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Trademark Appeal Case

結合商標の分離観察

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2007−890015(T2007−890015/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4949526号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成17年11月8日に登録出願、第35類「カタログ又はインターネットを利用した通信販売の注文・受注・発注に関する事務処理の代行,商品カタログ又はインターネットによる商品の販売に関する情報の提供,その他の商品の販売に関する情報の提供,カタログ通信販売又はインターネットによる贈答用商品の売買契約の媒介又は取次ぎ,その他の商品の売買契約の媒介又は取次ぎ,広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,ホテルの事業の管理,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,速記,筆耕,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与,求人情報の提供,自動販売機の貸与」を指定役務として、同18年4月28日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

(1)請求人が本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に違反して登録されたものであるとして引用する登録第4642252号商標(以下「引用商標」という。)は、「みるくるナビ」の文字と「MILKL NAVI」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成13年11月20日に登録出願、第35類「広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断及び指導,販売促進のための企画及びその実行の代理,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,書類の複製,速記,筆耕,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,文書又は磁気テープのファイリング,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与」、並びに第38類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同15年1月31日に設定登録されたものである。

(2)請求人が役務「広告」に使用し、同人の業務にかかる役務として需要者の間に広く認識されているとして引用する標章は、「ミルクル」の文字及び別掲(2)のとおりである(以下、一括して「引用使用標章」という。)。

第3 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第24号証(枝番を含む。)を提出した。

〈請求の理由〉

1 本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に違反して登録されたものであり、また、本件商標の指定役務中「広告」については、同法第4条第1項第10号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号により無効とされるべきものである。

2 商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項について

(1)本件商標と引用商標との対比・判断

本件商標は、上段に「みるくる」の平仮名文字と、中段に「ミルキーランド」の片仮名文字と、下段に「乳児とミルク」の図形より構成されている。したがって、本件商標は、「みるくる」の称呼観念を生ずる文字商標及び「ミルキーランド」の称呼観念を生ずる文字商標並びに「乳児とミルク」の称呼観念を生ずる図形商標の上記3つからの商標にて構成されているものである。

これに対して、引用商標は、上記のような構成からなるゆえ、つまり、上段に平仮名の「みるくる」の文字を書き、その次に(右横)に片仮名の「ナビ」の文字を書いて「みるくるナビ」と連続させて一体的に表されているものである。したがって、前半の「みるくる」の文字が平仮名であるのに対し、後半の「ナビ」の文字が片仮名文字より成るゆえ、「みるくるナビ」と一連に称呼し得るものであっても、かかる構成からすると、全体をもって一体不可分のものと把握し認識され難い。いわゆる、平仮名と片仮名との組合せから成るので、平仮名部分と片仮名とが視覚上分離して看取され、常に一体不可分のものとして認識し把握され難い。

そして、更に下段の「MILKL」と「NAVI」の英文字との間に僅かながら間隔が置いてあることからして該構成各文字は、必ずしも全体をもって一体不可分のものと把握認識されて称呼されるものとはいい難い。そして、何よりも「ナビ」の文字自体が近年流行語のように不特定多数の人々に無数に使用されてきている。殊に自動車に「カーナビ」の使用が普及してから、その傾向は顕著である。つまり、「ナビ」の文字は「案内」と言う意味にて色々な業種に多岐に亘って使用されている。役務の区分第35類においても、それは例外ではない。したがって、「ナビ」の文字自体は、役務の区分第35類において社会取引上全く識別力のない文言そのものと理解される。してみれば、引用商標の要部は「みるくる」の文字にあることは自明の理である。換言すれば、この種の業界においては「みるくる」の文字自体が日常的に重きをおいて視覚上看取され、認識、把握されるものである。

よって、係る事情から鑑みて、引用商標は「みるくる」の文字が要部となり、つまり「みるくる」と称呼・観念することがこの種業界の取引者・需要者間における一般的な認識である。

(2)したがって、「みるくる」の称呼・観念を生ずる本件商標は、引用商標と称呼・観念上において類似するものであり、同一役務区分で、指定役務も類似である以上、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

3 商標法第4条第1項第10号について

本件商標は、その指定役務中「広告」については、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。

即ち、請求人は、本件商標の登録出願日以前に月刊雑誌に引用使用標章「milkl」(ミルクル)を雑誌による広告の代理業務として使用してきており、当該「ミルクル」の商標は請求人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標である。よって、本件商標は、上記請求人の周知商標に類似する商標であって、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。

4 甲各号証について

(1)請求人の発行する月刊雑誌「milkl」(ミルクル)とは、「東海地区の幅広いジャンルのショップ情報を中心に、旅行、イベント、映画、スポーツ...etcと様々な情報が載っているフリーマガジン」(甲第2号証2004年4月号)である。

そして、甲第2号証の月刊雑誌「milkl」(ミルクル)は、請求人は発行日〜数日間、サンプリングスタッフが名古屋地方では最大の繁華街である地下鉄名古屋・伏見・丸の内・栄・金山・新栄・市役所駅出口周辺の街角において一般の通行人を対象として配布して、広告代理として役務行為を行ってきたのである。その証拠は、以下のとおりである。 即ち、甲第3号証10月号の144頁において「ミルクル」月刊雑誌を街頭で配布する記事が記載されている(甲第3号証1)。以下、甲第4号証1ないし甲第19号証において夫々同じく「ミルクル」が街頭で配布されている事実が記載されている。また、「milkl」(ミルクル)の文字を付した月刊雑誌は甲第2号証1ないし2の記事中127頁の記載より明らかのように、名古屋市内全店舗及び東海3県内696店舗のサークルKにラックを設置し、そのラック中に月刊雑誌「milkl」(ミルクル)は収納され、一般の人々に提供の用に供されている。その部数は甲第20号証の記載から明らかなように平成16年4月8日付発行分だけをとってみても、発行名称「ミルクル」は194,390部、「ミルクル」宴会BOOKは30,000部発行されていることは、甲第20号証に記載する月刊雑誌「ミルクル」を印刷した凸版印刷株式会社の証明書(甲第20号証)から誠に明白である。次いで、平成16年5月13日以降の発行部数は甲第20号証の証明書に詳細に記載されているとおりで、膨大な発行部数である。

(2)したがって、甲第2号証ないし甲第19号証の月刊雑誌が顧客に広く提供され、引用商標、つまり「ミルクル」の商標がその登録出願日以前に需要者に広く認識されてきていたことは甲第2号証ないし甲第19号証に示す平成16年4月8日分から平成17年9月10日分の「milkl」月刊雑誌を印刷して請求人に対してその数量分の費用を請求した凸版印刷株式会社中部事業部の請求書からしても、その周知事実が如実に窺知できるところである。

なお、それだけに終わらず平成17年10月10日及び平成17年11月10日分の発行名称「ミルクル 名古屋版」が125,000部130,000部、「ミルクル 宴会BOOK(名古屋版)が30,000部30,000部、「ミルクル 大阪版」180,000部174,500部、「ミルクル 別冊宴会BOOK(大阪版)」60,000部60,000部が夫々当該地方において提供の用に供されてされていたものである(甲第2号証)。

そして、かつ、また上記発行部数だけ印刷した会社が凸版印刷株式会社であることは、甲第2号証の凸版印刷株式会社の証明書及び証明書に添付の請求書から容易に知ることができる。

また、甲第2号証の証明書中に記載されている平成14年4月23日〜平成16年3月11日発行分の月刊雑誌発行名称「ミルクル」ナビマガジン東海版及び「ミルクル」ナビマガジン別冊宴会BOOKは甲第2号証「ミルクル」の前身の月刊雑誌である。つまり、月刊雑誌「ミルクル」の商標は、平成16年4月8日以前の平成14年4月23日から平成16年3月11日までは「ミルクル ナビ」の名前で使用されていたものである。

また、請求人は、本件商標の登録出願日以前の2004年4月〜2005年3月までの間に「ミルクル」の商標をラジオによる広告代理として行っていた。いわゆる、「ミルクル」の商標を役務を表示するものとして使用していた。甲第21号証の株式会社ZIP‐FM(旧 株式会社エフエム名古屋)の証明書が請求人がスポンサーとして「ミルクル」の商標がラジオコマーシャルとして放送されていたことを証するものであって、同上放送年月日、月間放送、請求金額等を詳細に示すものである。

つまり、甲第21号証の放送確認書4月〜9月分によると、日にち、曜日、放送時間などが詳細に記載され、「ミルクル」の商標にて請求人がスポンサーとしてラジオ放送により広告されていた事実が、ラジオ放送会社である株式会社エフエム名古屋(旧社名)の放送確認書によって詳しくはっきりと立証されている(甲第21号証)。

(3)次に、「ミルクル」の商標のラジオCM広告放送は2004年7月8月9月12月に請求人がスポンサーとして放送されていた。甲第4号証は当時ラジオ放送されたCM内容録音カセットテープである(甲第22号証)。甲第23号証1ないし4は同上ラジオ放送されたCM内容台本4部である。

また、「ミルクル」の商標は請求人がスポンサーとして2004年11月3日にラジオ特別番組として放送された。甲第23号証1ないし4はそのラジオ放送内容録音カセットテープ(計4本)である。

(4)以上のように、「ミルクル」の商標は、本件商標の登録出願以前に請求人の業務に係る役務を表示するものとして需要者に広く認識されている商標あって、その役務について使用をするものゆえ、請求人の周知商標に類似する本件商標は商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。

4 よって、本件商標は、商標法第46条第1項第1号によって無効とされるべきものである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、何ら答弁するところがない。

第4 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項について

本件商標は、別掲(1)のとおり文字と図形との組み合わせで、上段に「みるくる」の文字、下段に「ミルキーランド」の文字、これの文字の下部に「ほ乳瓶を右横においた赤ちゃん」の図を配してなるものである。

そして、文字部分についてみるに、上段の「みるくる」の文字部分は、語頭の「み」の文字が他の「るくる」の文字と比較して1.5倍程度大きく書され、さらに、下段の「ミルキーランド」の文字部分は、上記「るくる」の文字よりやや小さく書され、上段の文字部分の横幅と幅を同一にするばかりでなく、上下段の文字は共に赤色で縁が囲まれた駕篭文字風に表され、上下段の文字全体が極めてまとまりよく表されているものである。また、本件商標の構成文字全体に相応して生ずるものと認められる「ミルクルミルキーランド」の称呼も極めて語呂良く一連に称呼し得るというのが相当である。

そして、本件商標は、文字と図形との組み合わせでなるところ、視覚的に、文字部分のみで独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものであり、「みるくる」の文字と「ミルキーランド」の文字全体をもって捉えるとみるのが自然である。

してみれば、本件商標は、構成文字全体に相応して「ミルクルミルキーランド」の称呼のみ生じ、特定の観念を生じないものというべきである。

一方、引用商標は、前記第2(1)のとおり、「みるくるナビ」の文字と「MILKL NAVI」の文字を上下二段に横書きしてなるところ、上段に「みるくるナビ」と同じ大きさの文字にて一連一体に書され、下段の「MILKL NAVI」の欧文字も中間部に半字程度の間隔を有するとしても、他は全て同じ書体、同じ大きさにて一体に書されているものであって、上段下段を併せて全体としてまとまりのよいものである。

また、後段部の「ナビ」、「NAVI」の文字は請求人の主張のように自動車の「カーナビ」の例が知られているが、この例とて「ナビ」だけが独立して使用されているものではなく、「○○ナビ」、「△△ナビ」等、他の文字と組み合わせて一体として用いられている例の一つといえるものである。

そうすると、たとえ引用商標の構成中「ナビ」、「NAVI」の文字が「案内」の意味を有し、識別力の弱い語として理解される場合があるとしても、かかる構成態様においては、構成全体の一種の造語を表したものとして認識するとみるのが相当である。

さらにまた、引用商標より生じるものと認められる「ミルクルナビ」の称呼も冗長なものでなく、一気一連に無理なく称呼し得るものである。

してみれば、引用商標は、その構成文字に相応して「ミルクルナビ」の称呼のみを生じ、特定の観念を有しない造語というのが相当である。

また、本件商標と引用商標とは外観上明らかに区別し得るものである。

よって、引用商標より「ミルクル」の称呼・観念をも生ずるとし、その上で、本件商標と引用商標とが称呼、観念上類似するものとして、本件商標を商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項(請求人は、本件商標について、商標法第8条1項にも該当する旨主張するが、引用商標は本件商標の登録出願時には既に登録されていたものであるから、商標法第8条第1項についての判断は、商標法第4条第1項第11号についての判断をもって足りると解される。)に該当するものであるとする請求人の主張は採用できない。

したがって、本件商標と引用商標とは、それぞれ別掲(1)及び上記第2(1)の構成態様よりして、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であって、商標法第4条第1項第11号及び同法第8条第1項に該当するものでない。

2 商標法第4条第1項第10号について

(1)本件商標と引用使用標章との類否について

本件商標は、別掲(1)のとおり文字と図形との組み合わせで、上段に「みるくる」の文字、下段に「ミルキーランド」の文字、これの文字の下部に「ほ乳瓶を右横においた赤ちゃん」の図を配してなるものである。

そして、文字部分についてみるに、上段の「みるくる」の文字部分は、語頭の「み」の文字が他の「るくる」の文字と比較して1.5倍程度大きく書され、さらに、下段の「ミルキーランド」の文字部分は、上記「るくる」の文字よりやや小さく書され、上段の文字部分の横幅と幅を同一にするばかりでなく、上下段の文字は共に赤色で縁が囲まれた駕篭文字風に表され、上下段の文字全体が極めてまとまりよく表されているものである。また、本件商標の構成文字全体に相応して生ずるものと認められる「ミルクルミルキーランド」の称呼も極めて語呂良く一連に称呼し得るというのが相当である。

そして、本件商標は、文字と図形との組み合わせでなるところ、視覚的に、文字部分のみで独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものであり、「みるくる」の文字と「ミルキーランド」の文字全体をもって捉えるとみるのが自然である。

してみれば、本件商標は、構成文字全体に相応して「ミルクルミルキーランド」の称呼のみ生じ、特定の観念を生じないものというべきである。

他方、引用使用標章は、「ミルクル」の文字及び別掲(2)のとおり、デザイン化された特徴のある「milkl」の欧文字よりなるものであるから、「ミルクル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものというべきである。

また、本件商標と引用使用標章とは、それぞれ前記のとおりの構成よりなるもであるから、外観上も判然と区別し得るものである。

そうとすれば、「ミルクルミルキーランド」の称呼のみ生ずる本件商標と「ミルクル」の称呼を生ずる引用使用標章とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(2)前記(1)で認定判断したとおり、本件商標と引用使用標章とは、非類似の商標であるから、他の要件について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものとはいえないものである。

3 むすび

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同法第8条第1項、同法第4条第1項第10号に違反してされたものではないから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきでない。

よって、結論のとおり審決する。

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