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Trademark Appeal Case

「レンズしたまま」の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−10497(T2006−10497/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「レンズしたまま」の文字を標準文字により表してなり、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,乳児用粉乳,人工受精用精液」を指定商品として、平成17年2月1日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、指定商品『薬剤』に含まれる『目薬』との関係では、『コンタクトレンズしたまま』との意味を認識させる『レンズしたまま』の文字を表してなるところ、『目薬』の需要者にあっては、『使用されているソフト・ハード・使い捨てのコンタクトレンズに対応した、装用したまま点眼できる目薬』が製造販売されていることは、広く知られている。そうすると、構成文字全体としては、『コンタクトレンズを装用したまま使用できるもの』程度の意味合いを表したものと認識されるに止まると認められ、本願商標をその指定商品中、前記意味合いに相応する商品、例えば、『目薬』に使用しても、単に、商品の品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識として機能し得ないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり、「レンズしたまま」の文字を書してなるところ、その指定商品中「目薬」との関係において、コンタクトレンズの装着時に生じる目の不快感、かわきや疲れなどの症状が、目薬によって改善がされるものであるが、ソフトコンタクトレンズを装着したままの目薬の使用は、それに含まれる防腐剤などの影響により、好ましくないとされてきたが、近年において、あらゆるコンタクトレンズに対応した目薬が、各種、販売されているところであり、これらの商品においては、特に、コンタクトレンズを装着したままで使用できる商品であることを謳い、宣伝・広告している実情にある。

そして、このことは、例えば、以下の新聞記事情報、インターネットのホームページにおける商品情報からも首肯できる。

(ア)「大正製薬、涙液型目薬を発売、コンタクトレンズ装着のまま点眼可能」(1993.02.17 化学工業日報)の見出しのもと「大正製薬は、あらゆるコンタクトレンズを装着したまま安心して点眼できる涙液型目薬「アイリスCL−1」を3月1日発売する。・・・従来品の問題点はソフトコンタクトレンズの場合、目薬の防腐剤などがレンズに吸着・蓄積してレンズを傷めるケースがあること。」の記載。

(イ)「オフテクス、涙液型の目薬。」(1995/08/22 日経産業新聞)の見出しのもと「涙液型の目薬「ティアーレCL」を発売した。防腐剤を含まない自然の涙に近い成分で、ハードコンタクトレンズを装着したまま点眼できるのが特徴。ハードコンタクトレンズ装着時の目のかわきや不快感などを改善する。」の記載。

(ウ)「コンタクト専用目薬――装着したまま点眼(売れ筋)」(1996/09/07 日経流通新聞)の見出しのもと「・・・ドライアイの症状を訴える人が多い。コンタクトレンズ装着者は特にその傾向が顕著だが、症状を解消しようと一般の目薬を使うと、防腐剤がレンズに吸着蓄積して目に障害をきたす可能性がある。それを避けるためのコンタクトレンズ装着時専用の目薬が各社から発売されている。」の記載。

(エ)「ライオン、コンタクト用クール目薬。」(2000/05/18 日経流通新聞)の見出しのもと「ライオンはコンタクトレンズを装着したまま点眼するクールタイプの目薬「スマイルコンタクトクール」を発売した。レンズに潤いを与え目の疲れをいやす成分に清涼感をもたらす成分を加えて、リラックス効果を狙った。」の記載。

(オ)「ケンコーコム株式会社」のホームページにおいて、「『ノアールワンティアーα 30本』は、目の不快感・疲れに効果をあらわす、シングルユース容器を採用した1回使い切りタイプのコンタクト用目薬です。レンズに吸着する防腐剤を含まないので非含水性ソフト、ソフトコンタクトレンズ、使い捨て(ディスポーザブル)、O2、ハードコンタクトレンズなどのすべてのコンタクトレンズをしたまま点眼できます。 」(http://www.kenko.com/product/item/itm_7851192072.html)、「『ブリンク&クリーン 12ml』は、レンズをしたまま、汚れをクリア。うるおいをコートしてかわきを防ぐ、コンタクト用目薬です。コンタクトレンズに付着したさまざまな汚れ(目やになど)を落とし、コンタクト装用中の不快感を緩和。」(http://www.kenko.com/product/item/itm_8810133072.html)の記載。

(カ)「ライオン株式会社」のホームページにおいて、「コンタクトレンズをしたまま、目薬でアイケア・・・目薬をさして、目のかわき、目の疲れをいやしましょう。コンタクトレンズ用の目薬なら、コンタクトレンズを装着したまま、点眼できます。・・・1本で2つの働き、『レンズしっとり、瞳に栄養』」(http://www.lion.co.jp/life/life3r2a.htm)の記載。

(キ)「小林製薬株式会社」のホームページにおいて、「涙に近い成分なので、すべてのコンタクトをしたまま点眼できる目薬です。」(http://www.eyebon.jp/products/eyelotion_1.html)の記載。

(ク)「参天製薬株式会社」のホームページにおいて、「コンタクトレンズの不快感にオススメの目薬・・・どんなタイプのコンタクトレンズでもしたまま点眼」(http://hitomi-sukoyaka.com/02/0204.html)の記載。

以上のことから、本願の指定商品中「目薬」との関係において、「コンタクトレンズ」を、単に「レンズ」と表示して使用していることが認められるものであって、上記した実情のもと、本願商標を構成する「レンズしたまま」の文字に接する需要者等は、「コンタクトレンズを装着したまま、点眼できる」程の意味合いを容易に認識、理解するとみるのが相当である。

してみれば、本願商標を、その指定商品中「目薬」について使用しても、単に、商品の品質、用法を表示したものであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。

また、本願商標を、その指定商品中の「コンタクトレンズを装着したまま、点眼あるいは使用できる商品」以外の商品に使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。

なお、請求人は、「レンズ」の文字を含む他の登録例を引用し、本願商標も全体として一連不可分の造語からなり自他商品識別標識としての機能を有する旨、また、「コンタクトレンズ」の略称はむしろ「コンタクト」であり、国語辞典の「レンズ」の項には「コンタクトレンズ」の意味合いはない旨など主張しているが、登録出願された商標が商標法第3条第1項の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、その商標が使用される商品等の取引の実情等を考慮し、当該商標の構成態様と指定商品に基づき、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではなく、本願については、上記した実情のもと、「目薬」との関係において、上述のとおり判断するのが相当であるから、請求人のいずれの主張も採用することができない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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