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Trademark Appeal Case

役務の質表示と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−23870(T2006−23870/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「無垢の木と漆喰」の文字を標準文字として書してなり、第37類「木材建築一式工事,大工工事,左官工事」を指定役務として、平成17年7月25日に登録出願されたものである。そして、願書記載の指定役務については、原審における同18年3月7日付け手続補正書により、第37類「無垢の木と漆喰による木材建築一式工事」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『混じりもののない木材と漆喰』であることを認識させる『無垢の木と漆喰』の文字を標準文字で表してなるから、これを本願指定役務について使用するときは、『混じりけのない木材と漆喰を用いた建築』であること、即ち、役務の質、内容を普通に用いられる方法で表してなるにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。

なお、請求人(出願人)は、本願商標は、同法第3条第2項に該当し、登録されるべきものであるとして意見書により種々述べ、証拠方法として資料1−1〜6ないし3−1〜4を提出しているが、これらによっては、本願商標の使用事実を証するとは認められないので、本願商標が、出願人の業務に係る役務を表示する商標として広く認識されるに至っているものとは認めることができない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第16号について

本願は、原審において、その指定役務を前記1のとおり補正された結果、商標法第4条第1項第16号の拒絶理由は解消したものと認められる。

(2)商標法第3条第1項第3号について

本願商標は、前記1のとおり、「無垢の木と漆喰」の文字を標準文字として書してなるが、その構成中の「無垢」の文字は、「まじりもののないこと」等(広辞苑第五版 株式会社岩波書店)を意味する語として、また、「漆喰」の文字は、「日本独特の塗壁材料」等(広辞苑第五版 株式会社岩波書店)を意味する語として、共によく知られている語であることから、商標全体として、「混じりもののない木と漆喰(日本独特の塗壁材料)」の意味合いを認識させるものである。また、建築業界にあっては、「無垢の木」とは、例えば、「建築家と建てる自然素材の家 LOHAS&DESIGN 千葉・船橋・市川・柏・佐倉・成田・市原」と題するホームページ(http://www.grandiahome.com/archives/cat_50025984.html)及び「パインフローリング OPUS|相陽建設株式会社」と題するホームページ(http://www.soyo-opus.jp/pine.html)上の掲載情報に、「表面から芯まで、天然の木100%です。」及び「天然木100%ということです。」旨の記載から「天然木」を指称する語として普通に使用されている事実があり、そして、近年の健康志向を背景に、無垢の木や漆喰等の自然素材を使用した住宅建築が一般によく行われている実情がある。

そうすると、本願商標は、その指定役務について使用したとしても、これに接する取引者、需要者は、「無垢の木(天然木)と漆喰を使用した建築工事」であるという役務の質(内容)を表すものとして認識、理解するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ない商標とみるのが相当であり、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することはできない。

(3)商標法第3条第2項について

請求人(出願人)は、本願商標が、使用により自他役務の識別力を獲得したとして、原審における平成18年3月7日付け意見書の資料1−1〜6ないし3−1〜4及び当審における同年9月25日付け審判請求書の資料3−5〜12を添付資料として、各証拠を提出している。

そこで、請求人(出願人)提出の前記資料について検討するに、これらの資料は、請求人(出願人)関係者による講演関係の書類、書籍の広告書類及び建築の広告書類等であるところ、これらの資料に示されているのは、「いい家は、無垢の木と漆喰で建てる」の文字であって、本願商標と同一の構成態様とは認められない。さらに、本願商標の使用期間、販売戸数、売上高等の営業の規模、広告宣伝の方法、回数及び内容等の使用状況に関する事実についての客観的証拠は不十分であるから、本願商標が、使用された結果、自他役務の識別標識として認識されているとはいえないものである。

してみれば、提出された証拠からでは、本願商標が、その指定役務に使用され、請求人(出願人)の業務に係るものとして、取引者、需要者間に広く認識されるに至っているとは認められないものであるから、本願商標が商標法第3条第2項に該当するものであるとする請求人(出願人)の主張も、これを採用することができない。

(4)以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、その指定役務についての使用をもってしては、同法第3条第2項の要件を具備するに至ったものとは認めることができない。

したがって、本願を拒絶した原査定は妥当であり、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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