結論テキスト
その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。
審判費用は、その2分の1を請求人の負担とし、2分の1を被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2007−890009(T2007−890009/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4969854号商標(以下「本件商標」という。)は、「ハミングステージ」の文字と「HUMMING STAGE」の文字を二段に横書きしてなり、平成17年8月11日に登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」、第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,紙製幼児用おしめ,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,紙製テーブルクロス,紙類,文房具類,印刷物」、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」及び第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同18年7月14日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録無効の理由として引用する登録第4243520号商標(以下「引用商標」という。)は、「ハミング」の文字を標準文字で書してなり、平成9年7月7日に登録出願、第3類「せっけん類,薫料,その他の香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として、同11年2月26日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の指定商品中の第3類『家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛』及び第30類『食品香料(精油のものを除く。)』についての登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第45号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)請求の理由
(ア)引用商標の著名性について
請求人は、甲第3号証ないし甲第7号証に示す登録商標を商品「柔軟仕上剤(家庭用帯電防止剤、洗濯用柔軟剤)」(以下「請求人商品」という。)に使用していたが、これらの商標は、存続期間が満了し消滅している。これらの商標に代えて引用商標等を請求人商品に引き続き使用している。
請求人が、請求人商品を製造販売し始めたのは、1962年(昭和37年)である(甲第8号証、甲第13号証、甲第14号証)。
もともとは「花王ソフター」という名のもとに製造販売されていたが、1966年に、「ハミング」に改名したものである。
以来、請求人は、今日まで請求人商品の包装容器に「ハミング」の文字を表示し、製造販売を継続して行っている(甲第9号証ないし甲第12号証)。
そして、請求人は、主としてテレビを通して広告宣伝を行っている(甲第15号証ないし甲第35号証)が、インターネットを通しての広告宣伝も行っている(甲第36号証及び甲第37号証)。
その結果、「ハミング」の名は、本件商標の出願前から需要者、取引者の間に広く知られていた(甲第38号証)。なお、甲第38号証は、株式会社消費生活研究所/株式会社マーケティング・リサーチ・サービスが実施したベンチマーク調査についての2000年1月から2006年7月までの集計表であり、2006年を例にとると、首都30km圏の地域に在住する69才以下の主婦を対象として面接と留置を併用して行ったものである。
引用商標が著名であることについては、インターネット上のフリー百科事典「ウィキペディア」にもその名が掲載されている事実(甲第39号証)、あるいは、「日本有名商標集」にも掲載されている事実(甲第40号証)からしても疑う余地はない。
(イ)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成から「ハミングステージ」の称呼を生じるほか、「ハミング」の称呼も生じる。
すなわち、本件商標の構成は、全体として既成語ではなく、「ハミング/HUMMING」と「ステージ/STAGE」の既成語を結合した商標である。
結合商標は、その結合の強弱によっては、1つの語のみからも称呼を生じる。
特に、結合されている1つの語が、指定商品との関係で需要者や取引者の間に広く知られているときは、なおさらである。
言い換えると、著名な商標は、強い指標力を有するために、結合商標の一構成部分であったとしても強い出所表示力で、独自の出所表示の機能を果たすから、需要者や取引者は、著名商標と同一の称呼部分をもって取引に及ぶのである(甲第41号証ないし甲第44号証)。
商標審査基準(改訂第8版、特許庁商標課編、甲第45号証)によれば、「指定商品又は指定役務について需要者の間に広く認識された他人の登録商標と他の文字又は図形と結合した商標は、その外観構成がまとまりよく一体に表されているもの又は観念上の繋がりがあるものを含め、原則として、その他人の登録商標と類似するものとする。」のである。
してみると、上記構成の本件商標は、請求人商品について使用され、需要者、取引者の間に広く知られている引用商標を含むものであり、これより、「ハミング」の称呼を生じることは疑う余地はない。
したがって、本件商標は、「ハミング」の称呼を生じる引用商標とは、称呼上類似する商標といわなければならない。
また、本件商標に係る指定商品のうち、第3類「家庭用帯電防止剤、家庭用脱脂剤、さび除去剤、染み抜きベンジン、洗濯用柔軟剤、洗濯用漂白剤、かつら装着用接着剤、つけまつ毛用接着剤、洗濯用でん粉のり、洗濯用ふのり、塗料用剥離剤、靴クリーム、靴墨、つや出し剤、せっけん類、歯磨き、化粧品、香料類、研磨紙、研磨布、研磨用砂、人造軽石、つや出し紙、つや出し布、つけづめ、つけまつ毛」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」は、引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品である。
してみると、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(ウ)商標法第4条第1項第15号について
上述のように、引用商標は、請求人商品を表示するものとして、本件商標の出願前から現在に至るまで、需要者や取引者に広く認識されている。
仮に、本件商標が引用商標に類似するものでないとしても、本件商標は著名な引用商標を商標中に含むものであるから、需要者や取引者は、引用商標と同一の文字及びその称呼の部分に注意が惹かれ、その指定商品との関係において、その出所を請求人又は請求人と何らかの関係のあるものと誤認し、混同をする。
してみると、本件商標は、その指定商品に使用すると他人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがある商標であるから、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)商標法第4条第1項第11号について
被請求人は、商標審査基準における結合商標の類似判断の(1)ないし(7)について述べ、本件商標は、その類似判断のいずれにも該当しない旨主張するが、商標審査基準中の(6)については、正確に表示していない。
上記審査基準中の(6)は、上記(1)(イ)で述べたとおりである(甲第45号証)。
そうとすると、本件商標は、指定商品について著名な商標と他の文字とを結合した商標に該当するので、商標審査基準における結合商標の判断基準である上記(6)に該当するものであることは、疑う余地がない。
また、被請求人は、結合商標が非類似とされた審決例を列挙するが、これらはいずれも本件商標のように指定商品について他人の広く知られた商標を結合した商標が非類似と判断された例ではなく、単に全体として一連不可分として判断されただけの審決にすぎず、本件商標のように他人の広く知られた商標を結合した結合商標の判断には、いささかも影響を及ぼすものでもない。
さらに、被請求人は、商標審査基準には商標法第4条第1項第11号の適用について「ただし、その他人の登録商標の部分が既成語の一部となっているもの等を除く。」と、この原則に例外がある旨が示されており、引用商標は、「鼻歌」と言う意味の既成語であり、造語の商標と同様にこの原則を本件について当てはめることはできない旨主張する。
しかしながら、本件商標は、「ハミング/HUMMING」と「ステージ/STAGE」を結合した結合語であって、既成語ではないから、かかる構成において「ハミング/HUMMING」の部分は、既成語の一部ではないのである。
(イ)商標法第4条第1項第15号について
被請求人は、商標審査基準を挙げ、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない旨主張するが、前記のとおり、著名な商標は、強い指標力を有するために、本件商標のように、著名な引用商標を有してなる商標は、引用商標と同一の文字部分に需要者や取引者の注意を惹き、商品の出所の混同を生じさせるのである。
(3)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、無効とされるべきである。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
(ア)本件商標について
本件商標は、「HUMMING STAGE」とアルファベットで記載し、その上段に片仮名で「ハミングステージ」と8文字を間を空けずに、一連に記載したものである。
また、「HUMMING STAGE」及び「ハミングステージ」の各文字は、すべて同一大きさの文字で一体的に記載されたものである。
請求人は、本件商標が「ハミング」と「ステージ」との語からなる結合商標であり、結合の強弱によっては1つの語のみからも称呼を生じるという理由で「ハミング」の称呼を生じるとした上で、これが引用商標と同一である旨を主張する。
被請求人は、本件商標が「ハミング」と「ステージ」との語からなる結合商標であることは認める。
しかし、商標審査基準によれば、結合商標の類似は、その結合の強弱の程度を考慮し、たとえば、次のように判断するものとするとある。
(1)形容詞的文字(商品の品質、原料材料等を表示する文字)を有する結合商標は、原則として、それが付加結合されていない商標と類似する。
(2)大小のある文字からなる商標は、原則として、大きさの相違するそれぞれの部分からなる商標と類似する。
(3)著しく離れた文字の部分からなる商標は、原則として、離れたそれぞれの部分のみからなる商標と類似する。
(4)長い称呼を有するため、又は結合商標の一部が特に顕著であるため、その一部分によって簡略化される可能性がある商標は、原則として、簡略化される可能性がある部分のみからなる商標と類似する。
(5)指定商品について慣用される文字と他の文字とを結合した商標は、慣用される文字を除いた部分からなる商標と類似する。
(6)指定商品について著名な商標と他の文字とを結合した商標は、原則として、その著名な商標と類似する。
(7)商号商標(商号の略称からなる商標を含む。以下同じ。)については、商号の一部分として通常使用される「株式会社」「商会」「CO.」「K.K.」「Ltd」「組合」「協同組合」等の文字が出題に係る商標の要部である文字の語尾又は語頭のいずれにあるかを問わず、原則として、これらの文字を除外して商標の類否を判断するものとする。
そして、「ハミング」と「ステージ」との語からなる本件商標の結合は、以下のとおり、上記(1)ないし(7)のいずれにも該当しない。
すなわち、本件商標は、その構成中の「HUMMING」、「ハミング」が、日本語でもハミングの意味で通じるが、「鼻歌」(で歌う)の意味であり、「STAGE」、「ステージ」は、舞台の意味であるから、「鼻歌の舞台」すなわち、鼻歌を歌いながらの舞台というまとまった意味合いを容易に看取させ、意味の上からも一体性のあるものである。
また、外観上の一体性は、すべて同一大きさの文字で一体的に記載されているとおりである。
さらに、称呼の一体性は、「ハミング」と「ステージ」の2語を結合して一連に称呼するもさほど冗長にわたるものではないから、全体としてよどみなく一連一体に発音できるものであり、結合が弱いとはいえない。
このように、本件商標は、これを構成する「HUMMING」、「ハミング」と「STAGE」、「ステージ」とが一体不可分にのみ把握されるものであり、「ハミング」のみの称呼を生じるものではないとするのが妥当である。
(イ)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標とは音数、文字数とも全く異なるため、外観、称呼、観念において非類似である。
乙第1号証で非類似とされた審決例は、すべて外観上まとまりがよく、称呼も、よどみなく一連に称呼できるとの理由によるものであるが、本件商標もまさにこの例に該当する。
(ウ)なお、請求人は、引用商標が著名であるとした上で、著名な商標と他の文字との結合商標は、著名商標と類似するのが原則であるから、本件商標が引用商標と類似する旨を主張するが、商標審査基準には商標法第4条第1項第11号の適用について「ただし、その他人の登録商標の部分が既成語の一部となっているもの等を除く。」と、この原則に例外がある旨が示されている。引用商標は、「鼻歌」と言う意味の既成語であり、「ハミングバード(はちどり)」などの既成語の一部になってもいることから、造語の商標と同様にこの原則を本件について当てはめることはできない。
以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
請求人は、引用商標が著名であるとした上で、本件商標が請求人商品と混同を生じるおそれがあるとしている。
しかし、審査基準によると、本号に該当するか否かの判断については、その他人の商標が創造商標であるかどうかや、その他人の商標がハウスマークであるかどうかも含めて総合的に判断するとしている。
引用商標は、請求人の業務に係る多数の商品のうちの一商品にすぎない衣料用柔軟剤についてのみ著名であり、このことからすると、総合的に判断して、本件商標については本号を適用すべきでないと解する。
(3)むすび
よって、請求人の主張には理由がない。
(1)引用商標の著名性について
甲第8号証ないし甲第40号証を総合すると、引用商標は、請求人の業務に係る商品「柔軟仕上剤(家庭用帯電防止剤、洗濯用柔軟剤)」(請求人商品)について、1966年(昭和41年)から本件商標の査定時(平成18年6月5日)以降も継続して使用され、かつ、請求人は、本件商標の登録出願前より、主としてテレビを通して請求人商品の宣伝広告活動を盛んに行ってきた結果、請求人商品を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前より、柔軟仕上げ剤等の商品分野において、その需要者の間に広く認識されていたものと認めることができる。
そして、その著名性は、本件商標の査定時(平成18年6月5日)においても継続していたものと認められる。
しかしながら、引用商標を構成する「ハミング」の文字は、「ハミング(鼻歌)、ブンブンうなる、ハミングする」などを意味する外来語として、我が国において一般によく知られている平易な語であり、かつ、引用商標は、請求人の取り扱う多数の商品のうちの「柔軟仕上剤(家庭用帯電防止剤、洗濯用柔軟剤)」について使用される、いわば個別的な商品を表示する商標であるから、その著名性の範囲も請求に係る指定商品すべてに及ぶものとは認め難く、せいぜい「家庭用帯電防止剤,洗濯用柔軟剤」及びこれと用途、用法、生産者、取引系統、販売場所等を共通にする場合が多い「家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,せっけん類」の範囲に限られるというのが相当であり、この認定を覆すに足る証拠は見いだせない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、前記のとおり、「ハミングステージ」の文字と「HUMMING STAGE」の文字を二段に横書きしてなるものであるところ、その構成中の「ハミング」の文字部分は、請求人商品について使用され、本件商標の登録出願前より、柔軟仕上げ剤等の商品分野の需要者の間に広く認識されていた引用商標と同一の文字よりなるものであるから、本件商標は、その構成中に他人の著名商標を含むものというべきであり、また、その構成中の「HUMMING」の文字部分は、「ハミング」の英語表記である。
そして、本件商標の指定商品には、「家庭用帯電防止剤,洗濯用柔軟剤」及び「家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,せっけん類」が含まれることは明らかである。
そうすると、本件商標をその指定商品中、「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,せっけん類」について使用した場合、これに接する需要者は、その構成中の「ハミング」ないし「HUMMING」の文字部分に強く注意を惹かれ、引用商標を想起又は連想し、該商品が請求人又はこれと業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
次に、請求に係るその余の指定商品に本件商標を使用した場合に、これらの商品と請求人商品との間に、出所の混同を生ずるおそれがあるか否かについてみるに、上記(1)で認定したとおり、引用商標の著名性の及ぶ範囲は、「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,せっけん類」というのが相当であるから、これら商品と用途、品質、生産者、取引系統等において大きく異なる請求に係るその余の指定商品に本件商標を使用しても、その構成中の「ハミング」、「HUMMING」の文字部分のみが特に需要者の注意を強く惹くという特別の事情は見いだせない。
加えて、本件商標の構成態様は、いずれも平易な英語又は外来語である「ハミング」、「HUMMING」と「ステージ」、「STAGE」との2語を外観上軽重の差なく結合したものであること、また、これより生ずると認められる「ハミングステージ」の称呼もよどみなく称呼し得るものであること、さらには、「ハミング」、「HUMMING」と「ステージ」、「STAGE」の2語を結合することによって、親しまれた既成語を表すものではないとしても、全体として「ハミングのステージ」なる意味合いを想起させるものであることを勘案すれば、構成全体をもって一体不可分の商標を表したものと理解されるというべきである。
そうすると、本件商標を請求に係るその余の指定商品について使用した場合は、これに接する需要者が直ちに引用商標を想起することはなく、該商品が請求人又はこれと業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものとみるのが相当である。
(3)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記(2)で認定したとおり、構成全体をもって一体不可分の商標を表したものと理解されるものであるから、これより「ハミングステージ」の一連の称呼のみを生ずるものであって、「ハミングのステージ」なる観念を想起させるものである。
したがって、本件商標は、「ハミング」の称呼、観念を生ずる引用商標とは、称呼、観念において相紛れるおそれがないばかりか、外観上も互いに区別し得るものであるから、本件商標と引用商標は、称呼、観念及び外観のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,せっけん類」について、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により無効とすべきものである。
しかしながら、請求に係るその余の指定商品については、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものではないから、その登録は、同法第46条第1項の規定により無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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