Trademark Appeal Case
タッチビジョンの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−6101(T2005−6101/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「タッチビジョン」及び「Touch Vision」の文字を二段に横書きしてなり、第9類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として平成16年3月31日に登録出願され、その後、指定商品については、同年12月27日付け手続補正書により、第9類「耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,液晶画像表示機能を付加した自動販売機及びその部品,その他の自動販売機及びその部品,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,モニターその他の映像・画像・文字表示機械器具その他の電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,その他の電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット(球技用,スキー用含む。),エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテ−プ,電子出版物」と補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『タッチビジョン』の文字とその英語表記と認められる『Touch Vision』の文字を上下二段に書してなるものであるが、指定商品との関係からして、その構成中の『タッチ』『Touch』の文字は、『さわること、触れること』の意を、また『ビジョン』『Vision』の文字は、『映像機器』『画面』等の意を表す語として広く使用されているところ、例えば新聞記事における『タッチビジョン』の文字の使用例をも勘案すると、本願商標よりは『画面に触れて操作する表示装置』の意を容易に認識させるものと認める。してみれば、本願商標をその指定商品中、前記『画面に触れて操作する表示装置』に照応する商品に使用した場合、単に商品の品質、機能を表してなるにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記文字に照応する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における職権証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、次の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づく通知を行った。
1 「タッチ(touch)」の語について
(1)「2005−’06年版 最新パソコン用語事典」(平成16年11月1日株式会社技術評論社発行)には、「タッチ・パネル/touch panel」の説明として「銀行のATMで使われているような、触れると、それが入力と見なされるパネル。」との記載がある。
(2)「コンサイスカタカナ語辞典 第3版」(2005年10月20日株式会社三省堂発行)には、「タッチ・キー[日<touch+key]」の説明として「軽く触ったり,押したりするだけで回路がつながったりする銀行の自動貯金機などのキー.」との記載、「タッチ・スイッチ[touch switch]」の説明として「軽く触れるだけで機能するスイッチ.」との記載及び「タッチスクリーン[touchscreen]」の説明として「【電算】ディスプレー画面の図形や文字に手を触れることにより入力する方式.銀行のATMなどに見られるもの.タッチ−パネルとも.」の記載がある。
(3)「imidas 2007」(2007年1月1日株式会社集英社発行)には、「タッチセンサー[touch sensor]」の説明として「(1)対象物の確認を実際の物理的接触を検知して行う機器.(2)データ名を表示したキーを多数用意し,触れると容易に入力できる装置.」との記載がある。
2 「ビジョン(vision)」の語について
(1)「新英和大辞典 第6版」(2002年3月株式会社研究社発行)には、「vision」の説明として「10 〔テレビ〕映像.」の記載がある。
(2)「ランダムハウス英和大辞典 第2版」(1999年1月10日株式会社小学館発行)には、「vision」の説明として「7 (テレビの)映像.」の記載がある。
(3)インターネット上で提供される「Infoseek マルチ辞書」(〔提供:三省堂〕http://dictionary.www.infoseek.co.jp)には、「【複合語】ビジョン[英vision]」の説明として「映像,映写装置の意味で,またテレビジョンの省略語として複合語をつくる.」との記載がある(http://dictionary.www.infoseek.co.jp/?ii=1&lp=0&sm=1&sc=1&gr=ml&qt=%A5%D3%A5%B8%A5%E7%A5%F3&sv=KN&se=on)。
(4)「有限責任中間法人日本大型ビジョン事業者協議会」のホームページには、大型ビジョンに関する様々な情報が提供されている(http://www.jmba.gr.jp)。
(5)「Galaxy co.,ltd」のホームページ中の「PRODUCTS」の欄には、「大型LEDビジョン/街角で最近よくみかける大型のLED表示機。」の記載や、「小型LEDビジョン/移動型でお好みの場所で放映が可能な小型表示機。」の記載がある(http://www.linux.co.jp)。
(6)「文化庁」(http://www.bunka.go.jp)のホームページにおける「美術館・歴史博物館」にある「文化遺産オンライン」からリンクされた同名のホームページ中には、「全国の美術館・博物館情報」の「美術館・博物館・関係団体等」における「地域別INDEX(索引)」中の「関東」「千葉県」の欄に「国立歴史民俗博物館」があり、「ご案内」として「・・・常設展示では、原始・古代から近代に至るまでの歴史と日本人の民俗世界をテーマにした展示を行い、実物資料の他に、復元模型や発掘成果などをもとに製作した再現ジオラマやタッチ式の液晶ビジョンなどを設置し、容易に理解を深められるよう工夫されています。」との記載がある(http://bunka.nii.ac.jp/MuseumDetail.do?id=137)。
(7)「福岡市交通局」(http://subway.city.fukuoka.jp)のホームページにおける「福岡市地下鉄広告のご案内」からリンクされた同名のホームページ中には、「車両広告」の一つとして「液晶ビジョン」があり、「動画での広告表現は、エンターテインメント性に富み、非常に高い注目度と認知率が期待できます。また、静止画像の映写も可能です。」との記載がある(http://subway.city.fukuoka.jp/adv/coach/16.html)。
(8)2004年2月27日付け「北海道新聞」朝刊地方30頁には、「ホテル 2巨塔対決*4月開業プリンス ツイン476室も*駅に直結JR日航 道内客に人気」の見出しの下、「・・・京王プラザホテル札幌(中央区北五西七)は二○○四年度、五百十二の客室のうち十七、十八階の六十室を改装する。この二フロアは『リラクゼーションフロア』として差別化。客室のバスタブとトイレを分けたり、浴室に窓を設けるなど『くつろぎ感』をPRする。一部の客室には大型液晶ビジョンを設置する。」との記載がある。
(9)2005年7月28日付け「山形新聞」朝刊4頁には、「情報センサー 大型ビジョンを導入」の見出しの下、「BMW正規販売店のモトーレン山形(山形市)はこのほど、車体や内装の色、ホイールなどのイメージを画面に表示する50インチ大型ビジョンを導入した。タッチパネル方式で、BMW全車種のフロント、リヤ、内装の画像を映し出せる。使用していない時は、車の宣伝画像を流している。」との記載がある。
(10)2006年2月11日付け「神戸新聞」朝刊27頁には、「さんちかリニューアル 液晶ビジョンを設置 地元ニュース、クリアに速報」の見出しの下、「神戸空港の開港を控え、リニューアルオープンした神戸・三宮の地下街『さんちか』夢広場に十日、六十五インチ(横一・四メートル、縦〇・八メートル)の液晶ビジョンが登場した。午前九時から午前零時まで神戸新聞やデイリースポーツのニュース速報などを流す。」との記載がある。
3 「タッチビジョン」の語について
(1)「社団法人 日本観光協会」(http://www.nihon-kankou.or.jp/home)のホームページにおける「TOPICS」欄にある「観光 ONLINE MAGAZINE」からリンクされた同名のホームページ中には、「できたてとれたて」欄の「2005年6月」に「神奈川県/JR川崎駅改札前観光案内所IT技術を駆使した省力化でリニューアル!」の項があり、「JR川崎駅改札前観光案内所 IT技術を駆使した省力化でリニューアル!」の見出しの下、「・・・リニューアルした観光案内所は、全国でも初めての50インチプラズマタッチビジョンとコンピューターによる観光情報自己検索システムを導入し、観光案内業務の無人化・省力化を図り、4月1日から運転を開始しました。」との記載がある(http://online.nihon-kankou.or.jp/topics/0506/021.html)。
(2)「国土交通省関東地方整備局」(http://www.ktr.mlit.go.jp)のホームページにおける「リクエストの多い情報」欄にある「関東版 道の駅」からリンクされた「いきたいところ、すばやくチェック 関東『道の駅』」のホームページ中には、「地図から探す」欄の「神奈川県」に「箱根峠」があり、その中の「施設紹介」一覧中の「道路情報コーナー」には、「県内と都内の主要道路情報を大型地図版やタッチビジョンでリアルタイムで提供しています。」との記載がある(http://www.ktr.mlit.go.jp/kyoku/road/eki/station/kana_hakone/info.html)。
(3)「財団法人 宮ヶ瀬ダム周辺振興財団」(http://www.miyagase.or.jp)のホームページにおける「エリア&施設」欄の「宮ヶ瀬湖畔エリア&施設」中にある「宮ヶ瀬やまなみセンター」には、「・・・建物の2階では、湖畔エリアに点在する施設や地域のイベントなどに関する情報をタッチビジョンで提供。」との記載がある(http://www.miyagase.or.jp/area/lakearea/facilities/index.html#section-7)。
4 前記1の記載によれば、コンピュータ技術を応用した機械器具類の分野において、「タッチ(touch)」の語と触れる対象物を表す語を結合した語は、その対象物に触れるだけで操作できるものの意味合いを有する語として普通に使用されているものと認められる。
また、前記2の記載によれば、一般に、「ビジョン(vision)」の語が「映像」ないし「映像表示装置」を意味することが認められるから、本願商標の「タッチビジョン」及び「Touch Vision」の語が、コンピュータ技術を応用した商品について使用された場合には、これに接した取引者・需要者に「映像に触れるだけで操作できる機能を有する商品」あるいは「映像に触れるだけで操作できる映像表示装置」という意味合いを把握、認識させるというべきである。
現に、前記3の記載によれば、「タッチビジョン」の語が上記と同様の意味合いで用いられていることが認められる。
5 そうすると、本願商標をその指定商品中の「映像に触れるだけで操作できる機能を有する商品」又は「映像に触れるだけで操作できる映像表示装置」に使用した場合、取引者・需要者は、これを、商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認識し得ないとみるのが相当である。
また、本願商標をその指定商品中の「映像に触れるだけで操作できる機能を有する商品」及び「映像に触れるだけで操作できる映像表示装置」以外のコンピュータ技術を応用した商品に使用した場合は、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである。
第4 職権証拠調べ通知に対する意見の要点
1 本願商標は各種辞書類のどれにも掲載されていない事実から、成語として普通に使用されていないことが認められる。
2 証拠調べ通知で提示されたインターネット上の使用例からは、「タッチビジョン」の語が「映像を触れただけで操作できる機能を有する商品」あるいは「映像に触れるだけで操作できる映像表示装置」の意味合いで用いられているとは認められない。
3 実際にインターネット検索にて「タッチビジョン」の語を検索したところ、商標的な態様で用いられているものであって、証拠調べ通知で指摘されている記載は、ほぼ商標としての使用に過ぎず、商品の品質を表示するものでない。
4 「タッチレジ/TOUCH REGI」、「タッチカタログ」等の商標が登録されている事実が認められるから、本願商標を拒絶することは審査・審理の公平に反し、到底認められる判断ではない。
5 したがって、証拠調べ通知で提示された各証拠は、本願商標について品質等を表示する語であるか否かの判断をする為の証拠として採用すべきものではない。
第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠くものであることによるものと解される(最高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決 昭和53年(行ツ)第129号 裁判集民事126号507頁、判例時報927号233頁参照)。この趣旨に照らせば、本件査定時又は審決時において、当該商標が指定商品の品質を表すものと取引者、需要者に広く認識されている場合はもとより、将来を含め、取引者、需要者にその商品の品質を表すものと認識される可能性があり、これを特定人に独占使用させることが公益上適当でないと判断されるときには、その商標は、同号に該当するものと解するのが相当である。
2 そこで、本件について検討すると、本願商標は、前記第1のとおり「タッチビジョン」及び「Touch Vision」の文字を二段に横書きしてなるところ、前記第3の職権証拠調べ通知に示した事実によれば、「タッチ」「Touch」の語が「触れること」を意味し、「ビジョン」「Vision」の語が「映像」ないし「映像表示装置」を意味することが認められるから、本願商標の「タッチビジョン」及び「Touch Vision」の語に接した取引者・需要者は、ごく平易な語である「タッチ」「Touch」と「ビジョン」「Vision」からなる語と理解した上で、これがコンピュータ技術を応用した商品について使用された場合には、その商品が「映像に触れるだけで操作できる機能を有する商品」又は「映像に触れるだけで操作できる映像表示装置」であること、すなわち、商品の品質を表示したにすぎないものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認識し得ないとみるのが相当である。そして、本願商標が上記商品以外のコンピュータ技術を応用した商品について使用された場合は、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
また、「タッチビジョン」及び「Touch Vision」の語は、映像に触れるだけで操作できる機能を有する商品を製造・販売しようとする者が、当該商品の内容を適切に表現するために用いようとするものであるから、これを特定人に独占させることは公益上適当でないものというべきである。
3 請求人は、本願商標は各種辞書類にも掲載されておらず、証拠調べ通知で指摘されている記載は、ほぼ商標としての使用に過ぎないから、商品の品質を表示するものではない旨主張する。
しかし、本願商標を構成する「タッチ」「Touch」及び「ビジョン」「Vision」の文字は平易な語であって、指定商品に関連する用語でもあることから、商品の内容を簡潔に表すために何人もその使用を欲するということができるものであって、現に「タッチビジョン」の語が使用されていることからすれば、本願商標は、その指定商品との関係において、将来を含め、取引者、需要者にその商品の品質を表すものと認識される可能性が十分にあるといえる。そして、このように、指定商品との関係において、当該商品の品質を表示するために、取引に際し必要適切な標章として何人もその使用を欲するものについて、特定人によるその独占使用を認めることは妥当でない。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
4 また、請求人は、他の登録商標の実例を挙げて、「タッチ」「TOUCH」の語を結合してなる商標が登録されている旨主張するが、登録出願に係る商標が登録され得るか否かの判断は、指定商品等の取引の実情を考慮し、当該商標の全体の構成に基づいて、個々の商標ごとに個別具体的に判断されるべきものであるから、請求人主張に係る登録商標の実例は、上記判断を左右するものではない。
5 結語
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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