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Trademark Appeal Case

称呼類似と長音の有無

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−26213(T2006−26213/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「サムコ」の文字を標準文字により表してなり、第1類、第9類、第11類、第19類、第20類及び第21類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として平成18年1月27日に登録出願されたものである。その後、指定商品については、原審における同年10月4日付手続補正書及び当審における同年12月25日付手続補正書により、最終的に、第1類、第9類及び第19類ないし第21類に属する同年12月25日付手続補正書記載のとおりの商品を指定商品として補正されたものである。

2 引用商標

原審において、本願の拒絶の理由に引用された登録第4347216号商標(以下「引用商標1」という。)は、「サームコ」の文字を横書きしてなり、昭和58年4月21日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成11年12月24日に設定登録されたものである。

同じく登録第4348733号商標(以下「引用商標2」という。)は、「THERMCO」の文字を横書きしてなり、昭和58年4月21日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成12年1月7日に設定登録されたものである。

以下、これらを一括していうときには、「引用商標」という。

3 原査定の拒絶理由の要点

本願商標と引用商標とは称呼において類似の商標であり、両商標の指定商品も同一又は類似のものであるから、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断

(1)本願商標と引用商標との類否について

本願商標と引用商標との類否について判断するに、本願商標は「サムコ」の片仮名文字よりなり、その構成文字に相応して「サムコ」の称呼を生ずること明らかである。

一方、引用商標1は「サームコ」の片仮名文字よりなり、その構成文字に相応して「サームコ」の称呼を生ずること明らかである。

同じく、引用商標2は「THERMCO」の文字よりなり、その構成文字に照らし、一般によく知られている英語読み風に「サームコ」の称呼を生ずると認められるものである。

そこで、本願商標より生ずる「サムコ」の称呼と引用商標より生ずる「サームコ」の称呼を比較すると、両者は、「サ」「ム」「コ」の3音を共通にし、異なるのは、「サ」の音の後の長音(ー)の有無のみである。そして、差異音である後者の長音(ー)は、その前音「サ」の母音に連係した長母音を形成する関係上、前母音に吸収され余韻として残る程度に聴取されるにすぎず、該差異が称呼全体に及ぼす影響は小さいものである。

したがって、両称呼は、それぞれを一連に称呼するときは、その語調、語感が近似し、彼此聴き誤るおそれがあるものというのが相当である。

また、本願商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上明確に区別し得るものであり、観念上においては、共に特定の親しまれた意味を想起させない造語と認められるから比較し得ない。

してみれば、本願商標と引用商標とは、外観上の差異を考慮し、観念上比較し得ないとしても、なお、その称呼において互いに紛れるおそれのある類似の商標といわなければならない。

(2)指定商品の類否について

本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について判断するに、商標法第4条第1項第11号に規定する指定商品の類否は、取引の実情に照らし,それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認混同されるおそれがあるか否かによって判断されるべきである。

これを本件についてみるに、本願商標の指定商品中「半導体ウェーハ」は、集積回路等を製造するための原材料として用いられるものであり、これには「単結晶シリコンウェーハ」と「化合物半導体ウェーハ」があるところ、集積回路等の生産とその原料である半導体ウェーハの生産とは分業化が進み、少なくとも我が国における半導体ウェーハ市場の大半を占める単結晶シリコンウェーハについては、専業の半導体ウェーハメーカーがこれを生産し、集積回路等を生産するデバイスメーカー等は、これを半導体ウェーハメーカーから購入することが、半導体ウェーハ取引における常態となっているものと認めるのが相当である。

そして、半導体ウェーハは、一般需要者向けの商品ではなく、その需要者はデバイスメーカー等であり、また、半導体ウェーハに対する一連の加工は、大気中の微粒子を極限までろ過し、温度、湿度も制御されたクリーン・ルーム内でしか行うことができないから、その取引当事者は、こうしたクリーン・ルーム設備を保有する者だけに限られるというべきである。

同じく、本願商標の指定商品中「シリコンウェーハ」及び「半導体用シリコンウェーハ」は、それらの構成中「シリコン」の文字部分が、「ケイ素。非金属元素の1」を意味し、半導体ウェーハの原料として広く使用されているところからすれば、上記「半導体ウェーハ」とは、原料名あるいは用途を冠した表示に相違はあるものの、実質的に同じ範疇の商品とみて差しつかえないと判断するのが相当である。

このような、諸事情を総合考慮すれば、商品「半導体ウェーハ」「シリコンウェーハ」及び「半導体用シリコンウェーハ」と「集積回路等の電子応用機械器具」とについて、同一又は類似の商標が使用されたときに、半導体ウェーハ等の需要者であるデバイスメーカー等において、それらの商品が同一営業主の製造又は販売に係る商品であると誤認混同されるおそれはないといわなければならない。

してみれば、本願商標の指定商品中「半導体ウェーハ」「シリコンウェーハ」及び「半導体用シリコンウェーハ」は、引用商標の指定商品のうち、「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く。)」に属する集積回路等の各種商品とは、相紛れるおそれのない非類似の商品であると判断するのが相当である。

また、「半導体ウェーハ」「シリコンウェーハ」及び「半導体用シリコンウェーハ」を含む本願商標の指定商品は、前記以外の引用商標のいずれの商品とも相紛れるおそれのない非類似の商品である。

(3)以上のとおり、本願商標は、引用商標と称呼において類似するものであるとしても、本願商標の指定商品は、引用商標のいずれの商品とも非類似の商品であるから、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当なものでなく、取消を免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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