結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2007−300157(T2007−300157/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4741636号商標(以下「本件商標」という。)は、「ミルクル」の文字を標準文字で書してなり、平成12年8月1日に登録出願、第16類「紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フイルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,型紙,裁縫用チャコ,紙製テーブルクロス,紙製ブラインド,紙製のぼり,紙製旗,紙製幼児用おしめ,荷札,印刷物,書画,写真,写真立て,かるた,歌がるた,トランプ,花札,文房具類(「昆虫採集用具」を除く。),昆虫採集用具」及び第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同16年1月23日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の指定商品中、『印刷物』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した(なお、平成19年5月31日付け弁駁書に添付の「甲第1号証」は、審判請求書に添付の「甲第1号証」と重複するため、これを「甲第3号証」とした。)。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中「印刷物」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実が存在しないから、その登録は、商標法第50条第1項により、取り消されるべきである。
(2)答弁に対する弁駁
ア 被請求人の提出に係る証拠は、以下のとおり、いずれも請求に係る指定商品についての本件商標の使用事実を立証するものではないから、証拠価値はない。
(ア)「地球環境保全−教育用教材」、つまり「自由に作る手作りうちわ」の教育用教材(乙第2号証の1)は、「印刷物」に該当するものではない。してみれば、「地球環境保全−教育用教材」の封筒下部に大きく「ミルクル」と使用していたり、さらに、同封筒の左上ミルクパッケージの人形が持っているうちわにも「ミルクル」と商標が使用されていても、「印刷物」に「ミルクル」の商標を使用していることには当たらない。
「印刷物」の概念に属する具体的商品として掲載されているものは、「絵はがき,楽譜,歌集,カタログ,カレンダー,雑誌,時刻表,書籍,新聞,地図,日記帳,ニューズレター,パンフレット」である(甲第3号証)から、乙第2号証の1及び2は、「印刷物」の概念から明らかに逸脱しており、証拠価値がない。
(イ)また、上記のとおり、「自由に作る手作りうちわ」の教材は、「印刷物」に該当するものではないから、乙第1号証、乙第3号証ないし乙第7号証も、証拠価値がない。
イ 以上要するに、「印刷物」に該当しない「教材」に「ミルクル」の商標を使用していても不使用取消は免れない。また、「ミルクルカレンダー」を使用していた事実が立証されていない以上、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものであることは明らかである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)使用の事実
ア 教材
(ア)「地球環境保全−教育用教材」の封筒(乙第1号証)の下部及び左上牛乳パックの人形が持っているうちわに「ミルクル」と商標が使用されている。さらに、同封筒の下部には、権利者の一人である「(株)ルイスコーポレーション」が記載されている。
(イ)「自由に作る手作りうちわ」(乙第2号証の1及び2)として、教材そのものに「ミルクル」うちわとしても表示している。
(ウ)以上のミルクル教材の出荷は多数あるが、その一部の伝票の控え(4枚)提出する(乙第3号証ないし乙第6号証)。
(エ)「ダイキン環境教材」の請求書(原本:乙第7号証)
(オ)被請求人らは、牛乳パックを利用した再生紙から本件の教材を作成している。この教材は、厚紙の切り抜きの形でうちわ本体と取っ手を切り抜かせ、本体と同じ厚紙で別に用意された取っ手部分の補強板を本体の取っ手部分に張り合わせることでしっかりした取っ手のうちわが形成でき、紙のみの素材であるから、廃棄する場合にも環境に良いものである。また、本件商標は、牛乳(ミルク)パックの「ミル」と、リサイクルの「クル」とからネーミングされたものであり、天然資源を無駄に消費せず、クルクル循環し活用し続けている様をイメージ的に表した商標となっている(乙第2号証の1及び2)。
イ カレンダー
同じく牛乳パックを利用した再生紙で製造しており、現物の在庫が一切ない状態であるが、学校用の卓上ミルクルカレンダーを依頼により製作販売している。
なお、上記教材の使用証拠のみで印刷物の使用証拠の要件を満たすものであるが、必要であれば取引書類等も提出する。
(2)以上から、本件商標は、請求に係る指定商品である「印刷物」について、過去3年以内に使用しており、取消の事由は存在しない。
(1)乙第1号証ないし乙第4号証、乙第6号証及び乙第7号証(枝番号を含む。)によれば、以下の事実が認められる。
ア 乙第1号証は、封筒と認められるところ、その中央よりやや下寄りに、「自由に作る/手作りうちわ/ミルクル」と大きく書され、その下には、「地球環境保全−教育用教材」、「(株)ルイスコーポレーション」などの文字が書され、さらに上段左には、「牛乳パック/リサイクル」の文字、及び擬人化した牛乳パックが「ミルクル」との表示があるうちわをもっている図形が表され、その右に配された矢印の図形の右側には、「定番うちわ」の文字とうちわの図形、さらに、その右に配された矢印の図形の右側には、「変形うちわ」の文字とうちわの図形が表されている。
イ 乙第2号証の1は、上段に「自由に作る手作りうちわ」との表題のあり、中央部には、はさみ等で切り取るうちわの型紙が描かれ、また、うちわの型紙の取っ手部分の左右には、「ミルクルうちわの作り方」として、「うちわ(ほんたい)を台紙からはずす。」、「取っ手を作る。」、「うちわ(ほんたい)を取っ手ではさんでのりなどでとめる。」、「これでできあがり/いろいろ書いたり、はったり、色つけして、たのしいョ」、「色いろ作り方/うちわのまわりを花型にしたり動物にしたりetc.ハサミで切ってもOK!」の文字などが記載された印刷物である。また、乙第2号証の2は、うちわの取っ手の補強紙と認められる。
ウ 乙第3号証、乙第4号証及び乙第6号証は、出荷伝票と認められる。
(ア)乙第3号証は、依頼主を「(株)ルイスコーポレーション」とし、届け先を「ハウステンボス(株)」とする2006年(平成18年)7月22日付けのものであり、「品名・荷姿」欄には、「学習教材用ミルクルうちわキット 300本」等の記載がある。
(イ)乙第4号証は、依頼主を「(株)ルイスコーポレーション」とし、届け先を「自民党兵庫県連女性局」とする平成17年8月18日付けのものであり、「品名・荷姿」欄には、「ミルクルうちわサンプル/牛(うし)30枚/教材用(社名有)30枚」の記載がある。
(ウ)乙第6号証は、依頼主を「(株)ルイスコーポレーション」とし、届け先を「大畑博臣」とする2005年(平成17年)1月12日付けのものであり、「品名・荷姿」欄には、「学習教材用ミルクルうちわ サンプル」の記載がある。
エ 乙第7号証は、ルイスコーポレーションから「(株)環境デザイン」に宛てた2006年(平成18年)6月30日発行の請求書であるところ、2006年6月30日の「品名」欄には、「ダイキン環境教育用ミルクル/第一回目印刷・紙代・版代一式」の記載があり、「数量/単位」欄には「10,000枚」の記載がある。
(2)(ア)前記(1)で認定した事実によれば、本件商標の商標権者の一人である株式会社ルイスコーポレーション(以下「ルイスコーポレーション」という。)は、リサイクルした牛乳パックを用いた教材用手作りうちわキット、すなわち、学校などで教材として使用するため、牛乳パックの再生紙にうちわの型紙及びその取っ手を印刷(製造)し、販売することを業とする者であると認められる。
そうすると、ルイスコーポレーションの取扱いに係る上記商品は、商品「うちわ」そのものではなく、牛乳パックの再生紙にうちわの型紙及びその取っ手を印刷した教材用の印刷物といえるから、いわゆる一種の印刷物とみるのが相当である。
そして、使用に係る商標「ミルクル」は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものであって、教材用の印刷物の商標として機能しているものとみるのが相当である。
さらに、ルイスコーポレーションは、本件審判の請求の登録(平成19年3月7日)前3年以内である2005年(平成17年)1月ころから2006年(平成18年)7月ころにかけて、日本国内に所在の顧客との間で、「教材用手作りうちわ」の取引をしたものと推認することができる。
してみれば、本件商標の商標権者の一人であるルイスコーポレーションは、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、印刷物について本件商標を使用していたものと認めることができる。
(イ)上記に関し、請求人は、「印刷物」の概念に属する具体的商品として掲載されているものは、「絵はがき,楽譜,歌集,カタログ,カレンダー,雑誌,時刻表,書籍,新聞,地図,日記帳,ニューズレター,パンフレット」(甲第3号証)であり、「自由に作る手作りうちわ」の教育用教材は、「印刷物」に該当するものではない旨主張するが、甲第3号証の商品は、「印刷物」の範疇に属する商品を例示的に掲げたものであるから、これに記載されていない商品が直ちに印刷物の範疇に属しない商品ということはできない。のみならず、前記認定したとおり、ルイスコーポレーションの取扱いに係る商品は、商品「うちわ」そのものではなく、うちわの型紙及びその取っ手部分が、うちわの作り方とともに印刷された教材用の印刷物といえるから、「印刷物」の範疇に属する商品とみるのが相当である。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
(3)むすび
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者の一人であるルイスコーポレーションが請求に係る指定商品について、登録商標の使用をしていたことを証明したものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中の「印刷物」について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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