結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2007−300634(T2007−300634/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3073787号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成4年9月11日に登録出願、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」を指定役務として、平成7年9月29日に設定登録され、その後、同17年7月19日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
また、本件審判の請求の登録は、平成19年6月1日になされている。
被請求人が、「商標権者が、『アパートの貸与』に使用している。」と主張している商標(以下「使用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなるものである。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べている。
(1)請求の理由
本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者又はその使用権者のいずれによっても使用されていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取消されるべきである。
(2)弁駁の理由
本件商標は、図形部分と文字部分とからなるところ、図形部分は、盾形状と当該盾形状の下部に位置するリボン形状よりなっている。
しかして、当該盾形状の中心部位にはホルンなどの管楽器が表示され、当該管楽器の周囲には、蔦などの植物が表示されている。
また、本件商標のリボン形状内には、「DOLCE」の欧文字が記載されている。
他方、使用商標は、特に乙第4号証から明らかなように、管楽器の周囲に表示されるはずの蔦などの植物が表示されていない。
このため、本件商標と使用商標とは、類似である可能性はあるものの、社会通念上同一でないことは明らかである。
してみれば、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められない商標である。
したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者又はその使用権者のいずれによっても使用されていないから、本件審判の請求は、認められるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。
(1)被請求人は、本件商標の指定役務中「建物の貸与」に属する役務「アパートの貸与」に使用している。
(2)被請求人は、本人が「岐阜県各務原市」に所有するアパート「ドルチェ各務原」の外壁に本件商標を取り付けて使用している(乙第1号証ないし乙第5号証)。
この点について詳述すると、乙第2号証の第2頁では、賃貸物件が写真と共に紹介されているところ、同ページ頁の左側二段目表示されている写真建物の外壁に、本件商標が取り付けられている。
当該写真は、本件商標が取り付けられている状態が小さくて不鮮明であるため、乙第3号証及び乙第4号証を提出して、実際に取り付けられている状態を明確にする。
本件商標が、「建物の貸与」に使用されていることは、乙第2号証及び乙第5号証から明らかであり、その使用の時期も乙第1号証、乙第2号証及び乙第5号証から明らかである。
なお、乙第1号証の証明者である「株式会社ニッショー」は、東海地方を地盤として集合住宅の賃貸の仲介などの業務を幅広く行っている会社である(乙第6号証及び乙第7号証)。
したがって、乙第1号証の証拠としての価値は高いものである。
(3)以上の証拠から、本件商標は、「建物の貸与」に使用されていることは明らかである。
請求人は、乙第4号証に示されている標章は、管楽器の周囲に表示される蔦などの植物が表示されていないため、本件商標と同一のものではないと指摘している。
しかしながら、乙第4号証に表示されている標章には、管楽器の周囲に、管楽器等とは異なった緑色で植物が表示されているものである。
乙第3号証及び乙第4号証の写真に示された標章は、アパートの外壁に長年取り付けられているものを被請求人が撮影したため、所々色がはげているにすぎないものである。
被請求人は、念のため、乙第4号証と同じような拡大写真を乙第8号証として、再度提出する。
なお、このように植物が表示されているからこそ、アパートの契約の際の仲介人であり、乙第1号証の証明者である「株式会社ニッショー」が、本件商標が表示された証明書に捺印して証明しているのである。
(1)乙第1号証は、「証明願」であるところ、「商標権者が、平成17年7月15日から同19年7月12日に至るまで、本件商標を、『建物の貸与』について使用している」旨を、商標権者の所有するアパートの賃貸契約を仲介している「株式会社ニッショー」が証明している。
(2)乙第2号証は、2006年11月15日発行の賃貸住宅情報誌「アパートニュース」の表紙の写し及び同情報誌の46頁の写しと認められるところ、同46頁の左側の上から二段目の欄には、「家賃 5.5万」、「築H5年・鉄骨造2階建」、「●所在地/各務原市鵜沼朝日町2丁目」の記載がある。
(3)乙第3号証は、「ドルチェ各務原」のA棟ないしM棟等が表示がされている建物配置図である。
(4)乙第4号証は、「ドルチェ各務原」のA棟ないしM棟の写真であるところ、A棟ないしM棟の全ての入り口の外壁に使用商標と認められる商標が表示されてる。
(5)乙第5号証は、「賃貸契約書」の写しであるところ、「KNo.6805529」についてみるに、第1頁の「賃貸人」の欄には商標権者の名称が表示され、「物件所在地」の欄には「各務原市鵜沼朝日町2丁目11−3」の表示があり、「物件名称」の欄には「ドルチェ各務原A.B.C.D棟」の表示があり、「号室」の欄には「A−1」の表示があり、家賃(月額)の欄には「¥55,000」の表示があり、「賃貸借期間」の欄には「平成17年9月26日より平成18年9月25日まで1ヶ年間とする」の表示がある。
また、当該賃貸契約書の第4頁右上には、「ドルチェ各務原」のA棟1号室についての賃貸契約の「契約締結日」と認められる「平成17年9月21日」の表示がある。
さらに、平成17年9月21日に、賃貸人である商標権者と賃借人との間で、アパート「ドルチェ各務原」のA棟1号室についての賃貸借契約が結ばれたことが認められる。
登録商標は、商取引の実際においては、例えば、書体を変更したり、他の文字等を付記する等その表示態様について少なからぬ変更が加えられて使用されることがむしろ通常であるから、その変更により外観が必ずしも登録商標と酷似するとはいえない商標であっても、それが登録商標の表示態様において基本をなす部分を変更するものでなく、当該登録商標が有する独自の識別性に影響を与えない限度にとどまるものであるときは、その商標の使用をもって「登録商標の使用」とみるべきである。
そこで、本件商標と使用商標とを比較してみるに、両商標は、別掲(1)及び別掲(2)のとおりの構成よりなるものであり、共に、盾状の図形とリボン状の図形とを西洋の紋様風に上下二段に描いてなるものである。
そして、両商標は、共に、当該盾状の図形内の左右に植物の図形を描き、また、当該盾状の図形内の中心に大きく管楽器を描き、さらに、当該リボン状の図形内に「DOLCE」の文字を書してなるものである。
そうとすれば、両商標は、構成の軌を一にするものであるといわざるを得ない。
確かに、両商標は、詳細に見ればその表現において多少の相違があり、また、使用商標にあっては、リボン状の図形の下に、内部に「ドルチェ各務原」の文字を書した長方形の輪郭が描かれているものの、この程度の変更は、登録商標の使用に当たって通常一般に行われるところであって、本件商標が有する独自の識別性に影響を与えない限度にとどまるというべきである。
そうとすれば、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標であるといい得るものである。
この点について、請求人は、使用商標の盾状の図形内の左右に植物の図形が描かれていないことを理由として、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標ではない旨主張している。
しかしながら、使用商標の盾状の幾何図形内の左右に植物の図形が描かれていることは、乙第4号証及び乙第8号証によって認めることができるから、請求人の主張を採用することはできない。
(4)以上を総合勘案すると、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者によって、その指定役務に属する「建物の貸与」について使用されていたものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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