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Trademark Appeal Case

位置情報ポータルサイトの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2007−4719(T2007−4719/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「位置情報ポータルサイト」の文字を標準文字で表してなり、第35類、第38類、第39類、第41類及び第42類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成17年10月26日に登録出願、その後、指定役務については、原審における同18年6月13日付け手続補正書により、第35類「雑誌による広告の代理,インターネットによる広告,その他の広告,街頭及び店頭における広告物の配布,広告及び販売促進のための展示会・見本市・展覧会の企画・運営又は開催,トレーディングスタンプの発行,企業化又は新規事業に関する調査・分析・診断・企画又は指導,経営の診断又は経営に関する助言,経営に関する情報の提供,市場調査,アンケート調査に関する情報の提供,研究用教材の販売に関する情報の提供及び仲介,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,インターネットによりデータベースを利用させる事業の管理又は運営,業務提携及び企業買収の斡旋,電話・移動体電話・ファックス・インターネット・パソコン通信による商品の売買契約の取り次ぎ,販売促進又は営業促進のための企画又は実行の代理,販売促進又は営業促進のためのポイント蓄積式カード・割引付特典カードの発行・発行の仲介及び清算,販売促進又は営業促進のためのポイント蓄積式カード・割引付特典カードの加盟店・会員の募集及びその管理,販売促進又は営業促進のための懸賞・プレゼントの実施に関する情報の提供,職業のあっせん,インターネットによるオークションの運営,その他の競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,速記,筆耕,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング,コンピュータによるファイルの管理,コンピュータデータベースへの情報構築,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,タイプライター・複写機及びワードプロセッサの貸与,求人情報の提供,自動販売機の貸与」、第38類「電気通信(放送を除く。),プロバイダー電子計算機端末による通信ネットワークへの接続の提供,インターネット通信における通信ネットワークへの加入契約の取次ぎ,放送,有線テレビジョン放送のチャンネルの貸与,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」、第39類「インターネット・電子計算機端末・携帯端末による道路交通情報の提供,その他の道路交通情報の提供,鉄道輸送・車両輸送・船舶輸送・航空輸送に関する情報の提供,倉庫・駐車場の提供及びこれらに関する情報の提供,駐車場の管理及びこれに関する情報の提供,倉庫・駐車場の提供の媒介又は取次ぎ,携帯端末による旅行者の案内又はこれに関する情報の提供,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ及びこれらに関する情報の提供」、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナー・シンポジウム・会議・講演会・研修会の企画・運営又は開催,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組等の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組等の制作のために使用されるものの操作,スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),記念イベントの企画・運営又は開催,社交パーティーの企画・運営又は開催,インターネット等の通信ネットワークを利用した美術館の展示に関する情報の提供,インターネット等の通信ネットワークを利用した映画の興行の企画又は運営に関する情報の提供,インターネット等の通信ネットワークを利用した音楽の演奏の興行の企画又は運営に関する情報の提供,インターネット等の通信ネットワークを利用した演劇の興行の企画又は運営に関する情報の提供,インターネット等の通信ネットワークを利用したスポーツの興行の企画・運営又は開催に関する情報の提供,インターネット等の通信ネットワークを利用した遊園地の提供に関する情報の提供,競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,通信回線を利用したコンピュータゲームの提供,インターネットを利用した画像・映画・音楽の提供,興行場の座席の手配,録音又は録画済み光学式記録媒体の複製,映画機械器具の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,運動用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,ネガフィルムの貸与,ポジフィルムの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,書画の貸与,写真の撮影,通訳,翻訳,カメラの貸与,光学機械器具の貸与,放送番組の制作内容に関する情報の提供」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータウェブサイトのホスティング,携帯電話又は電子計算機端末による通信におけるサーバーの記憶装置の記憶領域の貸与,電気通信回線を利用した携帯電話用経路探索プログラムの提供,その他の電子計算機用プログラムの提供」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『位置情報ポータルサイト』を標準文字により表してなるものであるところ、全体として『位置情報を得るためのインターネットへの入り口(Webサイト)』程の意味合いを看取させるものと言い得るので、これを指定役務中の例えば『インターネットによる(車や人等の)位置情報を提供する役務』に使用するときは、前記意味合いを理解されるにとどまるというのが相当であるから、単に役務の提供の用に供するものを表示する標章のみからなる商標と認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、上記1のとおり、「位置情報ポータルサイト」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「位置情報」の文字部分は、「(人や物などの)位置に関する情報」といった意味合いを容易に看取させるものであり、同じく、「ポータルサイト」の文字部分は、「インターネットへの入り口として、ユーザーが接続時に最初に表示し利用するウェブサイト(→『ホームページ』)のこと。」等の意味を有する語として、一般に広く用いられているものである(別掲(1)イ及び(2)ないし(11)参照)。

そうすると、本願商標は、それぞれ上記意味を有する「位置情報」の文字及び「ポータルサイト」の文字を結合してなるものと容易に認識されるものである。

ところで、近年においては、IT技術の進歩に伴い、「携帯電話、PHSのアンテナ網やGPS(全地球測位システム)を活用し、人もしくは車などの移動するものの位置を知らせるサービス」の提供が行われており、これを指称する語として、「位置情報サービス」の語が用いられている(別掲(1)ア参照)。また、最近では、現在位置と共に、その位置周辺に関する様々な情報、例えば、飲食店等の施設に関する情報、交通に関する情報、気象に関する情報等を、携帯端末機やコンピュータを通じて入手できるポータルサイトが開設されており、そのようなポータルサイトについて、「位置情報ポータルサイト」の語が用いられている実情があり、さらに、該ポータルサイトを開設しようとする者に向けたコンピュータ・ソフトウェアが開発、販売されている実情もある(別掲(3)ないし(11)参照)。

このような取引の実情を踏まえれば、本願商標は、その構成全体から「(人や物などの)位置等に関する情報を提供するポータルサイト」ほどの意味合いを容易に看取させるものであり、これをその指定役務中、例えば、「プロバイダー電子計算機端末による通信ネットワークへの接続の提供、インターネット・電子計算機端末・携帯端末による道路交通情報の提供、その他の道路交通情報の提供、鉄道輸送・車両輸送・船舶輸送・航空輸送に関する情報の提供、倉庫・駐車場の提供に関する情報の提供、携帯端末による旅行者の案内又はこれに関する情報の提供、インターネット等の通信ネットワークを利用した美術館の展示に関する情報の提供、インターネット等の通信ネットワークを利用した映画の興行の企画又は運営に関する情報の提供、インターネット等の通信ネットワークを利用した音楽の演奏の興行の企画又は運営に関する情報の提供、インターネット等の通信ネットワークを利用した演劇の興行の企画又は運営に関する情報の提供、インターネット等の通信ネットワークを利用したスポーツの興行の企画・運営又は開催に関する情報の提供、インターネット等の通信ネットワークを利用した遊園地の提供に関する情報の提供、電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守、電気通信回線を利用した携帯電話用経路探索プログラムの提供、その他の電子計算機用プログラムの提供」について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、これが「携帯端末機やコンピュータを用いて、現在位置及びその位置周辺に関する様々な情報を入手することができるポータルサイトに係るもの」であること、すなわち、役務の質(内容)、用途等を表示してなるものと認識するにとどまるというのが相当であるから、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。

してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものといわざるを得ない。

(2)請求人は、検索エンジン(「Yahoo!Japan」)を用いた「位置情報ポータルサイト」の語の検索結果として、極めて多数のヒット数を記録し、かつ、その結果の上位に自己のサイトが位置していること、平成17年10月27日から、本願商標「位置情報ポータルサイト」を自己の提供に係るサービスの名称として使用しており、その後、提供する情報に関する機能の拡張に伴い、利用者も増大し、同種のサービスを提供する業界において主導的地位を確立していること、本願商標を付したサービスが大きく報道され、かつ、「デジタルマップフェア2006」への出展を通じて、同業者の間でも広く認識されるに至っていること、並びに2006年8月には月間ページビュー数が2200万に達しており、多くの需要者、取引者が本願商標を目にしていることから、本願商標がその指定役務について使用された結果、需要者が請求人の業務に係る役務であることを認識することができるものとなっている旨主張し、その証拠として甲第1号証ないし甲第3号証(枝番号を含む。)を提出している。

しかしながら、請求人提出の各証拠を見るに、例えば、「位置情報ポータルサイト『NAVITIME』は、行く場所から行き方まで検索できる位置情報に特化したサービスです。・・・位置情報ポータルサイト『NAVITIME』は株式会社ナビタイムジャパンの第5世代事業と位置づけ、全世界をターゲットとして展開してまいります。第1世代事業 エンジンライセンス事業、第2世代事業 公式コンテンツ事業、第3世代事業 ASP事業、第4世代事業 国内外携帯電話キャリア向け技術提供事業、第5世代事業 位置情報ポータルサイト事業」の記載(甲第2号証の1)、「株式会社ナビタイムジャパン(代表取締役社長:大西啓介、本社:千代田区)は、同社が運営する位置情報ポータルサイト『NAVITIME』(http://www.navitime.co.jp)を2月14日(火)より大幅リニューアルし、第5世代事業に向けて本格始動いたします。・・・ホテル予約機能については、ナビタイム上で検索したホテルの地図画面からホテル予約提携サイトへリンクします。・・・ナビタイムジャパンは位置情報ポータルサイトとして、地図や経路検索に利便性を高めるデータ(レストラン情報、医療情報など)の充実に力をいれ、業界最大のフリーワード検索機能付き位置情報データベースを構築していく予定です。」の記載(甲第2号証の3)、「自社サイト『NAVITIME』及びauの『EZナビウォーク』/『EZ助手席ナビ』で放置車両重点取締区域情報及び目的地周辺の駐車場検索機能を提供開始!」の記載(甲第2号証の5)、「ナビタイムジャパンは今後、地図や経路検索に必要なデータ(地図データ、国際線時刻表/発着情報、現地レストラン情報、気象情報、医療情報など)を充実させ、世界最大の位置情報ポータルサイトを目指していく予定です。」の記載(甲第2号証の6)及び「ナビタイムジャパンは、今後も位置情報ポータルサイトとしての利便性の向上と、地域社会に根差した信頼性の高いサービスを実現すべく、企業活動に鋭意取り組んでまいります。」の記載(甲第2号証の7)があることからすれば、請求人は、自己の提供に係る事業の内容を説明する語として「位置情報ポータルサイト」の文字を用いているにとどまり、自他役務の識別標識として使用しているものとは認めることができない(なお、該事業に係る自他役務の識別標識としては、「NAVITIME」の文字を用いているというのが相当である。)。

してみれば、請求人による、本願商標がその指定役務について使用された結果、需要者が請求人の業務に係る役務であることを認識することができるものとなっている旨の主張は採用し得ない。

また、請求人は、本願商標と同様の構成の商標が登録されていることに照らせば、本願商標も登録されるべきである旨主張している。

しかしながら、登録出願に係る商標が登録要件を具備するものであるかどうかの判断は、該商標の構成態様とその指定商品(指定役務)との関係に基づいて、個別具体的に判断されるべきところ、本願商標が自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないことは、上記(1)のとおりであり、また、請求人が挙げる登録例は、本願に係る指定役務と同一の指定役務を含む例もあるものの、本願商標とその商標の構成態様を異にするものであり、本願商標についての前記判断が、その登録例により左右されるべき事情も見いだし得ないことから、請求人によるこの点についての主張も採用することができない。

(3)以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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