Trademark Appeal Case
称呼類似と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2005−68005(T2005−68005/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件国際登録第838266号商標(以下「本件商標」という。)は、「EMBLEMA」の欧文字よりなり、2004(平成16)年8月20日を国際登録の日とし、第33類「Alcoholic beverages(except beers).」を指定商品として2005(平成17)年8月19日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由の要点
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に該当するから、同法第43条の2の規定により、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第59号証を提出している。
(1)商標法第4条第1項第11号について
引用登録第2246345号商標(以下「引用商標1」という。)は、後掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和62年12月11日に登録出願され、第28類「酒類(薬用酒を除く)」を指定商品として平成2年7月30日に設定登録され、その後、同12年9月12日に商標権存続期間の更新登録がされているものであり、本件商標は、引用商標1と商標が類似し、また、その指定商品も同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
引用商標1の外、後掲(2)の構成よりなる商標(以下「引用商標2」という。)及び後掲(3)の構成よりなる商標(以下「引用商標3」という。)は、日本国内における周知・著名商標である。
そして、本件商標は、引用商標1ないし引用商標3(以下、一括していうときは「引用各商標」という。)と、同一又は類似する商標であり、引用各商標の使用に係る商品は、本件商標の指定商品と抵触する。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
さらに、引用各商標は著名であるから、本件商標をその指定商品に使用するときは、出所の混同を生ずる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
3 取消理由の通知
本件に関し、審判長は、商標権者に対し、平成18年11月9日付けで以下の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。
(1)本件商標は、「EMBLEMA」の欧文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して「エンブレマ」の称呼を生ずるものである。
一方、引用商標1は、後掲のとおり、やや図案化された「Emblem」の欧文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して「エンブレム」の称呼を生ずるものである。
そこで、本件商標より生ずる「エンブレマ」の称呼と引用商標1より生ずる「エンブレム」の称呼を比較すると、両称呼は、いずれも5音よりなり、そのうちの「エンブレ」の4音を共通にし、末尾における「マ」の音と「ム」の音の差異を有するものである。
そして、該「マ」の音と「ム」の音は、両唇を閉じておいて、開きながら、呼気を鼻に抜いて出す鼻子音「m」を共通にし、これに帯有する母音が「a」であるか「u」であるかの差異を有するにすぎず、これらの音は、それ自体やわらかい音として発音され、特に語尾に位置するときは、明瞭に発音され難く、聴取され難いというのが相当である。
そうすると、該差異音が両称呼に及ぼす影響は、決して大きいものとはいえず、それぞれの称呼を全体として称呼するときは、「エンブレ」の音の部分に強く印象づけられ、全体の語調、語感が近似したものとして聴取され、互いに聞き誤られるおそれがあるものといわなければならない。
してみれば、本件商標と引用商標1とはその称呼において類似する商標といわざるを得ない。
次に、観念についてみるに、本件商標「EMBLEMA」の語は、我が国において、直ちに特定の意味合いを有する語とは認識し得ないが、該語は、イタリア語辞典、スペイン語辞典によれば、「紋章、記章」の意味を有し、語尾の綴り字「A」を異にする英語の「EMBLEM」と同一の意味を有する語であることが認められる。
してみると、本件商標と引用商標1とはその観念を共通にする語であるとまではいうことができないが、何らかの共通性のある語と理解、認識させるものとみるのが相当である。
また、外観についてみるに、本件商標は大文字よりなる欧文字でローマン体風に書してなり、引用商標1は大文字と小文字よりなる欧文字で筆記体風に書してなるものであるが、両商標は、ほぼ同一の綴りの欧文字よりなるものであるから、外観において顕著な差異を有するということはできない。
加えて、申立人の提出した甲第23号証ないし甲第59号証によれば、引用商標1が、本件商標の指定商品に包含されている「ウイスキー」に使用されて、需要者の間に広く知られている事実を認めることができるものである。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標と引用商標1とは、称呼において類似し、観念において共通性のある語と認識され、また、引用商標1が「ウイスキー」に使用されて需要者の間に広く知られている事実等を考慮すれば、両商標は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標とみるのが相当であり、かつ、その指定商品も同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消すべきものである。
4 商標権者の意見
商標権者は、上記3の取消理由通知に対して、指定された期間内に、何ら意見を述べるところがない。
5 当審の判断
上記3の取消理由は、妥当なものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、この取消理由によって、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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