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Trademark Appeal Case

指定商品と使用商品の不一致

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2007−300173(T2007−300173/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4628908号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4628908号商標(以下「本件商標」という。)は、「ファイ」の片仮名文字と「F.A.I」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成12年5月22日に登録出願、第25類「被服(「和服・ずきん・すげがさ・ナイトキャップ・ヘルメット」を除く。),靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類」を指定商品として、同14年12月13日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

1 請求の理由

(1)本件商標は、その指定商品「被服(「和服・ずきん・すげがさ・ナイトキャップ・ヘルメット」を除く。),靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類」について、継続して3年以上日本国内において,商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

被請求人の答弁書は、本件商標を、その指定商品である上記1(1)の商品について、使用していることを証明していない。以下、その根拠を示す。

(1)本件商標をその指定商品に使用していることについて

被請求人は、本件商標をその指定商品中「被服(「和服・ずきん・すげがさ・ナイトキャップ・ヘルメット」を除く。)、具体的には「洋服」に使用している旨を述べ、その証拠方法として、乙第6号証ないし乙第10号証を提出している。

しかしながら、被請求人が提出した上記証拠によっては、本件商標を「洋服」に使用していることを証明していない。

ア 乙第6号証及び乙第7号証について

被請求人は、2006年4月19日から同年4月21日まで、東京・泉ガーデンギャラリーにて展示会が開催されたことを証明している。

しかしながら、同展示会は「洋服」(類似群コード:17A01)についての展示会ではなく、洋服「素材」についてのものである(乙第6号証の新聞記事のタイトル「ソアロン中心に10新

素材

発売」、「MTX07年の春夏

素材

」、「三菱レ・TXの来春夏向け

素材

展」等、並びに、記事本文中の「展示会では、10の新

素材

を提案する。」、「エレガントシルキー

素材

『ファイ』」等、参照)。

乙第6号証の「日本繊維新聞」(2006年8月18日(金曜日))においては、「『ファイ』『ノルディス』の2

素材

に絞り込み、薄地

織物

の販促に力を入れている。」と記載されている。

また、下記ウ「乙第9号証及び乙第10号証について」で述べるとおり、「ファイ」はポリエステル素材である。

以上より、被請求人が本件商標を使用していると主張している商品は、織物用の原料繊維(類似群コード:14A01、14A02、14A03、14A04、14A05、14A06)又は織物用化学繊維(類似群コード:14A05)に属する商品と思料する(甲第2号証)。

なお、本件商標権の使用権者である三菱レイヨン・テキスタイル株式会社の事業内容に鑑みると、使用権者は洋服を製造・販売していることはうかがわれないことを申し添える(甲第3号証)。

したがって、乙第6号証及び乙第7号証は、本件商標を「洋服」について使用したことを証明していない。

イ 乙第8号証について

被請求人は、展示会写真を提出して、本件商標を素材及び「洋服」に使用した旨を述べている。

しかしながら、上記(1)アで述べたとおり、東京・泉ガーデンギャラリーでの展示会は、「素材」についての展示会である。したがって、同展示会の展示物は、「洋服」ではなく、「素材」そのものである。写真(乙第8号証)は、「素材」を製品化した場合の一例を示すものにすぎず、決して「洋服」自体に本件商標を使用したものではない。

その証左として、写真(乙第8号証)は不鮮明ではあるが、展示品の説明表示プレート中の「F.A.I ファイ」の文字の上に「Material」の文字を読み取ることができる。このことは、展示品は「F.A.I ファイ」と言う「素材」であり、「洋服」でないことを裏付けるものである。

以上より、乙第8号証によっては、本件商標を「洋服」について使用したことを証明していない。

5 乙第9号証及び乙第10号証について

被請求人は、「商品ラベル」(乙第9号証)、「展示会品名リスト」(乙第10号証)を提出している。

しかしながら、「Soluna」(「ソルーナ」と発音されると思料する。乙第6号証「日本繊維新聞」2006年8月18日(金曜日)等参照。)は、ポリエステル素材の名称であり、「ファイ」は「ソルーナ」ブランドの個別商品名である(乙第6号証 「日本繊維新聞2006年8月18日(金曜日)等参照)。

「商品ラベル」(甲第9号証)には、「品名 ファイ F.A.I.」、「混率 PE100%」、及び、「Soluna」(語尾の「a」の右上に半分程度の大きさで「POLYESTER」の文字が横書きされ、その後に○内に「R」の登録商標記号が付加されている。)が記載されている。この記載は上記乙第6号証「日本繊維新聞」(2006年8月18日(金曜日))等の記載と整合する。

したがって、「商品ラベル」(甲第9号証)は「素材」について使用したものであり、「洋服」について使用したものではない。

「展示会品名リスト」(乙第10号証)には、ブランド「F.A.Iファイ」の説明として「エレガントシルキー素材」、及びその具体的性質が記載されており、これらの記載から「F.A.Iファイ」を付した商品は「素材」であることは明らかである。

以上により、乙第9号証及び乙第10号証は、本件商標を「洋服」について使用したことを証明していない。

(2)まとめ

以上述べたとおり、被請求人の提出した答弁書の証拠方法によっては、本件商標を、その指定商品「被服(「和服・ずきん・すげがさ・ナイトキャップ・ヘルメット」を除く。),靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類」について、使用していることを証明していない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、「審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。

1 被請求人は、本件商標を被請求人の連結子会社である三菱レイヨン・テキスタイル株式会社に対し、通常使用権を許諾するものであり、この通常使用権者により、本件商標が、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、指定商品中「被服(「和服・ずきん・すげがさ・ナイトキャップ・ヘルメット」を除く。)」具体的には「洋服」に使用している事実を以って、商標法第50条の規定によりその登録を取り消すべきでないことを以下のとおり立証する。

(1)乙第4号証「商標使用許諾契約書」は、2001年10月1日から被請求人連結子会社である三菱レイヨン・テキスタイル株式会社に対し、本件商標の通常使用権者として締結されたものであり、毎年契約を更新し、乙第5号証「2006年10月1日付覚書」により差換えられた別表1にも記載されているとおり、5年間の使用実績を明確に立証するものであり、現在も継続している契約である。

(2)乙第6号証「新聞記事」、乙第7号証「展示会案内状」により三菱レイヨン・テキスタイル株式会社が東京・泉ガーデンギャラリーにて2006年4月19日から21日まで開催した展示会開催年月日を証左し、乙第8号証「展示会写真」、乙9号証「商品ラベル」及び乙第10号証「展示会品名リスト」により該展示会で本件商標が素材及び「洋服」に使用されていた事実。

2 むすび

以上のとおり、本件商標は、被請求人の連結子会社で本件商標の商標使用許諾契約を締結した通常使用権者(三菱レイヨン・テキスタイル株式会社)により、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商品「洋服」に使用していることは明白であり、かつ、この商品が指定商品中「被服(「和服・ずきん・すげがさ・ナイトキャップ・ヘルメット」を除く。)」に含まれる商品であることは明白であるから、商標法第50条の規定により本件商標は取り消すことはできないものといわねばならない。

第4 当審の判断

1 被請求人は、本件商標を同人の連結子会社で通常使用権者である「三菱レイヨン・テキスタイル株式会社」が、本件商標の審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商品「洋服」に使用した旨主張し、乙第1号証ないし乙第10号証を提出しているので、以下検討する。

2 乙各号証について

(1)乙第1号証ないし乙第5号証について

乙第1号証ないし乙第3号証は、本件商標に係る登録出願、登録情報検索の写し及び特許庁における経過情報登録情報詳細写しである。また、乙第4号証及び乙第5号は、本件商標の商標使用許諾契約の写しであり、通常使用権者との2006年10月1日付け「覚書」であって、「三菱レイヨン・テキスタイル株式会社」が本件商標の通常使用権者であることが認められる。

(2)乙第6号証ないし乙第10号証について

ア 乙第6号証及び乙第7号証について

乙第6号証は、やや不鮮明な「センイジャーナル」(18.4.7)、「日本合成繊維新聞」(18.4.10)、「化学工業日報」(18.4.11)、「日本繊維新聞(短信)」(18.4.10)、「日本合成繊維新聞」(平成18年4月17日)、「メンズデイリー」(平成18年4月17日)及び「日本繊維新聞」(平成18年8月18日)の各新聞記事である。

そして、具体的な記事内容としては、例えば、「日本合成繊維新聞」(平成18年4月17日)は、婦人服を着たマネキン5体の写真とともに、記事の見出し「ソアロン、ソルーナで/三菱レ・TXの来春夏向け/薄地の新素材提案」とあり、その内容は「...薄地分野に力を入れソアロン(トリアセテート)やソルーナ(ポリエステル長繊維)で、薄地のシフォンなど新素材を提案している。...関係機屋は約20社で『ファイ』や『ファイピァ』などを提案、ソルーナでの独自性を出している。...」と記述されている。また、「日本繊維新聞」(平成18年8月18日)は、「上品な薄地全面に」の記事の見出しの下、「エレガンス化をにらみ、上質感を強調した薄地をプロモートする」との記載の上部に、婦人服を着たマネキン5体の写真、その右に「...『ソルーナ』では、収益優先のため汎用品の販売を削減するとともに、糸軸を『ファイ』『ノルディス』に絞り込むことで婦人服地の販売スケール...」と記述されている。

乙第7号証は、三菱レイヨン・テキスタイル株式会社及び三菱レイヨン株式会社の連盟展示会案内状であり、「2007年4月19日(水).20日(木)21日(金)、会場:泉ガーデンギャラリー」の記載がある。

乙第8号証は、被請求人が上記展示会における展示会写真として、「婦人服を着たマネキンの写真2葉」が提出されており、マネキンの足下に展示品の説明表示プレートが置かれており、そのプレート中「F.A.I. ファイ」の文字及び不鮮明で確認し得ない説明文字が見受けられる。

乙第9号証は、「商品ラベル」で、「品番GH1140、品名ファイ/F.A.I.、混率 PE100%、Soluna」(語尾の「a」の右上に半分程度の大きさで「POLYESTER」の文字が横書きされ、その後に○内に「R」の登録商標記号が付加されている。)、スリーダイヤの図 MITSUBISHI RAYON CO.,LTD.」の表示がある。

乙第10号証は、「展示会品名リスト」で、2頁目の「PROMOTE/F.A.Iファイ/○内に「R」の登録商標記号」の特長の項に、「〈エレガントシルキー素材〉/・上品でナチュラルな光沢感/・...」の説明が記載されている。

3 以上よりすると、乙第1号証ないし乙第5号証にて、本件商標の登録情報及び通常使用権者が「三菱レイヨン・テキスタイル株式会社」であることは認められる。

しかしながら、乙第6号証ないし乙第10号証における「薄地の新素材提案」、「糸軸を『ファイ』『ノルディス』に絞り込むことで婦人服地の販売スケール」、「〈エレガントシルキー素材〉」の記載又は記述よりすると、被請求人が本件商標を使用しているとして主張している商品は、「薄地の婦人服地」であり、いずれも「織物用の素材、又はも織物用の糸素材」の範疇に属する商品であって、完成品としての「被服」について使用されているものとは認められないものである。

してみれば、本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標は、被服の生地、すなわち、織物について使用しているものであって、本件審判請求に係る指定商品「被服(「和服・ずきん・すげがさ・ナイトキャップ・ヘルメット」を除く。),靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類」について使用していたということはできない。

そうすると、被請求人(商標権者)又は通常使用権者は、審判請求に係る上記指定商品中について本件商標の使用をしていたということはできない。 その他、被請求人は、審判請求に係る指定商品のいずれかについて使用していた証拠の提出はない。また、本件商標の使用をしていなかったことについて正当な理由があることを明らかにしていない。

以上よりすると、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、審判請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標の使用をしていたということはできない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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