結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2006−65103(T2006−65103/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、「VORTEX」の文字を書してなり、第7類及び第8類に属する国際登録において指定された商品を指定商品として、2004年(平成16年)6月28日に国際登録されたものである。
そして、指定商品については、原審における平成17年10月7日付けの手続補正書により、第7類「Power−driven grinding wheels.」に補正されたものである。
原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第4348187号商標(以下「引用商標」という。)は、後掲(1)のとおりの構成よりなり、平成9年5月26日に登録出願、第7類「プラスチック成型品・金属加工部品・手術用及び治療用機械器具・半導体ウエハー・ガラス基板・カラー液晶基板等を洗浄するための・工業用超音波洗浄機,同洗浄機専用超音波発振器及び振動板等の部品」を指定商品として、同11年12月24日に設定登録されたものである。
(1)商標の類否について
本願商標は、前記1のとおり、「VORTEX」の文字よりなるところ、該文字は、「渦、渦巻き」等を意味する英語であるとしても、我が国において一般に親しまれている語であるとはいい難いから、一種の造語と認識されるものであり、その構成文字に相応して、「ボルテックス」の称呼を生ずるものとするのが相当である。
他方、引用商標は、後掲(1)のとおりの構成よりなるところ、その構成中、前半の「KAIJO」の文字をデザイン化したと思われる部分と、「VORTEX」の文字とは、異なった書体で書されており、視覚上分離して観察され、かつ、これらを結合してなる構成全体から特定の観念を有するものとも認められない。
また、その下段に「カイジョー ボルテックス」の片仮名文字が書されているとしても、これをもって上段の文字部分を常に一体のものとして把握、理解しなければならないとする格別の事情は見いだすことができない。
そうとすると、引用商標に接する取引者・需要者をして、「KAIJO」の文字をデザイン化した部分及び「VORTEX」の文字部分は、それぞれ独立して看取され得るものであり、各々の部分が自他商品の識別標識としての機能を発揮するものと見るのが自然である。
そうとすれば、引用商標は、その構成中の「VORTEX」及び「ボルテックス」の文字部分に相応して、「ボルテックス」の称呼をも生ずるものとするのが相当である。
したがって、本願商標と引用商標とは、外観において異なり、観念においては比べるべくもないとしても、「ボルテックス」の称呼を共通にする類似の商標であるといわなければならない。
(2)指定商品の類否について
原査定において、本願指定商品の「Power−driven grinding wheels.」は、引用商標の指定商品中の「金属加工部品を洗浄するための工業用超音波洗浄機」と類似する商品である旨、認定、判断している。
ところで、個別具体的な商品にあっては、指定商品が類似のものであるかどうかは、商品自体が取引上誤認混同のおそれがあるかどうかにより判定すべきものではなく、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときに、同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認されるおそれがあると認められる関係にある場合に、それらの商品は商標法第4条第1項第11号にいう類似の商品に当たると解するのが相当である。(最高裁昭和33年(オ)第1104号参照)
これを踏まえて、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否についてみるに、本願指定商品「Power−driven grinding wheels.」は、「商品大辞典」(東洋経済新報社、1996年4月第13刷発行)の「研削工具(grinding tool)」に関する記載に、「研削作業に用いられるもので砥石車(grinding wheel)が一般的である。切刃となる砥粒、これを保持する結合剤と、研削により生じた切りくずおよび砥石くずを収容する気孔の3つの部分からできている。・・(中略)・・砥粒の種類、粒度、結合剤、結合度、組織、形状など使用目的に応じてきわめて多種類のものが使用されている。」とあることから、本願指定商品は、「工作機械」中の「研削工具」に属するものであって、金属加工を行う際に使用する研削盤の部品として使用される商品であることがわかる。
他方、引用商標の指定商品中の「プラスチック成型品・金属加工部品・手術用及び治療用機械器具・半導体ウエハー・ガラス基板・カラー液晶基板等を洗浄するための・工業用超音波洗浄機」は、前出「商品大辞典」の「超音波洗浄機」の記載によれば、「洗浄液中に強力超音波を照射し、発生させたキャビテーションによる物理的はく(剥)離力と洗剤の乳化作用促進で増加させた化学洗浄力との相乗作用で洗浄する装置。」のことであり、「単槽式のほか、蒸気洗浄槽などを備えた多槽式やコンベヤー式の大型装置がある。半導体、歯車、工学レンズ、めっき前処理、医用(器具、手洗い)などに使われている。」とあるように、その用途は、金属加工部品の洗浄に限られるものではなく、製薬工業、化学工業、食品工業、自動車工業、機械工業、金属工業といった広い分野において、製品の製造過程や加工部品の洗浄、完成品の洗浄などに幅広く利用されるものであって、工業全般に広く使用されるものである。広範な目的・用途で多種類の物体の洗浄に使用されることから、既製品以外にも、洗浄する物体に合わせて個別に設計・製作される工業用超音波洗浄機もあり、実際の購入にあたっては、洗浄の目的に適するように、機械の性能や仕様についての慎重な検討が行われることが容易に推認される。
また、本願指定商品と引用商標の指定商品中の「工業用超音波洗浄機」とが、同一事業者において製造販売されている事実も発見できない。
してみれば、上述した両商品は、いずれも金属加工業者により使用される場合があるとしても、それぞれの取引者・需要者においては、商品の品質について慎重に検討して取引されるものであり、かつ、それぞれの商品の生産部門及び販売部門、商品の品質並びに商品の用途において大きく相違し、部品と完成品との関係にもないから、これらの商品に同一又は類似の商標を使用しても、同一事業者の製造又は販売にかかる商品と誤認されるおそれがあるものとはいえず、互いに類似するものと認めることのできない非類似の商品というべきである。
(3)むすび
したがって、本願商標と引用商標とは、商標において類似する場合があるとしても、その指定商品において同一又は類似するものとはいえないから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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