結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2006−31445(T2006−31445/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第1995096号商標(以下「本件商標」という。)は、昭和55年9月19日に登録出願され、「ビバトン」の片仮名文字を横書きしてなり、第10類「理化学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)光学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)写真機械器具、映画機械器具、測定機械器具(電子応用機械器具に属するものおよび電気磁気測定器を除く)医療機械器具、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く)写真材料」を指定商品として、同62年10月27日に設定登録され、その後、平成9年9月2日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
(請求の理由)
本件商標は、その指定商品中、第10類の「医療機械器具、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く)」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者・専用使用権者・通常使用権者の何れによっても使用されていないため、それらの指定商品について取消を免れない。
よって、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中「医療機械器具、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く)」 についての登録を取り消すことの審決を求める。
(弁駁の理由)
(1)被請求人の主張及びその根拠とされる証明書について
被請求人は、平成19年3月2日付け提出に係る審判事件答弁書において種々述べているが、その要点をまとめると、『医療機械器具に相当する「波動空気圧治療器」に本件商標「ビバトン」が付して販売した商品に対し、アフターサービスとして補修を行った事実から、本件商標の「使用」に該当する』との主張である。
しかしながら、上記主張は次述の理由から失当といわざるを得ず、本件商標は取消を免れ得ないものである。
(2)具体的な理由
「不使用取消審判」(商標法第50条)において、商標登録の取消を免れるケースというのは、「不使用につき正当理由が有る場合」と「過去3年間のうち、指定商品につき登録商標を使用した事実が有る場合」に限られる。
この点、被請求人は『医療機械器具に相当する「波動空気圧治療器」に本件商標「ビバトン」が付して販売した商品に対し、アフターサービスとして補修を行った事実から、本件商標の「使用」に該当する』と主張している。 しかしながら、当該「補修」は本件指定商品「第10類 医療機械器具、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く)」とは非類似の役務に過ぎず、指定商品につき本件商標を使用しているとの被請求人の主張には無理がある。
また、被請求人は当該「補修」に際して、姉妹品であって多くの部品が共通する「エアトン」なる「波動空気圧治療器」の部品を用いて修理を行わざるを得なかったことから、当該「エアトン」は「ビバトン」がモデルチェンジした後継機種であり、「ビバトン」自体は被請求人の製品ラインナップから外れていることを自認するものに他ならない。
さらに、被請求人は本件商標「ビバトン」が付された「波動空気圧治療器」(指定商品「医療機械器具」に相当)の具体的な製造販売時期につき立証責任を果たすべきところ、先の答弁書においては何ら明らかにしていない。
この点に関して被請求人は、取消2004−30827審判事件(商標登録第2707314号)において、本件商標と同一の「ビバトン」の使用事実を立証すべく「乙第4号証の1乃至5」として「納品書(控)」を提出している。
ところが、本件審判事件において被請求人は上記審判事件の如き立証を放棄しているということは、過去3年間における販売実績が存在しないことを自認するものに他ならない。
尚、上記取消2004−30827審判事件(商標登録第2707314号)において、被請求人が提出した「乙第4号証の4」を、今回甲第3号証として改めて提出する。
(3)結語
以上の理由により、本件商標は、その指定商品中、第10類の「医療機械器具、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く)」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者・専用使用権者・通常使用権者の何れによっても使用されていないため、それらの指定商品について取消を免れないものである。
よって、商標法第50条第1項の規定により、登録商標第1995096号の指定商品中「医療機械器具、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く)」についての登録を取り消すことの審決を求める。
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第4号証(枝番を含む)を提出した。
(答弁の理由)
請求人は、被請求人所有の本件商標の指定商品中、「10類 医療機械器具、これらの部品および付属品(他の類に属するものを除く)についての登録を取り消す。との審決を求める。」旨の審判を請求しているが、それについて答弁する。
被請求人(権利者)所有の本件商標「ビバトン」は、現在、使用中の商標である。
本件被請求人の株式会社ベステック(旧住所東京都板橋区大山東町32番17号より平成18年3月30日 埼玉県和光市本町12番12号に移転)は、株式会社白寿生科学研究所(現住所 東京都渋谷区富ケ谷1丁目37番5号)において、エアー機器事業部が発足し(昭和56年7月)、エアーマッサージ器「ビバトン」、「VIVATON」を発売し、この株式会社白寿生科学研究所 エアー機器事業部が、株式会社ベステックとして独立した会社である。
このように株式会社ベステックは、株式会社白寿生科学研究所の事業の一部を継承し、それに伴い、本件商標の以前の権利者である株式会社白寿生科学研究所は、その傘下の企業となった株式会社ベステックに、本件商標の使用を許諾し、その製造、販売などを委託していたのであるが、平成17年8月3日付で本件商標は、株式会社ベステックが承継したものである(甲第2号証参照)。
(1)株式会社ベステックの本件商標の使用の事実について
乙第1号証は、株式会社ベステックの医療用具製造承認書[承認番号(03B)第0800号]であり、平成3年7月26日付で当時の厚生大臣より交付された書類である。それは平成2年11月15日付の医療用具製造品目追加許可申請書に対するものであり、ここに「ビバトン」の名称が記載されている。
乙第2号証は、仕様変更に当たり、株式会社ベステックが平成13年5月8日付で、埼玉県知事に提出した医療用具製造品目変更許可申請書と、同13年6月4日付の許可書であり、ビバトンの名称がその書類中に記載されている。
この種の医療用具の製造、仕様変更にはこのように公的な許可を必要としているものである。
つぎに、本件商標「ビバトン」の株式会社ベステックの商品カタログを示す(乙第3号証の1)。
これは株式会社ベステックが製造元として製造したマッサージ器である波動空気圧治療器・ビバトンのカタログであり、指定商品とする医療機械器具に属する商品である。
乙第3号証の1は、その第1面上段、第2面、第4面上段に本件商標と同じ字体の片仮名表記で「ビバトン」と表示されている。
そして第4面において、前記の医療用具製造承認書の承認番号(03B)第0800号が記載されている。
乙第3号証の2は、株式会社ベステックの代理店である株式会社サンオート(東京都豊島区池袋2‐16‐2)のカタログであり、その第1面上段に「VIVATON」(「ビバトン」と呼称同一であり、ビハトンと併記され)の表示とともに、商品である波動空気圧治療器・ビバトンの名称として使用してある。第2面(第1面の裏面)にも同様に「ビバトン」の表示が使用されている。
そして第2面において、前記の医療用具製造承認書の承認番号(03B)第0800号が記載されている。
乙第3号証の1、乙第3号証の2のカタログは、職業モデルによる本格的なカタログであって、当該商品の販売に当たって、当初、一定部数、大量に印刷し、長期間にわたって使用されるものであり、商品の持続的な販売に備えるものとなっている。
このように医療用具として承認を受けた波動空気圧治療器「ビバトン」は、その後、継続的に数多く販売されて今日に及んでいるのであるが、このような医療用器具は、需要家において使用を重ねることにより補修を必要とする。したがってその補修用の部品を常に用意しておかなければならない。そしてその補修が依頼されて来たときには速やかに対応しなければならない。
(2)販売された「ビバトン」の補修の実際について
乙第4号証の1は、社内に保管する購入使用者の「お客様・問い合わせメモ」用紙であり、これによれば2005年(平成17年)10月19日付で顧客である千葉県 田原整骨院からの修理依頼があったことを示している。すなわちそこには「ビバトン」が使用されていることが記されており、株式会社ベステック営業部長(入江)、担当者(波戸崎)印が捺されている。
因みに「エアトン」は「ビバトン」の姉妹機種であり、部品は相互に互換性があり、それによって対応したものである。
この田原整骨院は、医療機関として多数の患者の治療を行っている。
乙第4号証の2は、同じく購入使用者の「お客様・問い合わせメモ」用紙であり、これによれば2006年(平成18年)6月29日付で前出の株式会社白寿生科学研究所医療機器課を通じて、顧客である菊池整骨院からの修理依頼があったことを示している。すなわちそこには「ビバトン」が使用されていることが記されており、株式会社ベステック営業部長(入江)、担当者(大山)印が捺されている。なおこの際には「エアトン」の部品が対応できなかったことを示している。
乙第4号証の3は、購入使用者の「お客様・問い合わせメモ」用紙と、出荷指示書の二枚組みの修理伝票であり、前者に担当者(大山)印が捺されている。これによれば平成18年8月22日付で顧客である横浜市 本田伸一郎氏よりの依頼があり、そこには現在「ビバトン」が使用されていることが記されており、そして出荷指示書(平成18年8月22日付)によって同氏宛てに出荷したものであり、株式会社ベステック営業部の受注印(’06,8,22 付)、担当者(飯野)印が捺されている。
乙第4号証の4は同様の購入使用者の「お客様・問い合わせメモ」用紙と出荷指示書であり、前者に担当着(大山)印が捺されている。これによれば平成18年10月4日付で顧客である横浜市 田口整骨院よりの依頼により作業が行われたことを示している。すなわち現在『ビバトン」が使用されていることが記されており、そして出荷指示書(平成18年10月4日付)において同院宛てに出荷したものであり、株式会社ベステック営業部の受注印(18,10,04付)、担当者(飯野)印が捺されている。このように「エアトン」は「ビバトン」の姉妹機種であり、部品は相互に互換性があり、それによって対応したものである。この田口整骨院も個人需要家ではなく、医療機関として多数の患者の治療を行うところである。
乙第4号証の5は同じく購入使用者の「お客様・問い合わせメモ」用紙と出荷指示書であり、前者に担当者(大山)印が捺されている。これによれば平成18年11月25日付で顧客である横浜市 加藤すみ子氏よりの依頼により作業が行われたことを示している。すなわち現在「ビバトン」が使用されていることが記されており、さらに株式会社ベステック営業部の受注印(18,11,25付)、担当者(飯野)印が捺されている。そして出荷指示書(平成18年11月25日付)において同氏宛てに出荷したものであり、同じく株式会社ベステック営業部の受注印(18,11,25付)、担当者(飯野)印が捺されている。
乙第4号証の1〜5は、販売した商品のアフターサービスとして補修を行っている証拠であり、このような事実によりそれに先立つ「ビバトン」の販売と商標としての使用の実態を証明するものである。
ここにおいて、前掲のこれら乙第1〜5号証に示すように、本件商標「ビバトン」は、その指定商品の医療用機械器具、これらの部品および付属品について継続して使用されていることは明らかであり、その事実があることを立証するものである。
請求人は、弁駁の理由において、補修は商標の使用にあたらないと述べているが、本件商品は一般の商品と異なり、医療用具として厚生省の認可を受けた商品であり、販売後においても一定期間のアフターサービスは必然となる。この点に関し、本件商標では指定商品として「医療機械器具」の他に、「これらの部品および付属品」を指定しているのであり、「ビバトン」本体ともに、その部品などの販売は当然商標の使用に該当する。
したがって、当時現に稼働中の商品、すなわち「ビバトン・VIVATON」において、その部品を販売することは、上記の指定商品の「これらの部品および付属品」における使用に該当するものであり、当然、本件商標の商標の使用に外ならない。たとえそれが互換性のある他の商品のものであったとしても、補修に伴うその部品としての、たとえば脚カフ、腕カフなどの販売は、本件商標の指定商品の「これらの部品および付属品」の販売行為として商標の使用に該当するものである(乙第4号証の1,3,4,5)。
(1)商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品について当該商標を使用していることを証明し、または使用していないことについて正当な理由があることを明確にしない限り、その登録の取消しを免れない。
(2)被請求人が提出した乙各号証をみるに、乙第1号証は、被請求人より平成2年11月15日に提出された医療用具製造品目追加許可申請書(乙第1号証に添付の書類)に対し平成3年7月26日付で厚生大臣が発行した「医療用具製造承認書」(写し)と認められるところ、これによれば、一般的名称「家庭用マッサージ器」に販売名「ビバトン」他2件について、承認番号「03B第0800号」として、該医療用具製造承認書が発行されていることが認められる。
しかしながら、この医療用具製造承認書によっては、承認されていることが認められているにすぎず、「家庭用マッサージ器」を販売した等不明であるから、本件商標を使用されているとは認められない。
(3)乙第2号証は、「医療用具製造品目変更許可書」(写し)と認められるところ、これも前記(2)と同じく、医療用具製造品目の変更を許可されていることが認められているにすぎず、本件商標を使用されているとは認められない。
(4)乙第3号証の1は、被請求人発行の商品カタログ(カラー)であり、このカタログによれば、表紙には「波動空気圧治療器・ビバトン」と上部に記載され、その下に大きく「VIVATON」と表示されている。そして、見開きの中頁には、該商品の機能、特徴、構造等が写真及び図面と共に記載されている。さらに、カタログの裏面には、該商品の効果及び標準小売価格が表示されており、その価格表示の上に小さく、「ビバトン」、「医療用承認No.03B/0800号」と記載されていて、最下段には製造元「株式会社ベステック」と印刷されているものである。
しかしながら、このカタログは、その作成(印刷)年月日又は発行年月日等がどこにも表示・記載のないものであり、どのような時期に、誰に対して、どのような方法で、どの程度の量販売又は配布されたかなど、具体的な取扱いについて何ら証拠の提出がなされてないものである。
(5)乙第3号証の2は、被請求人の代理店である株式会社サンオートの商品カタログであり、このカタログによれば、第1面右上に「ビバトン−波動空気圧治療器」及び下部に「株式会社サンオート」と記載されている。第2面下部に「ビバトン−波動空気圧治療器」「医療用承認番号03B−0800号」「標準小売価格」「株式会社サンオート」の記載及び右下に小さく「NK.98.3.1000」と記載されている。
しかしながら、このカタログは、その作成(印刷)年月日又は発行年月日等がどこにも表示・記載のないものであり、「NK.98.3.1000」についても発行年月日であるのか認め難いものである。もしも、98年3月であってとしても、このカタログが、どのような時期に、誰に対して、どのような方法で、どの程度の量販売又は配布されたかなど、具体的な取扱いについて何ら証拠の提出がなされてないものである。
(6)乙第3号証の1及び乙第3号証の2の証拠からすれば、承認番号「03B第0800号」として、発行された医療用具製造承認書に基づく商品(波動空気圧治療器)が本件商標権者である被請求人によって、本件商標と社会通念上同一と認め得る商標があるものの、本件審判請求の登録前3年以内に本件商標が使用されていたことが証明されていない。
(7)しかして、上記の証拠及びその他提出に係る乙第4号証の1ないし乙第4号証の5をみても、本件商標「ビバトン」の姉妹機種「エアトン」の使用であって、本件商標が、本件取消請求に係る指定商品について、本件審判請求の登録前3年以内に使用されていたことを証明する証拠は見当たらない。
また、被請求人が本件商標の使用をしていないことについて、正当な理由があったものとは認めることはできない。
(8)してみれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標をその指定商品中、取消請求に係る「医療用機械器具、これらの部品及び附属品(他の類に属するものを除く)」について使用していたものとは認められない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中、本件取消請求に係る上記商品の登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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