Trademark Appeal Case
図形商標の視覚的類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900172(T2007−900172/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5016558号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成18年6月2日に登録出願、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年10月20日に登録査定、同19年1月12日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標についての取消理由に引用する登録第4989959号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成18年1月20日に登録出願、第3類、第9類、第14類、第18類、第25類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年9月22日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標とは、どちらも翼を広げたワシを図案化した商標であり、いずれのワシも首を前に突き出し、2本の脚を伸ばしている。両者の左右を逆にすると、そのシルエットは見分けが付かないほど近似しているものであって、両商標は、その全体の基本的構成において軌を一にしているものである。特に、商標が被服に使用される場合には、単色で小さく刺繍されるような態様が多く、商標の細かな違いは目立ちにくく、全体構成の共通性が需要者に注目されるものである。加えて、引用商標は、申立人がハウスマーク的に使用し、日本においても、申立人の業務に係る商品を表示する商標として広く取引者・需要者間において知られているものである。
そして、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一・類似の関係にある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(3)商標法第4条第1項第10号について
引用商標は、若者をターゲットにしたジーンズ、カーゴパンツ、デザインTシャツ、アクセサリー、コート類、履物類等の商標として使用されており、2005年度で米国に798店舗、カナダを合わせると869店舗を有しており、総売上は約23億ドル(約2760億円)となっている。我が国でも、申立人の商品は申立人のサイトあるいは楽天等のインターネットショップから簡単に購入することができ、2005年度の売上げは80万ドル(約9600万円)を超えている。そして、申立人は、宣伝・広告にも力を入れており、引用商標は、申立人の業務に係るアパレル関連商品の商標として米国ばかりでなく我が国においても広く知られているものである(甲第4号証の1ないし甲第11号証)。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものである。
(4)よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第10号に違反して登録されたものであるから、その登録は、取り消されるべきものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)に示したとおり、太さが一律でない手書き風の筆致で描かれている略円形状図形の中に、形状が鮮明でないため、いかなる物の図形を描いてなるものか直ちには理解しがたいものであるが、あえて推察するならば、頭部を右下方に向け、羽を大きく広げ、飛翔しているのか、あるいは今にも着地しようとしているか不明というべきタカ目の鳥を、斜め横向きにしてシルエット状に黒塗りで表したものと認められる。
他方、引用商標は、別掲(2)に示したとおり、翼を上方へ挙げ、脚を下方へ伸ばして、飛翔を終え今にも着地しようとしているかの如き態様のタカ目の鳥を、左横向きにしてシルエット状に黒塗りで表したものと認められる。
そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、上記したとおり、本件商標は、略円形状図形とタカ目の鳥と思しき図形とが不可分一体的に構成されているのに対して、引用商標はタカ目の鳥の図形のみからなるものである。そして、そのタカ目の鳥の図形にしても、本件商標のタカ目の鳥は、飛んでいるのか、あるいは今にも着地しようとしているか不明であり、かつ、頭部、足部、羽などが鮮明でない態様をもって表されているのに対して、引用商標のタカ目の鳥は、飛翔を終え今にも着地しようとし、かつ、頭部、足部、羽などが鮮明な態様をもって表されているものである。
そうとすれば、両商標の図形は、ともにタカ目の鳥の図形を表したものであるとしても、その構成態様において十分区別し得る差異を有しており、この差異は、比較的簡潔な構成からなるこれら図形の外観に与える影響は大きく、図形全体から受ける視覚的印象も全く異にするものであるから、これらを時と処を異にして離隔的に観察するも、外観において相紛れるおそれはないものといわなければならない。
また、少なくとも、本件商標から特定の称呼、観念を生ずるものとは認められないから、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念の点については比較すべくもないものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標である。
(2)商標法第4条第1項第10号について
上記のとおり、本件商標と引用商標とは十分に区別し得る全く別異の商標というべきものである。
してみれば、その余の要件について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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