Trademark Appeal Case
周知商標の要部と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900250(T2007−900250/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5028423号商標(以下「本件商標」という。)は、「シースリーサマーバス」の文字と「C3 サマーバス」の文字とを上下二段に横書きしてなり、平成18年7月27日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同19年2月23日に設定登録されたものである。
2 本件登録異議の申立ての理由
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第59号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、申立人の引用に係る別掲のとおりの構成よりなり、平成7年4月25日に登録出願、第5類「薬剤,歯科用材料,医療用腕環,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,失禁用おしめ,人工受精用精液,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,乳児用粉乳,乳糖,はえ取り紙,ばんそうこう,包帯,包帯液,防虫紙」を指定商品として、同9年11月14日に設定登録された登録第3359102号商標(以下「引用商標1」という。)、外登録第3359101号商標、登録第4179344号商標、登録第4190533号商標、登録第4248448号商標、登録第4792608号商標、登録第4819508号商標、登録第4857451号商標、登録第4909453号商標、登録第4945289号商標、登録第4805486号商標、登録第5041183号商標、登録第5026256号商標、登録第5026257号商標(何れもその構成中に別掲のとおりの構成を含むものである。以下、これらを一括して「引用商標2」という。)と外観上類似の商標であり、その指定商品も同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人であるロート製薬株式会社は、1899年創業以来、目薬をはじめとする医薬品を永年販売をしており、薬剤を取り扱う業界において、取引者・需要者に広く認識されている。申立人は、1995年に「ロートCキューブ」と称するシリーズのコンタクトレンズ用剤の販売を開始した。この商品のパッケージ前面には、別掲のとおり欧文字の「C」と数字の「3」からなる引用商標1が目立つ態様で表示されている(甲第16号証ないし甲第18号証)。そして、この引用商標1をはじめとする「C3」の図形商標は、3つの「C」の働き、つまり「Clear(クリア)」「Care(保護)」「Comfort(快適)」を意味する商標であって、「コンタクトレンズユーザーの快適なコンタクトレンズ生活を実現します。」という申立人の思いがこめられた商標であり、1995年の発売以来、10年を超える長期にわたり、実際に使用されている(甲第19号証ないし甲第30号証)。そのことは、例えば、引用商標1が「日本有名商標集」に掲載されていることからも明らかである(甲第59号証)。10年以上にわたる引用商標1の継続的使用と広告宣伝の結果、引用商標1は、本件商標の登録出願時には、既に本件商標の指定商品の分野の取引者・需要者において広く知られていたものである。
本件商標は、「シースリーサマーバス」の文字及び「C3 サマーバス」の文字を二段に横書きしてなるところ、その構成中下段の「C3 サマーバス」の文字は、欧文字と数字よりなる「C3」の文字と片仮名文字よりなる「サマーバス」の文字とを一文字分のスペースを設けて「C3 サマーバス」と書してなるものであるから、構成前半の「C3」と、同後半の「サマーバス」とは、常に一体のものとして見なければならない理由も見いだせないので、それぞれの部分が独立して看取されるものと認められるものである。
一方、引用商標1は、欧文字「C」と数字の「3」の組み合わせという構成ではあるが、申立人の長期的かつ継続的な使用実績及び広告宣伝努力から、周知・著名性を獲得した結果、目薬、コンタクトレンズ用剤をはじめとする薬剤において、極めて高い出所表示機能を発揮するものとなっている。
そうとすれば、本件指定商品の分野の取引者・需要者は、「シースリーサマーバス\C3 サマーバス」からなる本件商標が、本件指定商品について使用された場合には、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがあることは、明らかである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものである。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してなされたものであるから、同法第43条の2の規定により、取り消されるべきものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記のとおり「シースリーサマーバス」及び「C3 サマーバス」の片仮名文字及び数字を二段に書してなるところ、かかる構成において上段の「シースリーサマーバス」のは、下段の「C3 サマーバス」の文字部分の称呼を特定しているものとみるのが自然であるから、全体として「シースリーサマーバス」の称呼を生ずる一体不可分の商標と見るのが相当である。
これに対し、引用商標1は前記のとおり、太線で表された円輪郭の左半円部分を顕著に表し、その右上部に隣接して小さくアラビア数字「3」と思しき部分を配してなるところ、全体として独特なデザインにより構成された幾何図形と認識するのが自然であり、これより特定の称呼、観念は生じないものとみるのが相当である。
また、引用商標2もその構成中に太線で表された円輪郭の左半円部分を顕著に表し、その右上部に隣接して小さくアラビア数字「3」と思しき部分を配してなるところ、該部分よりは、特定の称呼、観念は生じないものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標と引用商標1及び引用商標2は、その外観において明らかに相違し、称呼及び観念において比較できないから、別異の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出した甲各号証及び主張によれば、申立人が、引用商標1を、コンタクト用剤や洗眼薬に長年使用している事実は認められるが、販売店用資料やテレビにおける宣伝広告において、「ロートCキューブ」又は「Cキューブ」との表示と共に引用商標1を使用している実情が認められるところ、他に引用商標が「シースリー」と称呼され、これが広く一般に知られていることを証明する書証の提出はない。
加えて、本件商標は、前記3(1)のとおり、引用商標1と相紛れるおそれがない別異の商標であるから、これをその指定商品について使用した場合に、申立人又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものということはできない。
(3)結び
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも該当しないものであるから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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