Trademark Appeal Case
役務の質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−15810(T2006−15810/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「極上の湯宿」の文字を書してなり、第39類「鉄道による輸送,車両による輸送,道路情報の提供,船舶による輸送,航空機による輸送,貨物の輸送の媒介,船舶の貸与・売買又は運航の委託の媒介,主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,有料道路の提供,係留施設の提供,自動車の貸与,船舶の貸与,車いすの貸与,自転車の貸与,航空機の貸与」及び第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供」を指定役務として、平成17年8月12日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『極めて上等な温泉旅館』程の意味合いを認識させる『極上の湯宿』の文字を普通に用いられる方法で表示してなるものであるから、これを本願指定役務中、極めて上等な温泉旅館へ行く『主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ』、前記温泉旅館を提供する『宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ』、前記温泉旅館における『飲食物の提供』に使用しても、その温泉旅館が上等であることを表すものとして理解されるにとどまり、単に役務の質(内容)、提供の場所を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」と認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり「極上の湯宿」の文字を書してなるところ、その構成中の「極上」の文字は、「きわめて上等なこと。最もすぐれていること。」(「広辞苑」第5版、株式会社岩波書店発行)の意味を有する語であり、「湯宿」の文字は、「温泉場の宿。温泉宿。」(「大辞林」第三版、株式会社三省堂発行)、「温泉場の宿屋。温泉を引いた旅館。」(「大辞泉」株式会社小学館発行)の意味を有する語であるから、それらを一連に書してなる本願商標からは、「きわめて上等な温泉旅館」の意味合いを容易に想起させるものである。
してみれば、本願商標は、これを本願指定役務中、「主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ」や「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ」、「飲食物の提供」等に使用しても、上等な温泉旅館に係る役務であることを端的に表すものとして理解されるにとどまるものであって、それに接する需要者は、単に役務の質(内容)、提供の場所を誇称的に表示したものとして把握するにとどまり、自他役務を識別するための標識とは、認識し得ないものと判断するのが相当である。
さらに、次のようなインターネットによるホームページの情報等によれば、本願の指定役務の取引の実際において、「極上の湯宿」の語が、「主催旅行の実施,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ」等について、「極めて上等な温泉旅館」程の意味合いで普通に使用されていることを窺い知ることができる。
(a)http://form.allabout.co.jp/s/041117/
株式会社オールアバウトのサイトにおいて、「冬は貸し切り露天の宿に隠れる」の見出しの下、「5つの極上の湯宿を紹介する。」の記載がある。
(b)http://travel.rakuten.co.jp/onsen.html
楽天トラベル株式会社のサイトにおいて、「全国温泉宿予約」の見出しの下、「こだわり条件から探す」の欄の中の「高級温泉宿検索」の項目の中に、「極上の湯宿で癒される」の記載がある。
(c)http://www.tankuma.com/
有限会社ウルトラハウス運営の「月刊タウン情報クマモト デジタルタンクマ」のサイトにおいて、「こだわりの温泉宿」の見出しの下、「一度は訪ねたい極上の湯宿、スパリゾートを収録」の記載がある。
(d)http://blog.livedoor.com/common_theme-90776.html
株式会社ライブドアの「livedoorブログ(Blog)−旅行−温泉」の見出しの下、「テーマタイトル:今週のおすすめ宿」の欄に「恋に効く『貸し切り温泉』『絶景露天風呂』といった極上の湯宿に1人1泊8800円で宿泊できるOZ限定プラン」の記載がある。
(e)http://www.asahi.co.jp/tsalad/d20070407.html
朝日放送の「旅サラダ」のサイトにおいて、「みやこの宿かり日記」の見出しの下、「贅沢な空間で湯治気分を味わい、至福のときを過ごす極上の湯宿。」の記載がある。
(f)http://domestic.hotel.travel.yahoo.co.jp/season/izubeach/index3.html
ヤフー株式会社の「YAHOO!トラベル」のサイトにおいて、「伊豆 ビーチに近い宿」の見出しの下、「下田大和館〈吉佐美〉」の欄に、「過去に『王様のブランチ』もう一度泊まりたい宿で1位になった極上の湯宿。」の記載がある。
(g)http://www.q-ad.net/blog/yuttariclub/
株式会社キューアドのサイトにおいて、「湯ったり倶楽部」の見出しの下、「『湯ったり倶楽部』が目指すもの」の欄に、「記念日旅行他、大切な日の大切な時間の為に用意する、極上の湯宿も紹介していきますが、」の記載がある。
(h)http://www.yumotokan.co.jp/howto/stay4.htm
湯元館のサイトにおいて、「湯元館の過ごし方」の見出しの下、「大事な人と和む極上の湯宿で過ごす最高の1ページ。」の記載がある。
(i)http://www.townnavi.ne.jp/cgi/navi/navi.cgi?cmd=cv&Ca=27_1_17
タウンNAVI事務局運営の「タウンNavi」のサイトにおいて、「奥三河湯谷温泉/三河湾西浦温泉 はづグループ」の見出しの下、「三河湾西浦温泉・・(中略)・・5つの個性で極上の湯宿を提供します。」の記載がある。
したがって、上記のような取引の実情からしても、本願商標は、これを本願指定役務中、「主催旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ」に使用するときは、「極めて上等な温泉旅館の宿泊が組み込まれた旅行に関する役務」であること、また、「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ」について使用するときは、宿泊施設として提供されるのが、「極めて上等な温泉旅館」であること、さらに、「飲食物の提供」について使用するときは、「極めて上等な温泉旅館における飲食物の提供」であること、すなわち、役務の質(内容)、提供場所等を誇称的に表示するにすぎないものといわざるを得ず、かつ、それらの役務について取引をする何人も使用を欲する表示であるから、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
また、請求人は、本願商標と同一の構成からなる商標が、他の商品及び役務について登録されていることを理由として、本願商標も登録されるべきであると述べている。
しかしながら、商標が自他商品及び役務の識別力を有するか否かは、当該商標とその指定商品又は指定役務との関係において個別具体的に判断されるべきものであるから、本願商標に係る指定役務と異なる商品又は役務に関する認定判断を根拠として、それらと同列に論ずることは妥当でなく、また、本件については、前記のとおり判断するのが相当であるから、この点についての請求人の主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
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