Trademark Appeal Case
複合語の記述性と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−13926(T2006−13926/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「セラピー系フェイシャル」の文字を横書きしてなり、第44類「美容,理容,入浴施設の提供,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,動物の飼育,動物の治療,植木の貸与,農業用機械器具の貸与,医療用機械器具の貸与,漁業用機械器具の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,芝刈機の貸与」を指定役務として、平成17年5月20日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『セラピー系フェイシャル』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるが、本願指定役務中、例えば『エステティックその他の美容,マッサージ』等との関係よりすると、『治療につながる顔用のケア』くらいの意味合いを理解させるものであり、本願指定役務を取り扱う業界において『神経の疲れを癒す+CO2セラピーフェイシャル』(“ハマシオン”神奈川県横浜市http://www.ispot.jp/s/hamasion/menu/)『クリスタル・ヒーリング・ホットストーン・セラピーフェイシャル』(“SanctualySpa at The Bale”バリ島http://www.upandawaybali.com/Spa/sanctuary_spa.htm)等のように、『セラピー』『フェイシャル』の語が使用されていたり、『フェイシャルセラピーを学ぶ』(http://koor.com.au/program/program_details.php?id=00925)などのように顔のマッサージなどを学ぶことを称していることよりすれば、本願商標を、その指定役務中、該文字に照応する役務(例『エステティックその他の美容,マッサージ』など)に使用したときは、『治療につながる顔用の施術』であることを理解させるにとどまり、単に役務の質、内容を表したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記のような本願商標に照応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質、内容の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、上記1のとおり、「セラピー系フェイシャル」の文字を横書きしてなるところ、その構成中の「セラピー」及び「フェイシャル」の各文字部分は、請求人も認めるとおり、前者が「治療、療法」を、後者が「美顔術」を、それぞれ意味する語として、一般に広く知られているものである。
また、本願商標の構成中の「系」の文字は、「ある関係のもとにつながった統一体。体系。」等を意味する語(「大辞林第二版」764頁、株式会社三省堂発行)として、一般に広く知られているものである。
(2)そして、本願に係る指定役務中、「エステティックその他の美容、マッサージ」を提供する業界においては、別掲のアないしソに示すとおり、美顔や小顔矯正等の目的をもって、治療あるいは療法としての顔への施術やマッサージ等が一般に行われており、また、そのような施術やマッサージについて、例えば、「スキンケア系フェイシャル」、「リラクゼーション系フェイシャル」、「自然療法系フェイシャル・エステ」、「癒し系フェイシャル」といった語が用いられている実情がある。
なお、別掲アないしソに示すホームページ情報は、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定により、既に、平成19年7月24日付け証拠調べ通知書をもって、請求人に通知したものである。
(3)そうすると、本願商標は、その構成文字全体から、「治療としての顔への施術、療法の類の美顔術」ほどの意味合いを容易に看取、把握し得るものであり、これをその指定役務中の「エステティックその他の美容、マッサージ」について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その提供に係る役務が前記意味合いに照応する内容であること、すなわち、該役務の質(内容)を表示したものとして認識するにとどまるものであるから、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものとすべきであり、また、これを、その指定役務中、前記意味合いに照応する内容の役務以外の役務に使用するときは、役務の質(内容)について誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当するものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、本願商標から特定の意味合いを看取することはできず、役務の質等を直接的に表示するものではないこと、本願商標は請求人が創出したものであり、これと同一の文字からなる語が、役務「エステティックその他の美容、マッサージ」を扱う業界において用いられている事例は、請求人自身及びその関連会社によるもの以外にはないこと、並びに、他の登録例に照らし、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第3号の品質(質)の表示に該当するというには、我が国の取引者、需要者が品質(質)を表示するものとして認識するものであれば足りるといえるものであり、実際に品質(質)を表示するものとして使用されていることまでは必要とせず、また、登録出願に係る商標が該規定(同法第3条第1項第3号)に当たるものであるかどうかの判断は、該商標の構成態様と指定商品(指定役務)とに基づいて、個別具体的に判断されるべきと解される(例えば、平成12年(行ケ)第76号 東京高裁平成12年9月4日判決言渡 参照)。
そうとすれば、本願商標「セラピー系フェイシャル」については、前記のとおり、取引者、需要者をして、役務の質(内容)を表示したものとして認識するにとどまるものであること、また、請求人が挙げる登録例は、本願に係る指定役務と同一の指定役務を含むものの、本願商標とその商標の構成態様を大きく異にするものであり、本願商標についての該規定に当たるか否かの判断が、その登録例に拘束されるものではないことから、請求人の前記主張は、採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。