Trademark Appeal Case
著名商標とファンクラブの混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900048(T2007−900048/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4998423号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成16年10月29日に登録出願され、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年10月27日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下に示すとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3249419号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)に示すとおり、「MAJOR LEAGUE BASEBALL」の文字を横書きしてなり、平成5年6月14日に登録出願、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年1月31日に設定登録されたものであり、その後、同19年3月20日に商標権存続期間の更新登録がされているものである。
(2)登録第4570063号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)に示すとおり、その構成中に横書きの「MAJOR LEAGUE BASEBALL」の文字を有してなり、平成12年10月13日に登録出願、第9類、第16類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同14年5月24日に設定登録されたものである。
(なお、上記の引用商標1及び引用商標2をまとめて、以下「引用商標」という。)
第3 登録異議の申立ての理由の要旨
申立人は、「本件商標は、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。」と主張し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第21号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標と類似するものであり、その指定商品中「第16類 印刷物,写真立て」は上記引用商標の指定商品中第16類の商品と類似する。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号について
申立人であるメージャーリーグベースボールプロパティーズインコーポレーテッドは、米国メジャーリーグベースボールの商標権その他知的財産権を管理する団体である。米国メジャーリーグベースボールは、日本を含む世界各国において「本場のプロ野球リーグ」として著名であり、甲第17号証からも明らかなように「MAJOR LEAGUE」といえば「メジャーリーグ ベースボール」を指し示すものとして一般的に認識されている。
「MAJOR LEAGUE」は、商品「雑誌、新聞等の印刷物、写真、写真立て」に関しては、「メジャ−リーグ ベースボール」を示す商標として需要者・取引者の間で周知である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当し、登録を取り消すべきである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
上記のとおり「MAJOR LEAGUE」は、米国の「メジャーリーグ ベースボール」を示す商標として需要者・取引者の間で著名なものとなっており、上記文字を含む本件商標をその指定商品に使用すると、需要者・取引者が、本件商標を使用した商品が「メジャーリーグ ベースボール」に関連する商品であるとして出所を誤認する蓋然性が高い。
しかも、本件商標は、その構成要素として野球のボールの図形を含んでおり、野球に関連するものであることが容易に看取されるから、本件商標中「MAJOR LEAGUE」の文字は「メジャーリーグ ベースボール」を意味する。
さらに、本件商標中「MAJOR LEAGUE FAN CLUB」は、「(米国)メジャーリーグベースボールのファンクラブ」のごとき観念を想起せしめ、あたかもメジャーリーグが公認したファンクラブであるような誤認混同を生ぜしめる。
そうとすれば、本件商標がその指定商品に使用される場合には、上記商品が申立人あるいは同人と何らかの関係があるものと誤認されるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し、登録を取り消すべきである。
第4 本件商標に対する取消理由
当審において、商標権者に対して、平成19年6月12日付けで取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたところ、該取消理由の要旨は以下のとおりである。
(1)本件商標は、別掲(1)に示すとおり、その構成中に「MAJOR LEAGUE」「FAN」「CLUB」の文字を有してなるところ、その構成中「FAN CLUB」の文字は、「特定の俳優・歌手・運動選手などの後援会」を意味する語であって、全体として「大リーグ(球団)の後援会」の意を認識させるものである。
(2)引用商標の周知著名性について
申立人の提出に係る甲各号証を検討してみるに、甲第10号証によれば、引用商標は、「MAJOR LEAGUE BASEBALL」の文字を有してなるところ、日本に輸入されるメジャーリーグに所属する球団(選手)の帽子、ユニフォームに、公式に許可された業者を通じて輸入されたものであることを証明するタグ等に使用されている。そして、オフィシャルショップを通じてメジャーリーグ関連商品が販売されていることが認められる。
甲第20号証によれば、MLB(「MAJOR LEAGUE BASEBALL」)の日本語公式ライセンシーサイト(http://mlb.yahoo.co.jp/)のショッピングサイト(http://mlb.yahoo.co.jp/shopping/)でメジャーリーグ関連商品が販売されていることが認められる。
甲第2号証によれば、我が国においても、メジャーリーグの野球の試合はテレビを通じて数多く放映され、その結果などは、新聞、雑誌などに掲載されている。
甲第21号証によれば、「MAJOR LEAGUE BASEBALL」の語は、大リーグないしメジャーリーグの語と同義であると認められる。
そうとすれば、引用商標は、申立人及び関連会社(使用権者など)の取扱に係る商品「ユニフォーム、帽子、Tシャツ、商品カタログ、オフィシャルマガジン」等について使用され、本件商標の登録出願前より、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていることが認められる。
また、本件商標の指定商品中「印刷物」は、ユニフォーム、Tシャツ、ソックスなどを取り扱う商品カタログとは関連を有し、さらに、使用許諾によりメジャーリーグに関するオフィシャルマガジンも取引されている。
そして、本件商標は、その構成中に引用商標と同一の綴り文字「MAJOR LEAGUE」の文字を有すること及び本件商標には、「メジャーリーグの後援会」との意味合いがあることを併せ考慮すると、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その構成中の「MAJOR LEAGUE」の文字に強く印象づけられ、著名な引用商標を連想し、または想起し、本件商標を引用商標の兄弟ブランド等であると誤認し、該商品が申立人又はこれと経済的、組織的に何らかの関係を有する者の取扱に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとみるのが相当である。
(3)以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものと認められる。
第5 商標権者の意見
商標権者は、上記第4の取消理由通知に対して、指定した期間内に意見を述べていない。
第6 当審の判断
本件商標は、上記第4で述べたとおり先の取消理由は妥当なものと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反して登録されたものといわざるを得ないから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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