Trademark Appeal Case
称呼類似の優越と指定商品類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2007−291(T2007−291/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「えん」の平仮名文字を標準文字で書してなり、第20類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年1月14日に登録出願されたものである。
そして、指定商品については、同17年9月6日付け手続補正書及び当審において同19年1月31日付けの手続補正書によって、最終的に、第20類「絵馬」と補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、次のとおりである。
(1)登録第2257220号商標(以下「引用商標1」という。)は、「en(「e」にはアクサン記号が付されている。)」の文字を書してなり、昭和63年2月8日登録出願、第20類「屋内装置品、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成2年8月30日に設定登録され、その後、同12年6月6日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第2296205号商標(以下「引用商標2」という。)は、「en(「e」にはアクサン記号が付されている。)」の文字と「エン」の片仮名文字を上下二段に書してなり、昭和63年2月8日登録出願、第20類「屋内装置品、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成3年1月31日に設定登録、その後、同12年10月24日に商標権の存続期間の更新登録がされ、かつ、同12年12月27日に指定商品を第14類「貴金属製宝石箱,貴金属製の花瓶及び水盤,記念カップ,記念たて」、第20類「家具,葬祭用具」、第21類「花瓶及び水盤(貴金属製のものを除く。),風鈴」及び第27類「敷物,壁掛け(織物製のものを除く。)」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(3)登録第2296206号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和63年2月8日登録出願、第20類「屋内装置品、その他本願に属する商品」を指定商品として、平成3年1月31日に設定登録、その後、同12年10月24日に商標権の存続期間の更新登録がされ、かつ、同12年12月27日に指定商品を第14類「貴金属製宝石箱,貴金属製の花瓶及び水盤,記念カップ,記念たて」、第20類「家具,葬祭用具」、第21類「花瓶及び水盤(貴金属製のものを除く。),風鈴」及び第27類「敷物,壁掛け(織物製のものを除く。)」とする指定商品の書換登録がされたものである。
以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。
3 当審の判断
本願商標は、「えん」の文字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「エン」の称呼を生ずるものであり、これよりは、特定の観念を生じないものとみるのが相当である。
一方、引用商標1は、「en(「e」にはアクサン記号が付されている。)」の文字を書してなるところ、その構成文字に相応して「エン」の称呼を生ずるものであり、これよりは、特定の観念を生じない造語とみるのが相当である。
同じく、引用商標2は、「en(「e」にはアクサン記号が付されている。)」の文字と「エン」の片仮名文字を上下二段に書してなるものであるところ、片仮名文字部分は、欧文字部分の読みを特定すべき役割を果たすものと無理なく認識できるものであるから、その構成文字に相応して「エン」の称呼を生ずるものであり、また、特定の観念を生じない造語とみるのが相当である。
同じく、引用商標3は、別掲のとおりの構成よりなるところ、その構成中に、「en(「e」にはアクサン記号が付されている。)」の文字を有するから、その構成文字に相応して「エン」の称呼が生ずるものであり、また、特定の観念を生じない造語とみるのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標は、それぞれ前記のとおり、外観において相違し、観念においては比較することができないものであっても、「エン」の称呼を同じくする類似の商標である。
次に、両商標の指定商品の類否についてみるに、前記のとおり、本願商標の指定商品は「絵馬」であり、引用商標の指定商品中には「葬祭用具」が含まれるものである。
そして、本願商標の指定商品の「絵馬」は、「祈願や報謝のために、社寺に奉納する絵の額。(株式会社岩波書店 広辞苑第五版)」であり、「卒塔婆、護摩木」等の「葬祭用具」も、葬儀や祭礼において使用されるもので、共に寺院仏具業者によって製造・販売されるものであるから、本願商標の指定商品「絵馬」と引用商標の指定商品中の「葬祭用具」は、用途、製造部門、需要者等を共通にする同一又は類似の商品というのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標は、「エン」の称呼を共通にするものであり、観念は双方ともに特定の観念を生じないもので、外観において前記の差異があるが、該差異が本願商標と引用商標との称呼における共通性を凌駕するものとはいえず、本願商標と引用商標とが当該指定商品に使用された場合には、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。
なお、請求人は、引用商標は価格の高価な「りん」、「仏像」、「数珠」等の商品に使用され、その流通経路も相違するのであるから、商品「絵馬」とその出所について混同することはない旨主張している。
しかしながら、商標法第4条第1項第11号の適用の際に考慮される取引の実情とは、指定商品全般についての一般的・恒常的なそれを指すものであって、特殊的・限定的なそれを指すものではない(昭和49年4月25日最高裁判決 昭和47年(行ツ)第33号)と解されるところ、請求人の主張する引用商標に関する取引実情は、まさに、その指定商品の一部の商品についての特殊的・限定的な取引の実情にとどまるものであって、引用商標の指定商品の全般についての一般的・恒常的な取引の実情は前記のとおりであるから、請求人の主張を採用することはできないものである。
よって、結論のとおり審決する。
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