結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2007−300501(T2007−300501/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4261650号商標(以下「本件商標」という。)は、「NATURALFLOAT」の欧文字と「ナチュラルフロート」の片仮名文字を上下二段に横書してなり、平成10年3月13日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品」を指定商品として、同11年4月9日に設定登録されたものである。
請求人は、「本件商標についてその登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。
請求人が調査したところによれば、本件商標は、その全指定商品について、継続して3年以上日本国内において使用された事実を認めることができなかった。
よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づき、その全指定商品について、登録を取消されるべきものである。
(1)被請求人は、本件商標の使用事実を証明する証拠資料として乙第1号証ないし乙第5号証を提出しているが、これらの証拠資料精査するに、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標を使用しているとする事実は認められないものである。
以下、その理由について述べる。
ア 乙第1号証について
乙第1号証は、「ナチュラルフロート」の記載が認められるが、当該記載をもって、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において本件商標が、本件指定品中「ヘアスプレー」について使用されているとする事実は認められないものである。
イ 乙第2号証について
乙第2号証は、平成19年7月2日撮影年月日とあり、本件審判請求の番号通知を受け取った後のものであるから、本件商標の指定商品における使用の事実を証明する適正な証拠資料として成り立たないものである。
また、本件商標の構成中に「ナチュラルフロート」の表示が認められるものであっても、横一連の同書同大の英文字で構成してなる「NATURALFLOAT」は、本件商標の構成とはまったく異なるものであり、すなわち、「natural」が小さく表示される一方で、「float」はその倍近くの大きさで表示されており、これよりは、社会通念上同一の商標の使用とは認められないものである。
ウ 乙第3号証について
乙第3号証は、本件商標を使用した商品の販売実績を証明する証拠資料として提出されているものであるが、商品名に「ナチュラルフロート」「NATURALFLOAT」の記載はなく、本件商標の使用とされた指摘箇所は、「アフェスNフロート」と記載されており、本件商標と社会通念上同一の商標とは認められないものであるから、これよりは、本件商標の使用事実を証明する適正な証拠資料としては認められないものである。
エ 乙第4号証について
乙第4号証は、本件商標を使用する包装箱として提出されたものであるが、その表示内容は、「アフェス」と「ナチュラルフロート」の同書同大の文字を二段併記にしてなる構成よりなるものと、「natural」が小さく表示され、「float」がその倍近くの大きさで表示され、大小の差異を有する構成で上下二段に併記した構成よりなるものと、「アフェス」と「ナチュラル」の文字は同書同大の文字であるところ、「フロート」は、これら文字より1.5倍ほど大きい文字で構成されているものであるから、これよりは、本件商標と社会通念上同一の商標とは認められないものである。
また、当該包装箱は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用されているとする証明は何らなされていないものである。
オ 乙第5号証について
乙第5号証は、本件商標を使用した商品の送り状であるとのことであるが、本件商標の使用とされた箇所は、「アフェスNフロート」と記載されており、本件商標と社会通念上同一の商標とは認められないから、これよりは、本件商標の使用事実を証明する適正な証拠資料とは認められないものである。
(2)以上のとおり、本件商標は、その指定商品について使用の事実が認められないものであるから、商標法第50条1項の規定に基づきその登録を取り消されるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。)を提出した。
〔理由〕
以下、乙第1号証ないし乙第5号証により証明する。
(1)乙第1号証は、被請求人である株式会社ミルボンの「affe’s/アフェス」 シリーズのカタログであり、本件商標「ナチュラルフロート」を使用した「ヘアスプレー」は、その3枚目をめくったときの左側ページの下部の「ベース効果を補う。」という見出しを付けた枠内に示されている。
すなわち、上記枠内には上下方向に2本の「ヘアスプレー」が示されていて、その下側の「ヘアスプレー」には本件商標「ナチュラルフロート」が使用されている。
(2)乙第2号証は、本件商標「ナチュラルフロート」を使用した「ヘアスプレー」の写真であり、乙第2号証の1はその正面写真、乙第2号証の2はその背面写真、乙第2号証の3は背面写真の要部拡大写真である。
この乙第2号証の2、特に乙第2号証の3より明らかなように、この「ヘアスプレー」には本件商標「ナチュラルフロート」が付されている。
これら乙第1号証及び乙第2号証に基づき本件商標「ナチュラルフロート」を使用した「ヘアスプレー」について補足説明しておくと、以下のとおりである。
本件商標「ナチュラルフロート」を使用した「ヘアスプレー」は、前記乙第1号証の3枚目をめくったときの左側ページに記載のように、「カラースタイルを美しく表現する、アウトバスタイプのカラーヘア対応の素材ケアシリーズ」である「affe’s/アフェス」シリーズに属する商品であって、ベース素材を整える「ベースクリーム」の「ナチュラルムーブ」(この「ナチュラルムーブ」とは「髪をスタイリングしやすいコンディションに整える、トリートメントタイプのベースクリーム」の商品名である)の、「自然なツヤや軽い動きを強調する」ための商品であり、「毛髪の根元に立ち上がりと、ふんわり感」を付与するものである。
なお、前記乙第1号証の印刷者の住所、名称は下記のとおりである。
住所 大阪市都島区高倉町3丁目5番28号
名称 加陽印刷株式会社
また、前記乙第2号証の撮影者の居所、氏名、撮影日は、以下のとおりである。
居所 三重県伊賀市伊勢路字赤井谷758−30株式会社ミルボン青山工場内
氏名 藤田 亜彩見
撮影日 平成19年7月2日
(3)乙第3号証は、被請求人である「株式会社ミルボン」の「株式会社ハンワ」への「納品書」である。ただし、原本は提出できないので、謄本を提出するが、もし、原本を確認したいとのことであれば、被請求人のところまで来社されたい。
この乙第3号証は、被請求人である「株式会社ミルボン」が、大阪府堺市北波止町37に住所を有する「株式会社ハンワ」に商品を納品した2005年(平成17年)11月2日に発行されたものであるが、この乙第3号証には、そのNOの007欄に商品コード「610010」、商品名「アフェスNフロート175G」が2本納品された旨が記載されている。
この乙第3号証に記載されている「Nフロート」 は、次の乙第4号証から明らかなように、乙第1号証及び乙第2号証で示した「ヘアスプレー」に使用されている「ナチュラルフロート」の「納品書」への記載にあたって使用されている略号である。ただし、取引きは「ナチュラルフロート」で行なわれている。
(4)乙第4号証は、被請求人である株式会社ミルボンが、大阪市平野区長吉出戸5丁目2番13号に住所を有する「美倍紙業株式会社」に、本件商標「ナチュラルフロート」を使用した「ヘアスプレー」の6本入り包装箱の作製を依頼したときの版下であり、乙第4号証の1は上記版下を原寸大で複写したもので、乙第4号証の2は上記版下を縮小した状態に写真撮影したものである。
この乙第4号証には、「ナチュラルフロート」が表示されていることに加えて、「610010」という数字も表示されている。
この「610010」なる数字は、乙第3号証の「株式会社ミルボン」から「株式会社ハンワ」への「納品書」に記載の商品コード「610010」と同じ数字である。
この商品コード「610010」の共通性から、乙第3号証に記載されている「Nフロート」が「ナチュラルフロート」の「納品書」への記載にあたっての略号であり、乙第3号証で「株式会社ハンワ」へ納品された「アフェスNフロート175G」 が本件商標「ナチュラルフロート」を使用した「ヘアスプレー」であることが理解されるものと考える。
なお、上記「アフェスNフロート175G」における「アフェス」はシリーズ名の「アフェス」を示しており、「175G」はこの「ヘアスプレー」の内容物が「175g」であることを示している(乙第4号証参照)。
この乙第3号証に記載の商品の納品が2005年(平成17年)11月2日であり、この2005年11月2日は、本件審判の請求日である平成19年(2007年)4月20日より1年6ヵ月程度前にすぎない。
したがって、請求人の「本件商標は、その全指定商品について、継続して3年以上日本国内において使用されていない」という旨の主張は、明らかにまちがっている。
なお、乙第4号証に基づいて作製された包装箱が手元にあれば、当然それを乙号証として提出するが、現在は、たまたま、在庫切れのため、やむなく、乙第4号証として版下を提出する。ただし、この乙第4号証の版下に関しても、原本は提出できないので、謄本や縮小写真で提出するが、もし、原本を確認したいとのことであれば、被請求人のところまで来社されたい。
(5)さらに、被請求人は、乙第3号証(株式会社ハンワヘの納品書)の補強資料として乙第5号証を提出する。
乙第5号証は、「西濃運輸四日市」 のデータベースをプリントアウトしたものである。
つまり、乙第3号証で示した「株式会社ハンワ」への商品の納品は、被請求人である「株式会社ミルボン」の三重県にある工場から「西濃運輸四日市」を通じて行われている。
まず、乙第5号証の1の「西濃送り状情報メンテ第二画面」には出荷先が「株式会社ハンワ」であること、出荷日が「2005/11/02」であることが表示されている。
また、乙第5号証の2の「西濃送り状情報メンテ第三画面」では、商品コードが「610010」の「アフェスNフロート175G」が2バラ(「バラで2本」という意味である)で出荷されることが表示されている。
さらに、乙第5号証の3の「西濃送信データチェックリストのPAGE32〜35」では、そのPAGE35に商品コード「610010」の「アフェスNフロート175G」が2バラ出荷されることが表示されている。
これら乙第3号証ないし乙第5号証からも明らかなように、本件商標「ナチュラルフロート」を使用した「ヘアスプレー」は現実に商取引されている。
(1)乙第1号証は、被請求人の商品カタログであって、その3枚目の裏頁の右下に「ベース効果を補う。」の見出し最下部に「ナチュラルフロート」、「根本に立ち上がりと、ふんわり感の強調に。」の記載が認められる。
(2)乙第2号証の2は、上段部に「スタイルメイク アフェス」「ナチュラルフロート」(ヘアスプレー)の表示のある「ヘアスプレー」の背面写真であり、また、乙第2号証の1はその正面写真で、中央部に「natural」、「float」(「float」の文字は、「natural」の文字より約2倍程度大きい。)の表示が認められる。
また、乙第2号証の3は、上記乙第2号証の2の上部の拡大図である。
(3)乙第3号証は、被請求人である「株式会社ミルボン」の「株式会社ハンワ」宛の2005年11月2日付けの「納品書」で、「NO」の欄の007の右横の「商品コード/商品名」の欄に「610010/アフェスNフロート175G」の記載が認められる。
(4)乙第4号証の1は、包装箱の展開図(版下)で左から2番目に四角形の囲いの中に「E69/610010」、その下に「アフェス」、「ナチュラルフロート」、「フィンガーワークスプレー」の記載が認められる。また、乙第4号証の2は、上記包装箱の展開図(版下)を縮小した状態に写真と認められる。
(5)乙第5号証の1は、「西濃送り状情報メンテ第二画面」の表示がある出荷情報の記録で、出荷先コード「604600」「株式会社ハンワ」、出荷日「2005/11/02」の表示が認められる。また、乙第5号証の2は、「西濃送り状情報メンテ第三画面」の表示がある出荷情報の記録で、出荷商品情報の明細の「1070」の品目として「610010」「アフェスNフロート175G」の表示が認められる。さらに、乙第5号証の3は、「西濃送信データチェックリスト」の表示があるリストで、出荷日「2005/11/02」の表示、PAGE35に「610010」、「アフェスNフロート175G」の記載が認められる。
(6)以上の乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。)よりすると、被請求人は、本件審判の請求の登録日(平成19年5月15日)前3年以内の平成17年(2005年)11月2日に、本件商標の指定商品中の「化粧品」の範疇に属する「ヘアスプレー」に、「ナチュラルフロート」、「natural」、「float」の文字よりなる商標を使用していたといえる。
本件商標は、上記第1のとおり、「NATURALFLOAT」の欧文字と「ナチュラルフロート」の片仮名文字を書してなるものである。
これに対し、上記乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。)における使用商標は、「ナチュラルフロート」、「natural」、「float」(「float」の文字は、「natural」の文字より約2倍程度大きい。)よりなるものである。
しかして、「ナチュラル/natural」及び「フロート/float」の語は、「自然」、「浮かぶこと」の意味を持つ外来語及び英語として、それぞれ知られている親しまれたものである。そうすると、上記使用商標「ナチュラルフロート」は、本件商標の上段部の「NATURALFLOAT」と称呼を同じくし、観念的にも強い共通性を有しているといえるものであり、さらに、本件商標の下段部とは同一である。
加えて、上記使用商標の欧文字は、大小の相違を有するとしても、「natural」と「float」とからなるものであるから、全体の称呼を共通し、観念的にも強い共通性を有しているといえるものである。
以上よりすると、上記使用商標は、本件商標と社会通念上同一の範囲内における変更使用とみるのが相当というべきである。
請求人は、乙第2号証は、平成19年7月2日撮影年月日とあり、本件審判請求の番号通知を受け取った後のものであるから、本件商標の指定商品における使用の事実を証明する証拠資料として成り立たない旨主張する。
しかしながら、乙第2号証(写真)の撮影年月日が本件審判の請求の登録日以降であるとしても、該写真は、被請求人の取扱いに係る「ヘアスプレー」について、実際に取引があったことを示す取引書類に記載された商品に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が表示されていることを証明するための、いわば本件商標の使用状態の写真というべきものであるから、その撮影年月日が重要となるものではなく、提出された他の取引書類等とを総合して、当該登録商標が審判の請求の登録日前3年以内に請求に係る商品等について使用されたか否かを判断すれば足りるというべきである。
したがって、使用に係る商品「ヘアスプレー」の写真の撮影日が本件審判の請求の登録日以降であるから、証拠力に欠けるとする請求人の主張は理由がない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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