Trademark Appeal Case
著名作品名の商標登録
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−24390(T2006−24390/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「キューティ−ハニー」の片仮名文字を横書きに書してなり、第44類「美容,理容,入浴施設の提供,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,動物の飼育,動物の治療,植木の貸与,農業用機械器具の貸与,医療用機械器具の貸与,漁業用機械器具の貸与,美容院用又は理髪店用の機械器具の貸与,芝刈機の貸与」を指定役務として、平成18年1月31日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、永井豪さんの原作の漫画のタイトル名を認識させる「キューティーハニー」の文字を標準文字よりなるところ、該「キューティーハニー」は、1973年(昭和43年)に雑誌に連載が開始されるとともにほぼ同時期にテレビアニメ化され、また、2004年(昭和16年)には、実写版として映画化される等、その続編、あるいは、シリーズ化されたものも含め、現在でも、漫画(書籍)、映画のDVD等の関連商品が販売されている実情からすれば、原作者との関係が明らかでない出願人が、本願商標について登録を受けることは穏当ではない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり、「キューティーハニー」の文字を書してなるところ、これは、1973年に発表された永井豪原作の漫画とアニメのタイトル名であると認められ、最近においては、「キューティーハニー」に関する映画化や放映及びCD、DVD等の関連商品が多数販売されている実情からすれば、現在においてもその人気は高いものといい得るものである。 そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、「永井豪原作の漫画のタイトル名のキューティ−ハニー」を容易に看取するというのが相当である。
上記した実情は、以下のような新聞記事情報及びインタ−ネット情報からも裏付けられる。
(1)2007年8月26日付け読売新聞 東京朝刊35頁には「永井豪さんデザイン 托鉢する雲水キャラクターをバスに=石川」の見出しの下、「輪島市出身の漫画家で、「デビルマン」、「キューティーハニー」、「マジンガーZ」のヒット作で知られる永井豪さんがデザインした雲水のキャラクターをあしらったバス「禅の里輪島」号が完成した。」との記載がある。
(2)2006年6月22日付けの朝日新聞 大阪地方版/石川28頁には「短信 /石川県」の見出しの下、「◆いしかわ地域づくり塾講演会 24日午後1時半から、輪島市河井町の市文化会館大ホールで、同市出身で「デビルマン」や「キューティーハニー」などのヒット作で知られる漫画家永井豪さん(60)が「日本から発進するMANGA文化」をテーマに講演する。」との記載がある。
(3)2005年12月17日付けの毎日新聞 地方版/石川21頁には「輪島市:「永井豪記念館」建設へ 近く検討委員会を設置 /石川」の見出しの下、「デビルマン、マジンガーZ、キューティーハニーなどの作品で知られる石川県輪島市出身の漫画家・永井豪さん(60)=東京在住=に関する資料を展示する「永井豪記念館」(仮称)の建設計画が同市で進んでいる。」との記載がある。
(4)2005年9月17日付けの朝日新聞 名古屋朝刊28頁には「SF活劇、躍る絵筆 17日から愛知・刈谷で「ぼくらの小松崎茂展」 【名古屋】」の見出しの下、「開幕を前に、出品作の一部を紹介するとともに、小松崎ファンで「キューティーハニー」や「デビルマン」などの著作で知られる人気漫画家、永井豪さんに小松崎作品の魅力を語ってもらった。」との記載がある。
(5)2004年10月13日付けの共同通信には「よみがえる永井豪の世界 「デビルマン」など映画化」の見出しの下、「悪魔と合体したヒーローの孤独な闘いを描き、一九七〇年代に一世を風靡(ふうび)した永井豪(ながい・ごう)さん(59)の漫画「デビルマン」の実写版映画が公開中だ。今年は「キューティーハニー」なども相次ぎ映画化。約三十年の時を超えて=永井豪の世界=が、よみがえりつつある。」との記載がある。
(6)2004年6月23日付けの朝日新聞 東京夕刊15頁には「役者生かして「キューティーハニー」映画化 庵野秀明監督」の見出しの下、「70年代の人気アニメを実写映画化した「キューティーハニー」が公開されている。監督は庵野秀明。・・・・・原作は、「デビルマン」「ハレンチ学園」などの永井豪。73年からテレビ放送された。」との記載がある。
(7)2004年6月10日朝日新聞 東京夕刊11頁には「及川が支える「漫画的」世界 「キューティーハニー」(映画)」の見出しの下、「キューティーハニー」は永井豪が73年に発表した漫画とアニメが原作である。」との記載がある。
(8)2004年5月28日付けの読売新聞 中部朝刊26頁には「「キューティーハニー」庵野監督ら来名 アニメ応用、楽しい映画に=愛知」の見出しの下、「ワーナー・ブラザーズ映画「キューティーハニー」のキャンペーンに庵野(あんの)秀明監督と主演の佐藤江梨子さんが来名し、名古屋市内のホテルで会見した。キューティーハニーは、永井豪さん原作の漫画。一九七三年、コミック連載と同時にテレビアニメ化された。」との記載がある。
(9)ガイナックス通販のウェブサイトにおいて「「キューティーハニー」WOWOWで放送決定。2005年4月23日(土)夜10:20〜ONAIR/1973年に漫画とアニメがほぼ同時に発表された永井豪原作「キューティーハニー」」/「コミック「キュティーハニーa GOGO!」1巻本日発売!/発売日:2005年3月1日(火)/原作:永井豪」/「庵野秀明監督作品「キューティーハニー」DVD明日発売!!/発売日:2004年12月22日(水)」との記載がある。(http://www.gainax.co.jp/hills/anno/honey/index.html)
上記よりすれば、請求人(出願人)が、本願商標の「キューティーハニー」を選択したことが偶然の一致とは認め難く、また、請求人(出願人)において創造した語とも認め難いものである。
そうすると、需要者間に広く知られている永井豪原作の漫画等のタイトル名の「キューティーハニー」の文字を、その原作者及び関係者と何ら関係のない請求人(出願人)が、その指定役務について登録、使用することは、社会公共の利益に反し、また、社会の一般道徳観念に反するものというのが相当である。
そして、商標法第4条第1項第7号において「公の秩序または善良な風俗を害するおそれがある商標」とは、商標の構成自体が矯激、卑猥なものではなくとも、指定商品または指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する場合も含まれると解されるものである。
なお、請求人は、過去の登録された商標の例を挙げ、本願商標の登録適格性を主張しているが、それらの登録例と本願商標とは、その構成及び態様が異なり、事案を異にするものといわざるを得ないものであり、そして、具体的事案の判断においては、過去の登録例に拘束されることなく検討されるべきものであるから、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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