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結論

勝訴(請求認容)

商標「HDVR」の略語の識別力(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判不服2006−20811(T2006−20811/J1))

審判番号
不服2006−20811(T2006−20811/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「HDVR」
争点(論点)
略語の識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2006−20811(T2006−20811/J1)・不服)は、本件商標「HDVR」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「略語の識別力」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「HDVR」の欧文字を標準文字で横書きしてなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、2005年4月7日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成17年10月7日に登録出願されたものである。

その後、指定商品については、原審における平成18年5月15日付け提出の手続補正書、当審における同年9月19日付け及び11月29日付け提出の手続補正書により、最終的に「測定機械器具,データ収集用・記憶再生用・伝送用・記録用の電気通信機械器具,その他の電気通信機械器具,二次元画像データ・三次元静止画像データ・三次元動画データ・その他のデータ制作・改変・視覚化・処理・伝送・蓄積・保存用の電子計算機用プログラム,イメージ(画像)記録用・圧縮用の電子計算機用プログラム,二次元画像データ・三次元静止画像データ・三次元動画データ・その他のデータ制作・改変・視覚化・処理・伝送・蓄積・保存・複写・分析・解析用のデータ処理装置,サーバーコンピュータ・ワークステーション・マイクロプロセッサー・半導体素子・電子計算機用集積回路基盤,二次元画像データ・三次元静止画像データ・三次元動画データ・その他のデータ制作・改変・視覚化・処理・伝送・蓄積・保存用のネットワーク用の電子応用機械器具及び電子計算機用プログラム,その他の電子応用機械器具及びその部品」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、要旨次のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について

本願商標は、標準文字にて「HDVR」の文字を表してなるものであるが、我が国においては該文字が「ハードディスクドライブを内蔵したビデオレコーダー(ハードディスク・ビデオレコーダー)」の略語として使用されていると認められるものであるから、これを本願指定商品中前記商品について使用しても、単に商品の品質を表示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の「電気通信機械器具」に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。

(2)商標法第6条第1項について

指定商品は、商標とともに権利範囲を定めるものであるから、その内容及び範囲は明確でなければならないところ、本願商標に係る指定商品中、第9類「2−Dイメージデータ(二次元画像)・3−Dイメージデータ(三次元静止画像)及び4−Dイメージデータ(三次元動画)並びにこれらに関するその他のデータ製作用・改変用・視覚化用・処理用・伝送用並びに蓄積・保存用の電子計算機用プログラム,データ収集用・記憶再生用・伝送用・記録用の情報通信システム,2−Dイメージデータ(二次元画像)・3−Dイメージデータ(三次元静止画像)及び4−Dイメージデータ(三次元動画)並びにこれらに関するその他のデータ製作用・改変用・視覚化用・処理用・伝送用並びに蓄積・保存用のデータ複写機械器具及びデータ分析・解析機械器具,2−Dイメージデータ(二次元画像)・3−Dイメージデータ(三次元静止画像)及び4−Dイメージデータ(三次元動画)並びにこれらに関するその他のデータの製作用・改変用・視覚化用・処理用・伝送用及び蓄積・保存用のサーバー・ワークステーション・マイクロプロセッサー・半導体素子・電子計算機用処理回路基盤及びネットワーク設立・運用に用いる電子応用機械器具及び電子計算機用プログラム」は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第6条第1項の要件を具備しない。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について

本願商標は、「HDVR」の文字を標準文字で表してなるところ、本願の指定商品との関係において、その構成各文字中、後半の「VR」が「ビデオレコーディング」(Video Recording)の略語として認識させる語であるとしても、前半の「HD」の文字部分が「ハードディスクドライブ」(Hard Disc Drive)の略語を直ちに認識させるものとは認め難いものである。

そうとすれば、本願商標は、「HDVR」の文字をまとまり良く一体的に表した造語とみるのが相当であるから、本願商標から特定の商品(例えば「ハードディスク・ビデオレコーダー」)の品質等を具体的に表示したものと看取し得ないといわなければならない。

また、「HDVR」の文字が、本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の品質等を表示するものとして、取引上普通に使用されている事実を発見することはできなかった。

そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品について使用した場合、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであり、また、商品の品質について誤認を生ずるおそれもないものである。

してみれば、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした本願の拒絶の理由は妥当でなく、その理由をもって本願を拒絶すべきものとすることはできない。

(2)商標法第6条第1項について

本願商標は、その指定商品について、前記1のとおり補正された結果、指定商品の内容及び範囲は明確になったものと認められる。

したがって、本願商標が商標法第6条第1項の要件を具備しないとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。

(3)その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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