Trademark Appeal Case
暖簾百年の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−17261(T2006−17261/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1本願商標
本願商標は、別掲のとおり「暖簾百年」の漢字を横書きした上に「のれんひゃくねん」の振り仮名を付してなり、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、平成17年3月18日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『屋号などを書き、店の軒先や出入り口に掲げる布、店の格式・信用』の意味を有する『暖簾』と『百年の年数』の意味を表す『百年』を一連に『暖簾百年』とその表音と認められる『のれんひゃくねん』の文字とを上下二段に書してなるところ、『暖簾百年』の文字及び『暖簾/のれん』、『百年/100年』の文字は、例えば、『暖簾百年、名代のそば』、『伝統の味はいかがですか、京都府のれん百年表彰の店』、『のれん100年の伝統の味をご賞味下さい』、『書籍:東海の味、のれん百年』、『100年の暖簾を守り続けている本場信州の香り豊かな本醸造味噌』、『百年の暖簾を守る宿』、『蕎麦屋:百年の暖簾を守る脱サラ親子』、『うなぎ屋:百年の暖簾』等のように、百年にわたり培われた伝統技術、経験、情報などを生かした格式、信用のある商品・サービスの意味合いをもって普通に使用されていること及び本願商標を構成する各語の有する意味合いからすれば、全体として『百年にわたる伝統技術・経験・情報などを生かして製造された格式・信用のある菓子及びパン』等であることを認識させるにとどまるものであるから、これを本願指定商品に使用しても、単に商品の品質を誇称して表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり「暖簾百年」の漢字の上に「のれんひゃくねん」の振り仮名を付してなるところ、構成中の「暖簾」の文字は、「軒先に張って日よけとする布。もと禅家で冬季の隙間風を防ぐのに用いた垂れ幕。江戸時代以降、商家では屋号などを染め抜いて商業用とした。一般に、部屋の仕切りに垂れる短い布。店の格式や信用。老舗としての多年の営業から生ずる無形の経済的利益。」等の意味を有する語(広辞苑)としてよく知られているものであり、「百年」の文字は、「百の年」を表す語(広辞苑)であるから、指定商品との関係においては、構成文字全体で「のれん(店の格式や信用)が百年にわたって守り継がれている老舗」程の意味合いを認識し、理解させるとみるのが自然である。
そして、代々、同じ名前を継ぐことは、多くの老舗で普通に行われているところ、古くからの伝統の味を守る老舗において「暖簾百年」、「のれん百年」あるいは「のれん100年」の文字が「のれん(店の格式や信用)が百年にわたって守り継がれている老舗であること」を表すために使用されていることを、以下にあげるインターネットホームページの情報から窺い知ることができる。
(1)「蕎麦酔夢『吉田村』」のホームページ(http://www.hotweb.or.jp/yoshidao/soba69.html)には、「■
暖簾百年
秘訣は伝統を忠実に受け継ぐ」の見出しのもと「そば屋さんには、
暖簾百年
を超える名代の店が多いですね。・・・長野県・木曾福島町にある『くるまや本店』も
暖簾百年
。・・・山階宮様・高松宮様が来店の老舗。」との記載。
(2)「お店紹介「くりや」(京都府亀岡市安町)」のホームページ(http://www.knetworld.com/eshop/es10002.html )には、「 安政二年1855年創業『ほんもの』の味、伝統の味はいかがですか 京都府
のれん百年
表彰の店」との記載。
(3)「鎌倉街情報マップダネット」のホームページ(http://www.mapda.net/kamakura_shop/kk010031.html )には、「むつ富 ■ショップ詳細/本場名古屋の伝統素材と自然素材にこだわったきしめん専門店です。
のれん100年
の伝統の味をご賞味下さい。」との記載。
(4)「amazon.co.jp」のホームページ(http://www.amazon.co.jp/%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E3%81%AE%E5%91%B3%E2%80%95%E3%81%AE%E3%82%8C%E3%82%93%E7%99%BE%E5%B9%B4-%E5%B8%8C%E4%BB%A3-%E5%AE%8F/dp/4947629509)には、「書籍『東海の味−
のれん百年』
(単行本)」の「商品説明」に「愛知、岐阜、三重東海三県下の伝統を誇る味の数々。」との記載。
(5)「大阪『NOREN』百年会」のホームページ(http://www.osaka-noren100.jp/info/History/index.html)には、「歩みと歴史/●1990年(平成2年) 11月29日 大阪『NOREN』百年会発足。大阪市が、市制100周年記念事業の1つとして、平成2年に冊子「暖簾」を発刊。大阪市において業歴100年以上の企業を調査・分析した結果と老舗企業のプロフィールが掲載されています。●1991年(平成3年10月20日〜27日)大阪城天守閣 第一回大阪
『のれん』百年
フェア」との記載。
(6)「『伊勢人』商品一覧」のホームページ(http://isebito.com/cgi-bin/hanbai/goodslist.cgi?mode=view_detail&genre_id=00000001&goods_id=00000042)には、「伊勢人 No.154 新春号」の見出しのもと「特集:赤福
のれん三百年
宝永四年創業、お伊勢さんの町に暖簾を掲げて11代」との記載。
してみれば、「暖簾百年」の文字からなる本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、のれん(店の格式や信用)が百年わたって守り継がれている老舗の商品であること、すなわち、商品の品質を表示したにすぎないものと理解するに止まり、自他商品の識別標識としての機能するものとは認識し得ないものといわなければならない。
おって、請求人は、過去の登録例を挙げ、本願もこれらと同様に登録されるべきである旨主張しているが、登録出願された商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の構成態様と指定商品に基づいて、個別具体的に判断されるものであって、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではなく、本願については前記のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は、採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であり、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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