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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の成否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2007−300099(T2007−300099/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4605566号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり「μ」のギリシャ文字と「.」(黒丸点)を表した構成よりなり、平成13年9月17日に登録出願され、第3類「化粧品」を指定商品として、同14年9月20日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品、第3類「化粧品」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。

被請求人は、本件商標をその指定商品「化粧品」について継続して3年以上日本国内において使用していない。また、本件商標について専用使用権者は存在せず、通常使用権者として本件商標を使用している者もいない。

したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は使用権者のいずれによっても、その指定商品について使用されていないものである。

よって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁(要旨)

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第16号証(枝番を含む。枝番全てを引用するときは、その枝番を省略する。)を提出した。

(1)被請求人及び属する企業集団について

被請求人「株式会社メディカル・ワークス」は、平成13年9月17日に「有限会社エム・アイ・ティー」として、本件商標を登録出願し、平成14年9月20日にその登録を受けたが、平成15年11月13日付けで「有限会社蒼楽」へと商号を変更し、さらに平成18年2月20日に「有限会社メディカル・ワークス」へと商号変更のうえ、同日に「株式会社メディカル・ワークス」に組織変更した。

被請求人は、下記の(ア)ないし(エ)の4法人とともに、松倉グループと呼ばれる各種美容を取り扱う企業集団を形成し、同グループ各社の人事・総務の各種事務を代行して統合的な管理本部の役割を果たすほか、グループ各社に事務担当の従業員を派遣する業務を行っている。被請求人の全株式は、後述の松倉知之医師が保有している。

(ア)医療法人社団松徳会松倉クリニックは、グループの中心であり、美容形成外科を専門とする松倉知之医師が院長を務めるクリニック。

(イ)株式会社スタイルMは、エステティックサロン等を経営。松倉医師が全株式を保有。

(ウ)株式会社M.R.Iは、アメリカ等の最先端美容医療や化粧品等の情報を集めて日本国内にて発信するなどの業務を担当。松倉医師が株式の55%を保有。

(エ)株式会社ネオメディック(以下「ネオメディック」という)は、松倉医師が自ら開発した自社製品や、海外からの輸入品を取り扱う化粧品等の販売会社。松倉医師が株式の67%を保有。

株式会社メディカル・ワークス及び上記の(ア)ないし(エ)は、定期的に綿密な統合ミーティングを行って、営業方針を確認しあうなど、強い連携関係を維持している(以上、乙第1号証ないし乙第4号証)。

(2)被請求人による本件商標の使用

平成14年6月、松倉グループは、成分を指定したうえ、新化粧水等の製造をフィディカコスメ株式会社(以下「フィディカコスメ」という)に委託した。製造委託にかかる化粧水等は、(a)μ3カロチーノジェル(乙第7号証1枚目)、(b)μ3クレンジングローション(同2枚目)、(c)μさっぱり化粧液(同4枚目)及び(d)μしっとり化粧液(同5枚目)4種類で、フィディカコスメは、平成14年6月18日に静岡県に対して化粧品製造製品販売名届を提出した(乙第6号証)。この時の契約上の委託主体は被請求人である。

そして(a)μ3カロチーノジェル(乙第7号証1枚目)及び(b)μ3クレンジングローション(同2枚目)は、被請求人がフィディカコスメに発注して納品を受け、これを化粧品販売会社であるネオメディックに全ておろすことにし、現在に至るまでこの取引を継続している(乙第9号証及び乙第13号証)。

以上のとおり、被請求人は、平成14年6月頃から現在に至るまで、継続的に自ら本件商標を使用している。

(3)被請求人は、平成15年6、7月頃までの間、前記(2)の(c)と同(d)の化粧液をネオメディックにおろしてきたが、被請求人とネオメディックの間で特別に契約書を交わすことはしなかった。

被請求人は、前記(2)の(c)と同(d)の化粧液に関し、平成15年9月頃、ネオメディックに対して本件商標の通常使用権を設定し、ネオメディックは、平成17年4月頃まで前記(2)の(c)と同(d)の化粧液を販売してきたが、平成17年夏の初め頃、前記(2)の(c)と同(d)の化粧液をバージョンアップして新製品を開発することとし、(e)ミューエクストラ(μex:乙第7号証6枚目)を、エフシー中央薬理研究所株式会社(以下「エフシー」という)に対して製造委託し、以後、現在に至るまで継続的にエフシーから仕入れている(乙第12号証)。

(4)以上のとおり、本件商標の通常使用権者であるネオメディックは、前記(2)の(a)ないし(d)及び前記(3)の(e)の化粧品を、継続的に雑誌等の媒体や(乙第14号証の1ないし8)、インターネットなどにより(乙第15号証)宣伝するなどし、平成14年初夏頃から現在に至るまで販売を継続し、本件商標を使用している。

(5)したがって、本件商標の使用の事実が明らかであるから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきでない。

4 当審の判断

(1)被請求人が提出した証拠から、以下の事実が認められる。

(ア)乙第6号証の「フィディカルコスメ株式会社」の平成14年6月18日付け化粧品製造製品販売名届書の「新たに製造又は輸入する製品の販売名」の欄には、「μ3カロチーノジェル他7版売名(販売名一覧のとおり)」の記載、及び同化粧品製造製品販売名届書2頁の「化粧品製造製品販売名一覧」には、「新たに製造する商品」の「販売名」の欄に「μ3カロチーノジェル」、「μ3専用ディープクレンジングローション」、「μさっぱり化粧液」及び「μしっとり化粧液」の記載がある。

(イ)乙第8号証の「μさっぱり化粧液」及び「μしっとり化粧液」の「商品カタログ」には、2頁に「μ.」の商標が表示されており、最終頁には、「μ(ミュー)に関するお問い合わせ 株式会社ネオメディック」及び「2002年6月上旬発売予定」と記載がある。

(ウ)乙第9号証の「フィディカルコスメ株式会社の納品書」中、2004年2月24日売上(6頁)から2005年12月31日売上(24頁)までの日付の「品番・品名」の欄には、「μ.3(専用)ディープクレンジングローション」の記載がある。

(エ)乙第14号証の1ないし6の2002年7月号から2004年8月号までの「雑誌の写し」には、乙第8号証と同一の商標が付された包装容器の写真とともに「μさっぱり化粧液」、「μ(ミュー)しっとり化粧液」、「ミューしっとり化粧液」及び「μしっとり化粧水」の紹介記事が掲載されている。

(2)被請求人の提出に係る上記(1)にあげた証拠と被請求人の主張を総合すると以下の事実が認められる。

(ア)株式会社ネオメディックは、3(1)に記載されているように被請求人のグループ会社であること及び、乙第8号証の本件商標を付した「μさっぱり化粧液」及び「μしっとり化粧液」の商品カタログのお問い合わせ先には、「株式会社ネオメディック」の記載があることから、株式会社ネオメディックが本件の商標の通常使用権者であると推認し得るものである。

(イ)乙第8号証の商品カタログにあるものと同一の「μさっぱり化粧液」及び「μしっとり化粧液」は、2004年3月24日から2005年12月31日までの間に発行された雑誌に紹介され、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が記載されていることから、本件審判の請求前3年以内に本件商標を付した化粧品の広告がなされていたと認められるものである。

(3)被請求人の提出に係る上記(1)にあげた証拠から認められる事実と被請求人の主張を総合判断すると、本件審判の請求の登録(平成19年2月21日)前3年以内に、日本国内において、被請求人の通常使用権者と認められる者が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を商品「化粧品」について使用していたと認め得るところである。

(4)そして、請求人は、前記3の被請求人の答弁に対し、何等弁駁するところがない。

(5)したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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