1 本願商標
本願商標は、後掲の構成よりなり、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、平成17年11月28日に登録出願されたものである。そして、指定役務については、原審における同18年5月26日付け手続補正書により、第43類「韓国料理を主とする飲食物の提供」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『韓国鶏鍋料理』『鶏一羽』『タクハンマリ』の各文字を三段に書してなるところ、韓国料理の一つで若鶏を丸ごと一羽煮込んだ料理を指称する「鶏一羽」の文字及び韓国語の表音「タクハンマリ」の文字があるから、本願商標を構成する各文字部分は、格別顕著な部分は無く、単に役務の質(内容)を表したに止まり自他役務を区別する標識としての識別力を具有しないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、後掲のとおり、上段に小さく表した「韓国鶏鍋料理」の文字と下段に小さく表した「タクハンマリ」の文字を配し、その中段に配した一際大きく書してなる文字は、「鶏一羽」の漢字の基を表現したとしても、その構成は、多少図案化されていて象形文字風の印象を受けるものである。
ところで、韓国料理の1つに、「若鶏を丸ごと1羽煮込んだ料理」があり、これを「鶏一羽」、あるいは、「タクハンマリ」と称している。
そうすると、本願商標は、全体として、若鶏を丸ごと1羽煮込んだ「韓国鶏鍋料理」の1つである「タクハンマリ」の意味合いを連想させる場合も少なくない。
しかしながら、「韓国鶏鍋料理」及び「タクハンマリ」の各文字が、上記のとおりの意味合いを生じたとしても、本願商標の構成中の「鶏一羽」を表現したと思われる「鶏」の部分には、一種の象形文字を形作るような図案化された特異な態様であり、また、「羽」の部分も、特殊な字形に変形して表してなるから、普通に用いられる態様の域を脱しているものと認められる。
してみれば、本願商標の構成中、上記の部分よりは、役務の質(内容)を表したものと認識させるものとはいい難く、全体として本願商標をその指定役務について使用しても、自他役務の識別力を有しないということはいえないものであり、かつ、役務の質について誤認を生じさせるおそれもないというべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。