE NATURE」の文字とを二段に横書きしてなり、平成10年10月8日に登録出願、第3類「化粧品,香料類」を指定商品として、同11年10月1日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中「化粧品,香料類」についての登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証(枝番号を含む。)を提出した。

本件商標は、「NATUREWHITE」の文字を表してなるところ、その構成中前半の「NATURE」の文字が「自然」、後半の「WHITE」の文字が「白、白色」の意味を有する英語(外来語)として一般に親しまれ、使用されているものであるから、これらの各文字を結合したと容易に把握、理解できるものである(甲第3号証)。

他方、引用商標は、「ホワイトナチュレ」と「WHITE NATURE」の文字を上下二段に表してなるところ、「NATURE」の文字が「ネイチャー」と発音する英語(外来語)として一般に親しまれ、使用されているものであるから、上段の片仮名文字部分が下段の欧文字部分の自然の称呼を表したものとは言い得ないこと及びその構成よりみて、下段の「WHITENATURE」の文字も独立して看者の注意を惹き、かつ、自他商品の識別標識たり得ると認められるものである。

また、当該「WHlTE NATURE」の文字は、本件商標と同様に、「WHITE」と「NATURE」の文字を結合してなると容易に把握、理解できるものである。

そこで、本件商標を構成する「NATUREWHITE」と引用商標中の「WHITE NATURE」の文字とを比較するに、両者は、いずれも「NATURE」と「WHITE」の文字を結合したものであって、これらの文字において、専ら一方が他方を修飾するというような主従・軽重の差は見出せないから、両者を構成する各文字の配列が単に前後に入れ替わったにすぎないということができる。

そして、両者は、その構成する「NATURE」と「WHITE」の文字の配列において前後の違いはあるとしても、その相違によりそれぞれが一連の熟語的意味合いを有する語として別個独立の観念をもって一般に親しまれているというような事情も見当たらないから、取引者・需要者が、これらの文字の配列を常に正確に記憶に留めるとは言い難く、むしろ、それぞれの前後に関わりなく、「NATURE」と「WHITE」の各文字及び「自然」と「白、白色」の各観念の組み合わせからなる商標として強く印象づけられるものとみるのが相当である。

そうとすると、本件商標を構成する「NATUREWHITE」と引用商標中の「WHITE NATURE」の文字は、これを時と処を異にして隔離的に観察した場合、これに接する取引者・需要者をして、共に「自然」と「白、白色」の意味を有する語を組み合わせたものとして記憶に残る点で観念上相紛らわしく、かつ、称呼においても、前述したように、構成する2語の前後が正確には記憶に残らず、「ネイチャーホワイト」か、「ホワイトネイチャー」のいずれであったのか判別し難いといい得るものであるから、称呼上も彼此聞き誤るおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本件商標と引用商標とは、外観において差異が認められるとしても、観念及び称呼において相紛らわしい類似の商標であって、かつ、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同−又は類似の商品「化粧品,香料類」を含むものである。

加えて、拒絶査定不服審判事件における審決において、甲第4号証の1ないし3のような判断がなされていることからみても、請求人の前記主張は、妥当なものとして是認できる。

本件商標は、他人の先願に係る引用商標とその観念及び称呼において相紛らわしい類似の商標であって、当該引用商標の指定商品「化粧品,香料類」と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。

以上のとおり、本件商標は、商標法第46条第1項の規定により、その指定商品中「化粧品,香料類」についての登録を無効とされるべきものである。

4 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第14号証を提出した。

(1)本件商標の把握

請求人は、「NATURE」は「自然」、「WHITE」は「白、白色」の意味であり、本件商標はこれらの各文字を結合したと容易に把握、理解できる旨述べる。

しかし、商標の把握は特段の事情ない限り全体観察が基本であるところ(乙第1号証)、本件商標は「NATUREWHITE」の各文字を同書同大等間隔に書してなり、視覚上一体的に看取し得るものであり、かつ、これより生ずる称呼「ネイチャーホワイト」も全体として淀みなく一連に称呼し得るものである。

そして、これを殊更前半の「NATURE」と後半の「WHITE」とに分離して考察すべきような「特段の事情」は見出し難く、むしろ、これよりは、直ちに特定の意味合いを想起し得ない一種の造語よりなるものというべきであって、その構成文字全体に相応して生じる「ネイチャーホワイト」の称呼のみをもって取引に資されるものとみるのが相当である。

(2)引用商標の把握

請求人は、引用商標につき、「『NATURE』の文字が『ネイチャー』と発音する英語(外来語)として一般に親しまれ、使用されているものであるから、上段の片仮名文字部分が下段の欧文字部分の自然の称呼を表したものとは言い得ないこと及びその構成よりみて、下段の『WHITE NATURE』の文字も独立して看者の注意を惹き、かつ、自他商品の識別標識たり得る」旨述べる(なお、請求人は、「ホワイトナチュレ」以外に引用商標から生じうる称呼について明確な主張をしていないが、「『ネイチャーホワイト』か、『ホワイトネイチャー』のいずれ...」との記載から、「ホワイトネイチャー」の称呼も生じ得るとの認識と推認される)。

しかし、「NATURE」をフランス語の発音に則した場合「ナチュレ」となることは周知であるところ(但し、フランス語において語尾の母音は発音されない傾向にあることから、厳密には「ナテュル」がより近い表記ともいえる(乙第2号証))。引用商標の指定商品を取り扱う分野においてフランス語は頻繁に用いられること、一般に欧文字と片仮名とを二段に書してなる商標において、付された片仮名が欧文字部分の称呼を特定したものとして無理なく認識されうるときは、該片仮名文字より生ずる称呼をもって自然の称呼とみるのが相当であること(同様の認定判断を行っている審決多数。その一部として乙第3号証ないし乙第8号証を提示する。)、引用商標における片仮名部分「ホワイトナチュレ」は、欧文字部分「WHITE NATURE」の称呼を特定したものとしてとして十分無理なく認識されうること、を踏まえれば、引用商標からは、その片仮名部分の綴り字に従って「ホワイトナチュレ」の称呼のみが生じる。また、その観念についても、外観の一体性、また全体で7音と短く、淀みなく一息に発音可能な称呼に鑑みれば、仮に「WHITE」「NATURE」の各語が広く認識されている語であるとしても、引用商標を敢えて分断して考察することは想定されず、構成全体をもって特定の意味合いを想起し得ない一種の造語というべきものである。

なお、引用商標は、「ホワイトナチュレ」と“英語+フランス語”の構成により造語的要素が一層高められているところ、かかる造語的構成を採用した引用商標の商標権者は、請求人自身である。敢えて自ら特徴的な構成を採用したにもかかわらず、そうした特徴に目をつぶり、「片仮名部分が捨象され欧文字部分単独でも識別標識たり得る」との主張に及ぶことの妥当性には疑問を抱かざるを得ない。

(3)両者の関係の把握について

請求人は、本件商標と引用商標との関係の把握に際して、上記にて誤りを指摘した各認定に立脚し、以下の通り述べている。

(ア)「両者は、いずれも『NATURE』と『WHITE』の文字を結合したものであって、...構成する各文字の配列が単に前後に入れ替わったにすぎない」

(イ)「両者は、...それぞれが一連の熟語的意味合いを有する語として別個独立の観念をもって一般に親しまれているというような事情も見当たらないから、取引者・需要者が、これらの文字の配列を常に正確に記憶に留めるとは言い難く、むしろ、それぞれの前後に関わりなく、『NATURE』と『WHITE』の各文字及び『自然』と『白、白色』の各観念の組み合わせからなる商標として強く印象づけられる」

(ウ)「共に『自然』と『白、白色』の意味を有する語を組み合わせたものとして記憶に残る点で観念上相紛らわしく、...」

しかし、上記各主張は、いずれも「商標の把握にあたっては特段の事情が無い限り全体観察」という商標把握の原則を置き去りにする、という基本的かつ重大な誤謬にその根を同じくしている。本件商標、引用商標のいずれも、敢えて分断する積極的な理由=特段の事情は見出せない以上、構成全体をもって認識され把握されるものであり、「前後が入れ替わる」、「観念の組み合わせ」「組み合わせたものとして記憶に残る」との主張それ自体が失当である。

なお、仮に百歩譲って両者が「WHITE」と「NATURE」の結合である、との前提に立った場合であっても、一連に書された各商標からは特段の事情が無い限りその構成全体に基づいて観念が把握されるところ、本件商標は「NATUREWHITE」すなわち「自然の白」であり、「WHITE NATURE」は「白い自然」である。両者の観念はやはり明白に相違する。請求人の主張は、その意味でも当を得ない。

(4)本件商標と引用商標の対比

以下、請求人の主張も踏まえつつ、本件商標と引用商標との対比を、外観・称呼・観念の各要素毎に検討する。

(ア)外観の対比

外観については、請求人も認める通り、一見して明白に相違するものであり、彼我混同のおそれは皆無である。

(イ)称呼の対比

称呼について、請求人は「構成する2語の前後が正確には記憶に残らず、『ネイチャーホワイト』か、『ホワイトネイチャー』のいずれであったのか判別しがたいといい得るものである」とし、「称呼上も彼我聞き誤るおそれがあるものといわなければならない」旨述べる。

しかし、第一に、引用商標からは「ホワイトナチュレ」のみの称呼が生じるものであることは既述のとおりであり、これと本件商標の称呼とは対比するまでもなく非類似である。

また、仮に「ホワイトネイチャー」の称呼が生じるとして比較しても、両者が音長こそ同じであれ、語頭から語尾に至るまで一音として一致せず、語調及び語感において明らかに相違するものであり、十分に聴別可能であり聞き誤ることなど全く持って想定できない。

(ウ)観念の対比

本件商標、引用商標とも特段の観念を生じない一種の造語であるゆえ、観念においては対比の余地が無い。

なお仮に双方から敢えて観念を汲み取った場合にあっても、「自然の白」と「白い自然」とは明確に相違することは既述の通りである。

このように、本件商標と引用商標とは、外観・称呼・観念のいずれにおいても全くもって似たところの無い、非類似の商標である。

(5)上記述べてきた被請求人の主張は、被請求人に特異なものではなく、むしろ特許庁においても同様な判断が多数存在する(乙第9号証ないし乙第14号証)。

(6)結語

以上、請求人が主張する無効理由が失当であることは明らかである。

よって、本件請求は成り立たない。

5 当審の判断

本件商標は、上記のとおり、英語の「NATURE」及び「WHITE」の文字を結合した「NATUREWHITE」の文字よりなるところ、構成各文字は、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で表されていて、外観上まとまりよく一体的に看取し得るものであり、これより生ずると認められる英語の読みに倣った「ネイチャーホワイト」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、本件商標は、その構成文字全体をもって一体不可分の造語よりなるものと認識し把握されるとみるのが相当である。

そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「ネイチャーホワイト」の称呼のみを生ずるものといわざるを得ない。

他方、引用商標は、上記のとおり「ホワイトナチュレ」「WHITE NATURE」の文字よりなるところ、構成各文字は、同じ書体、同じ大きさで表されていて、外観上まとまりよく一体的に看取し得るものであり、これより生ずると認められる「ホワイトナチュレ」又は「ホワイトネイチャー」の各称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、引用商標は、その構成文字全体をもって一体不可分の造語よりなるものと認識し把握されるとみるのが相当である。

そうすると、引用商標は、その構成文字中上段の片仮名文字に相応して「ホワイトナチュレ」、又は、下段の欧文字に相応して「ホワイトネイチャー」の各称呼を生ずるものと認められる。

しかして、本件商標より生ずると認められる「ネイチャーホワイト」の称呼と引用商標より生ずると認められる「ホワイトナチュレ」又は「ホワイトネイチャー」の各称呼とは、その音構成及び音数に明らかな差異が認められるものであるから、両称呼は容易に区別し得るものである。

また、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を有しない造語よりなるものであるから、観念上比較することはできない。

さらに、本件商標と引用商標とは、外観においても著しく異にするものであるから、外観上相紛れるおそれはないものと認められる。

してみれば、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみて、十分に区別し得る非類似の商標である。

なお、請求人は、甲第4号証の1ないし3の審決例を援用しているが、いずれも本件と事案を異にするものであるから、この点に関する請求人の主張は採用の限りでない。

したがって、本件商標は、その指定商品中「化粧品,香料類」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものでないから、その登録は、同法第46条第1項の規定により、無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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