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Trademark Appeal Case

著名商標の結合による混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900248(T2007−900248/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5028168号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5028168号商標(以下「本件商標」という。)は、「CHEVRON & STAR」の欧文字を標準文字で表してなり、平成18年7月28日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同19年2月23日に設定登録されたものである。

2 本件登録異議の申立ての理由

本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第42号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)申立人が、商標法第4条第1項第15号又は同項第19号に引用する商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。

(ア) 「CHEVRON」の欧文字からなり、出願日、指定商品及び設定登録日は、商標登録原簿に記載のとおりとする登録第528012号商標、登録第626935号商標、登録第2401776号商標及び登録第4080483号商標(何れも「CHEVRON」の欧文字からなる商標である。以下、これらを一括して「引用商標1」という。)

(イ) 別掲1のとおりの構成からなり、出願日、指定商品及び設定登録日は、商標登録原簿に記載のとおりとする登録第961280号商標、登録第961279号商標、登録第961281号商標、登録第1208507号商標、登録第1221572号商標、登録第3338440号商標及び登録第4016177号商標(何れもその構成中に別掲1のとおりの構成を含むものである。以下、これらを一括して「引用商標2」という。)

(ウ) 別掲2のとおりの構成からなり、出願日、指定商品及び設定登録日は、商標登録原簿に記載のとおりとする登録第3307366号商標、登録第2270867号商標(何れもその構成中に別掲2のとおりの構成を含むものである。以下、これらを一括して「引用商標3」という。)

(エ) 別掲3のとおりの構成からなり、出願日、指定商品及び指定役務並びに設定登録日は、商標登録原簿に記載のとおりとする登録第1687367号商標、登録第2064654号商標、登録第4021527号商標、登録第4057695号商標及び登録第4133101号商標(何れも別掲3の構成からなるものである。以下、これらを一括して「引用商標4」という。)

(オ) 別掲4のとおりの構成からなり、出願日、指定商品及び指定役務並びに設定登録日は、商標登録原簿に記載のとおりとする登録第3348150号商標、登録第4007172号商標、登録第4091168号商標、登録第4115338号商標、登録第4141160号商標、登録第4278837号商標、登録第4363953号商標及び登録第4363954号商標(何れも別掲4のとおりの構成を含むものである。以下、これらを一括して「引用商標5」という。)

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、石油、天然ガスを始めとするエネルギー関連製品を扱ういわゆる国際石油資本(石油メジャー)の一つとされる米国系多国籍企業であり、世界約180か国以上の系列会社においてビジネス活動を展開している。

申立人は、引用商標1及び引用商標2を使用して、石油関連製品等の製造・販売、エネルギー開発等の事業を世界的に展開しており、引用商標1及び引用商標2は、本件商標の出願前、既に申立人の使用に係る商品・役務を表示するものとして、世界的にも我が国においても著名となっていた。

また、申立人は、ザ テキサスカンパニー(後のテキサコ )との合弁によりカリフォルニア テキサス オイル カンパニー(後のカルテツクス)を設立するなどした後、現名称「シェブロン コーポレーション 」となったが、その傘下に収めたテキサコ、カルテックスをブランドとして活用しており、これらのブランドの表示として、星形の図形の標章を盛大に使用し、本件商標の出願時、引用商標3ないし引用商標5がいずれも申立人のブランドとして用いられていること、これらのブランドが星形の図形からなるものであることは、石油・エネルギー業界のみならず一般需要者にも広く周知されていた。

そして、引用商標1及び引用商標2は、申立人を表す標章として、世界的にも我が国においても、石油・エネルギー業界以外の一般需要者にも、申立人の石油関連製品の販売・広告宣伝活動における使用や、多数の報道等を通じて広く周知されており、星形の図形を含む引用商標3ないし引用商標5についても、同様の理由、更には、ライセンシーを通じた使用により広く周知されていたというべきである。また、引用商標1及び引用商標2は、申立人の会社名を使用し、その営業標識として用いられているハウスマークであるところ、引用商標1及び引用商標2については、必ずしも石油関連製品の範疇に入らない指定商品についての商標登録もされている。加えて、引用商標3ないし引用商標5については、現にライセンスを受けて、石油関連製品のみならず、被服、オートバイ用品、時計、雑貨、玩具、帽子、ワッペン等を販売している事業者がいることからすると、申立人が、引用商標1ないし引用商標5を用いて今後更に多角経営を展開することは、十分に予想される。さらに、米国の石油会社の商標等が、アメリカのライフスタイルを表すものとして被服等に用いられることは、多く見られるところであって、本件商標の指定商品と、上記引用商標4及び引用商標5が使用されているつなぎ、ジャケット、Tシャツ等の被服や、ヘルメット、グローブ、レインウェア等のオートバイ用品、引用商標3が使用されている帽子、ワッペン等の商品とは、ファッションという点においては、密接な関連性を有する。

そして、本件商標は、申立人の著名な商標である「CHEVRON」をそのまま含むものであり、「STAR」の部分は、「星形」の観念を生じさせる点において、引用商標3ないし引用商標5と共通するものである。

したがって、本件商標がその指定商品に使用された場合、それが「CHEVRON」と「STAR」の英単語を組み合わせたものであるために、星形の図形を含む引用商標3ないし引用商標5を保有する申立人ないしそのグループ企業と本件商標の出願人とが経済的又は組織的に何らかの関係があると誤認し、本件商標の指定商品の需要者が商品の出所について混同するおそれがあることは、明らかである。

(3)商標法第4条第1項第19号について

本件商標は、「CHEVRON」及び「STAR」の各英単語が需要者の注意を引きやすい要部であると認められ、本件商標を全体として観察した場合でも、少なくともこれらの商標とは、類似のものであるところ、本件商標の出願人は、石油等エネルギー関連製品も含む各種商品の国内、海外及び輸出入の取引等の事業を営む我が国最大手の総合商社であり、当然、世界有数の石油メジャーである申立人が行う石油関連製品やその他の商品に係る引用商標1ないし引用商標5の使用、ライセンス等の業務の状況についても知っていたことは、明らかであるから、本件商標を出願したことは、上記のような引用商標1ないし引用商標5の著名性を何らかの形で利用しようという意図があったといわざるを得ず、出願人には、「不正の目的」があったといわざるを得ない。

(4)結び

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号又は同第19号に該当し、本件商標の登録は、取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)本件商標と引用各商標

本件商標は、「CHEVRON & STAR」の欧文字を標準文字で表してなるところ、これから生ずる「シェブロンアンドスター」の称呼もよどみなく、一気、一連に称呼し得るものであり、「CHEVRON」の文字が、「(下士官、警官などが階級、功労、戦傷などを示すために付ける)山形の袖章」の意味を有する成語であり、「STAR」の文字は、「星」の意味を有するから、「山形の袖章と星」の観念を生ずるものというを相当とする。

一方、引用商標1及び引用商標2は、その構成に照らして、「シェブロン」の称呼を生じ、「山形の袖章」の観念を生ずるものである。

してみれば、本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、外観、称呼、観念の何れの点からみても相紛れるおそれのない別異の商標ということができる。

他方、引用商標3ないし引用商標5の図形部分からは、何れの称呼及び観念をも生じないものと認められる。

してみれば、本件商標と引用商標3ないし引用商標5とは、外観上相紛れるおそれのない程度に相違し、称呼及び観念において比較すべくもない。

そうとすれば、本件商標と引用商標1ないし引用商標5とは、その外観、称呼及び観念のいずれからみても、何ら相紛れるおそれは、見当たらない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人は、引用商標1ないし引用商標5が申立人の使用により、申立人の業務に係る商品又は役務を示すものであると広く知られるに至っているものであるから、本件商標は、申立人の著名な商標である「CHEVRON」をそのまま含むものであり、「STAR」の部分は、「星形」の観念を生じさせる点において、引用商標3ないし引用商標5と共通するものであると述べているが、本件商標と引用商標1ないし引用商標5とは、前記(1)のとおり何ら相紛れるところのない別異の商標であるばかりでなく、「CHEVRON」の語は、「(下士官、警官などが階級、功労、戦傷などを示すために付ける)山形の袖章」の意味を有する成語であること、申立人の提出に係る甲各号証によっては、石油関連製品等を扱う申立人の使用する「CHEVRON」の著名性が、本件商標の指定商品、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」にまで及んでいると認めるには証左が足りない。

また、引用商標3ないし引用商標5は、星形図形よりなるものであるところ、星形図形は、極めて一般的な構成であり、これが直ちに本件商標の「STAR」の部分を直感させるものということはできず、混同を生じさせるおそれはないものというべきである。

してみれば、本件商標をその指定商品について使用しても、申立人又は申立人と何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれはないから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

(3)商標法第4条第1項第19号について

前記のとおり、本件商標は、引用各商標とは、別異の商標であって、同一又は類似するものということができない。

してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものでもない。

(4)結び

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号のいずれにも該当するものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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