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Trademark Appeal Case

不使用取消の証拠評価

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第18169号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3003649号商標(以下「本件商標」という。)は、別記の通り、「ISA」と「アイエスエイ」の文字を上下二段に横書きしてなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,図書及び記録の供覧,美術品の展示,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,興行場の座席の手配,映写機及びその附属品の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,スキー用具の貸与,スキンダイビング用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」を指定役務として、平成4年5月8日登録出願、同6年8月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により本件商標は、その指定役務中(請求人は「その指定商品中」とあるが、誤記と認める。)「学習塾における教授及びその類似役務」についてこれを取消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第3号証を提出した。

(1)本件商標は使用に基づく「特例出願」でもなく、また、被請求人のパンフレット抜粋(甲第1号証)に示すように、本件商標は「留学の斡旋」についての使用であって、「学習塾における教授及びその類似役務」について、過去3年にわたって日本国内では使用した事実が存在しない。

(2)被請求人は、乙第9号証によれば、「株式会社アイエスエイ」及び「日本国際交流振興会(以下「JFIE」という)」は、「学校法人東京純心女子学園」に対して、「語学(英語)の教授」を含む異文化間理解トレーニングの講座開催の申し出を平成8年9月に行った。」ことを証明しているが、本来、この種証明にあっては、講座開催の申し出側(本件で言えば、審判被請求人、または、日本国際交流振興会)の開催の申し入れ書が添付されてしかるべきであるが、添付されておらず、証明者である学校法人東京純心女子学園が何を根拠に証明できるか疑問である。

更に、前記の証明事項として、提出された、資料1ないし3は、同内容の書類を個別に受け取ったのか、一括して受け取ったのか不明であり、特に、資料1、2の出所は日本国際交流振興会と明記されているにもかかわらず、資料3の出所は明記されておらず出所不明と不自然であり、更に、各資料は、印刷形態も異なることから、一括した資料ではなく、個別の資料であり、個別の資料とすれば、出所を表示するのが一般的であるが、それらはない。

また、同資料3の「国際教育交流のプロフェッショナルとして」とタイトルされた頁の右下部には、「ISA」の標章が付されていると共に、同頁の世界地図上には「JFIE(日本国際交流振興会)」の記載があり、また、「プログラム・マトリックス」とタイトルされた頁には「語学研修」の記載があるが、同資料1の「JFIE国際教育ワークショップ」、「JFIEがお手伝いします」の文字から、明らかなように、自己のサービスを他人のサービスと区別するための「目じるし」として、言い換えれば、自他役務を識別する際に使用されている識別標識は「JFIE」であって、「ISA」ではない。

(3)東京を初め各地に17営業所をも有する被請求人「株式会社アイエスエイ」が、国内での「語学研修を含む知識の教授」に本件商標「ISA」を使用しているとすれば、審判答弁書に添付された第三者の使用証明を含む複雑な資料ではなく、「語学研修を含む知識の教授」を行っている教室等を示す明確な広告宣伝用のパンフレット等が存在するはずであるが、該パンフレット等が添付されていない。

(5)乙第17号証中の「GLOBAL NEWS(時事英語教材)」の紙面の右上部には、「ISA」の標章が付されてはいるが、「知識の教授」の役務を示唆する記載がない。

しかも、「本企画の主旨」の項に「本企画においては、非営利国際交流団体JFIEが、独自に開発した体験学習プログラムを基に・・・・」と明記され、「知識の教授」には識別標識として「JFIE」が使用されていることが明らかである。

(6)乙第26号証に添付された冊子はホームスティと海外における語学研修を目的としたパンフレットであるから、日本国内における「語学の教授」に対する本件登録商標の使用であるとは、認められない。

(7)以上、提出された証拠からは、本件商標が取消請求に係る役務の提供について、商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれによっても使用していないものであり、かつ、その使用をしていないことについて正当な理由があるものとも認められないものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第26号証を提出した。

(1)被請求人は、取消審判請求の予告登録の3年以内に日本国内において、通常使用権者が「知識の教授」に含まれる役務について本件商標を使用している。

(2)被請求人は,JFIEに平成6年10月6日に、本件商標権について、指定役務「知識の教授」に通常使用権を許諾している。

(3)株式会社アイエスエイとJFIEは、学校法人東京純心女子学園が経営する東京純心女子高等学校に対して、商標「ISA」の表記があるテキストを使用し「語学(英語)の教授」を含む異文化間理解トレーニングの講座を平成9年4月26日〜平成9年6月28日に実施した。

(4)同様に、北海道立札幌国際情報高等学校に、紙面の右上部には「ISA」の標章が付され、また下部には「企画編集:JFIE日本国際交流振興会」の記載がある時事英語教材を使用したセミナーを、平成8年3月29日〜3月30日に実施した。

4 当審の判断

当事者間に本件審判請求につき利害関係に争いはないので、本案に入って判断する。

(1)乙第2号証によれば、被請求人はJFIEとの間に取り交わされた契約書により、通常使用権を許諾したことが認められる。

(2)乙第12号証によれば、1997年4月28日、同5月10日及び同6月28日にJFIEが講師・野沢綾子氏を派遣し、計86人の東京純心女子高等学校の生徒に「語学の教授を含む異文化間交流理解のワークショップ(知識の教授)」の役務を提供した費用を、被請求人が東京純心女子高等学校に請求したことが認められる。

(3)乙第18号証ないし乙第20号証によれば、平成8年3月29日〜3月30日に実施された、「語学の教授を含む知識の教授」セミナーに関する受講料等が、平成8年4月15日に、北海道立札幌国際情報高等学校より、被請求人の銀行口座である富士銀行渋谷支店の預金口座に振込まれたことが認められる。

(4)乙第17号証に添付された、「GLOBAL NEWS」の紙面の右上部には「ISA」の標章が付され、また下部には「企画編集:JFIE日本国際交流振興会」の記載が認めらる。これらは、A4版の写真、生徒用(for students)英文テキストおよび教師用(for teachers)指導資料をセットして作成してあることからすれば、前記のセミナーに用いられたとみることができ、前記「ISA」の標章は前記セミナーについての識別標識として使用されている標章ということができる。そして、前記資料について、「JFIE国際教育ワークショップ」、「JFIEがお手伝いします」の文字があるからといって、請求人が主張するように「ISA」の文字が識別力を有しないということはいえない。

(5)請求人が主張するように、使用証明の資料が複雑であるとの理由のみでは、本件商標の使用がなされていないということはできない。

(6)請求人は「教室の存在の証明が無い」と主張しているが、依頼先の会社や学校または賃借の会議室に出張し、講習を行うことも、一般に行われていることからすれば、教室の存在の有無によって、「知識の教授」に係る役務が行われていないということはできない。

(7)以上を総合すると、本件商標は、通常使用権者であるJFIEによって、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用されていると判断するのが相当である。

したがって、本件商標の指定役務中請求に係る役務ついての登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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