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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用証拠

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2006−31311(T2006−31311/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4714033号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4714033号商標(以下「本件商標」という。)は、「タキザワ漢方敞」の文字を書してなり、平成14年12月10日に登録出願、第5類「薬剤,歯科用材料,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,失禁用おしめ,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,乳児用粉乳,乳糖,はえ取り紙,ばんそうこう,包帯,防虫紙,胸当てパッド」を指定商品として、同15年10月3日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、その商標公報に示されているように、片仮名文字「タキザワ」と、漢字「漢方敞」を一連に横書した構成からなるものである。

本件商標は、その指定商品について、3年以上継続して日本国内において,商標権者である被請求人により使用されていない。

また、登録原簿上、本件商標について専用使用権者あるいは通常使用権者は存在しないから、本件商標が専用使用権者または通常使用権者によって、その商品について使用された事実は見当らないものである。

したがって、本件商標は、その指定商品について、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても使用されていないものであるから、その登録は商標法第50条第1項の規定によって取り消されるべきものである。

2 答弁書に対する弁駁書

(1)被請求人は、「被請求人からの善意による申し入れによる『タキザワ漢方敞』の使用に関して、平成12年12月15日、PM2:00に打ち合わせを実施した(実施場所:代理人事務所)(乙第1号証及び乙第2号証)。その時点で、請求人である株式会社タキザワ漢方廠の代表取締役社長から被請求人の登録商標『タキザワ漢方敞』は、我が社では使用していない、全く影響がない、むしろPRになって好ましいとの回答であった。」旨、答弁しているが、事実に反する。

当方が、被請求人と面談したことは事実であるが、その際、被請求人から金銭の要求があり、当方の提示した金額との間に隔たりがあったので、話し合いが並行のまま物別れになった。

また、面談日は、平成15年12月15日であり、平成12年12月15日というのは誤記である。このことは、本件商標の登録出願日及び設定登録日からも明瞭である。

(2)被請求人は、商品の使用を示す書類として、乙第2号証を提出しているが、この乙第2号証の証拠は、商品に関するカタログなのか、または、単なる商品の説明書なのか不明である。

少なくとも広告媒体のコピーとは思われないものである。

すなわち、商品についての使用状態を示すものであるならば、実際に使用されている状態を示す写真や、カタログや、広告媒体のコピーなどを提出すべきである。

さらに、商品のパッケージと思われる図形中に、商標「タキザワ漢方敞」の文字は記載されていないようにみえる。

また、この乙第2号証は、コピーのため明確ではないが、パッケージなどの切り抜きを組み合わせて用紙に貼り付け、その空きスペースにパソコンで文字を書き込んで作成したようにみえるものであり、到底商品の使用状態を示す証明書と認めることはできない。

乙第2号証に表された商品は、同号証の上から7行目に、「勃起力、持続力共に文句ナシの天然精力食品であります!!」と記載されており、明らかに商品は「食品」であると説明しており、商品「薬剤」について使用状態を示すものではない。

ここで百歩譲って、被請求人の提出した乙第2号証が、商品の使用を示すものであると仮定しても、その証明書に示された商品は、上記したように「食品」を示すものであって、本件商標に係る商品「薬剤」についての使用状態を表すものではなく、商品「薬剤」について使用している事実を示す証明書として到底認められないものである。

さらに、国内において商品「薬剤」を製造又は販売するためには、厚生省の許可を受けていることが必要であるとされている。

そのため、本件商標を商品「薬剤」について使用していると主張するのであれば、先決問題として、「薬剤」の製造許可書または販売許可書を提出すべきである。

(3)乙第3号証は、被請求人の経営する「有限会社恒雄商事」の現在事項全部証明書であって、本件商標「タキザワ漢方敞」を商品について使用している事実を示す証明書ではない。

(4)以上のように、被請求人は、本件商標を継続して3年以上日本国内において使用しているとは認めることができないものである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。

1 「タキザワ漢方敞」は、中国で製造、日本で販売するときの商標である。

2 本件審判請求は成り立たない。なぜなら、被請求人からの善意による申し入れによる「タキザワ漢方敞」の使用に関して、平成12年12月15日、PM2:00に打ち合わせを実施した(実施場所:代理人事務所)(乙第1号証及び乙第2号証)。

その時点で、請求人である株式会社タキザワ漢方廠の代表取締役社長から被請求人の登録商標「タキザワ漢方敞」は、我が社では使用していない、全く影響がない、むしろPRになって好ましいとの回答であった。

3 その後、請求人は、「株式会社タキザワ漢方廠」を登録商標として権利を収得した、そして、請求人の会社の経営上マイナスになると判断して、被請求人の登録商標である「タキザワ漢方敞」を取り消そうと企てたものと推量できる。

4 上記2及び3にも関わらず、取り消し請求が代表取締役社長より出されている。

これは、被請求人にとって青天の霹靂で信頼を損なうものである。

5 よって、被請求人は、請求人が本件審判請求を取り下げることを望むものである。

第4 当審の判断

1 商標法第50条は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品又は指定役務についての登録商標の使用をしていないときは、何人も、その指定商品又は指定役務に係る商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる、と規定しており、同条による商標登録の取消審判の請求があったときは、被請求人は、その取消請求に係る指定商品について当該商標を使用していることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その指定商品に係る商標登録の取消を免れないものである(同条第2項)。

2 そこで、被請求人は、「タキザワ漢方敞」は中国で製造、日本で販売するときの商標であるとして、乙第1号証ないし乙第3号証を提出しているので、以下検討する。

(1)乙第1号証は、被請求人が、請求人である株式会社タキザワ漢方廠の代表取締役社長と打ち合わせをした際のメンバーの名刺の写しである。

なお、被請求人は、答弁書6理由3)において、打ち合わせ日について、平成12年12月15日であると述べているが、平成12年においては本件商標は未だ商標登録出願されていないこと、当該答弁書7証拠方法1)において「乙第1号証 平成15年12月15日会議メンバー」と記載されていること及び請求人の主張よりすれば、打ち合わせ日は、平成12年12月15日ではなく、平成15年12月15日であったと推認することができる。

(2)乙第2号証は、「...今般『タキザワ漢方敞』は...勃起力、持続力共に文句ナシの天然精力食品であります!!」などの記述と、商品の包装箱と思しき容器(本件商標「タキザワ漢方敞」の表示は見当たらない。)の写真の下部に被請求人の郵便番号、住所、電話番号の記載のある一葉のチラシと認められる。

(3)乙第3号証は、被請求人の経営する「有限会社恒雄商事」の現在事項全部証明書であって、商号、本店、会社設立年月日、目的などの項目があり、「目的」欄中に「2、漢方薬の輸入販売」の記載が認められる。

3 以上のとおり、乙第1号証は、請求人らの「名刺」の写しにすぎず、また、乙第2号証は、商品を広告するためのチラシ(被請求人は商品カタログとしている)の写しと認められ、さらに、乙第3号証は、「現在事項全部証明書」であって、その「目的」欄中に「2、漢方薬の輸入販売」の記載が認められるとしても、例えば、乙第2号証の該チラシ中の商品の包装箱と思しき容器には、本件商標「タキザワ漢方敞」の表示は見あたらないし、また、商品の販売日等の日付もどこにも見当たらず、かつ、チラシの頒布時期を客観的に示すも証拠の提出もない。

また、被請求人は、通常であれば、存在し、容易に提出できるはずのチラシ(商品カタログ:乙第2号証)に挙げられた商品(乙第3号証:漢方薬の輸入販売)についての領収書、注文書、納品書、代金支払伝票等の客観的に示す証拠も何ら提出していないから、これらの証拠をもってしては、本件商標「タキザワ漢方敞」をその指定商品「薬剤」等について、具体的に使用していたとはいい難いものである。

4 そうすると、乙第1号証ないし乙第3号証によっては、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に請求に係る指定商品のいずれかについて、使用されていたものと認めることはできない。

その他、被請求人は、本件商標がその指定商品について使用されていたことを示す証拠を何ら提出していない。

5 むすび

してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品のいずれかについて、登録商標の使用をしていることを証明し得なかったといわざるを得ず、また、使用していないことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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