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Trademark Appeal Case

結合商標の造語性と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−11520(T2006−11520/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ユビキタスプリンティング」の片仮名文字を標準文字で表してなり、第9類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成17年9月22日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、以下の理由により本願商標を拒絶したものである。

(1)本願商標は、「いつでもどこでもアクセス可能なネットワーク環境」を指す語として昨今広く親しまれている「ユビキタス」の文字と、「印刷」「印刷工程」等の意を有する英語「printing」に通ずる「プリンティング」の文字とを結合した「ユビキタスプリンティング」を標準文字で書してなるところ、必要な情報・データ等を即座に印刷(プリント)することができるように設計されたネットワーク環境において使用する商品又はその試験、研究若しくは設計に係る役務について、本願商標を使用するときには、これに接する需要者・取引者は、本願商標を「様々な状況下でアクセスして、操作、指令が可能な印刷」の如き意味合いをもって認識するにとどまり、何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記文字に相応する商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)本願商標は、以下に掲げる態様の各商標(以下まとめて「引用商標」という。)と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品(指定役務)と同一又は類似の商品(役務)について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(ア)「Ubiquitaous Computer」の欧文字と「ユビキタスコンピューター」の片仮名文字を二段に書してなる登録第3188060号商標

(イ)「ユビキタス」の片仮名文字を標準文字で表してなる登録第4419815号商標

(ウ)「UBIQUITOUS」の欧文字を標準文字で表してなる登録第4419816号商標

(エ)「ユビキタス」の片仮名文字と「Ubiquitaous」の欧文字を二段に書してなる登録第4534976号商標

(オ)「ユビキタスプロダクツ」の片仮名文字を標準文字で表してなる登録第4729668号商標

(カ)「ユビキタス」の片仮名文字を標準文字で表してなる登録第4741289号商標

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号該当性について

本願商標は、前記したとおり、「ユビキタスプリンティング」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、構成中の「ユビキタス」の文字が「いつでもどこでもアクセス可能なネットワーク環境」を意味する語として本願指定商品及び指定役務を取り扱う業界において使用され、「プリンティング」の文字が「印刷すること」等を意味する語であるとしても、これらを結合してなる「ユビキタスプリンティング」の文字が直ちに特定の意味合いを理解させるものとは認め難く、全体として一種の造語というのが相当である。

また、当審において職権をもって調査するも、該文字が本願指定商品の品質又は指定役務の質を表示するものとして、上記業界において、一般に用いられているものともいえず、他に本願商標が自他商品及び役務の識別力を有しないとすべき理由は見出し得ない。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務のいずれについて使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標であるとはいえず、自他商品又は役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるものではない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第11号該当性について

本願商標は、前記したとおり、「ユビキタス」及び「プリンティング」の文字を連結して標準文字で書してなるところ、外観上、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔でまとまりよく一体的に看取されるものであり、また、「ユビキタス」及び「プリンティング」を認識することがあるとしても、両語は、意味合い的に軽重の差はなく、全体より生ずる「ユビキタスプリンティング」の称呼もよどみなく一連に称呼できるものであるから、本願商標は、その構成全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるとみるのが自然である。

そうすると、本願商標は、その構成文字全体に相応して、「ユビキタスプリンティング」の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当であり、かつ特定の観念を生じないものである。

一方、引用商標は、それぞれ前記したとおりの構成態様であるから、本願商標とは、上記構成に照らし、外観上判然と区別し得る明らかな差異を有するものであり、また、本願商標より生ずる「ユビキタスプリンティング」の称呼と引用商標より生ずると認められる「ユビキタスコンピューター」、「ユビキタス」「ユビキタスプロダクツ」の各称呼とは、いずれも相紛れるものではなく、さらに、観念についてみると、本願商標は、前記したとおり特段の観念を生ずるものではないから、比較すべくもない。

してみれば、本願商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(3)以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第6号、同法第4条第1項第16号及び同項第11号に該当するものであるとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものでなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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