sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標不使用取消の証拠認定

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2007−300079(T2007−300079/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4375121号商標の指定商品中「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4375121号商標(以下「本件商標」という。)は、「LaFillette」の文字を横書きしてなり、平成11年5月12日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」を指定商品として平成12年4月14日に設定登録されたものである。

そして、指定商品中「サンダル靴,サンダルげた」について一部放棄がなされ、商標権の登録の一部抹消が平成19年10月31日になされているものである。

2 請求人の主張の要点

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べている。

(1)請求の理由

本件商標は、その指定商品中「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」について、継続して過去3年間以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された形跡が見当たらないから、上記の指定商品についての本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

(2)弁駁の理由

(ア)乙第1号証について

まず、サンダルの表部分には、不鮮明ではあるものの、欧文字の「Mon**a」(*は、写真から、その文字が判読できない部分であることを示している。)が筆記体で横書きされているように見える。これに対して、乙第4号証の有限会社フレイヴァービーンズ(以下「フレイヴァービーンズ」という。)のカタログ中のサンダルに表示されている文字は、写真が不鮮明であるため、文字全体は把握できないが、少なくとも「Ke La」のブロック体の文字部分については鮮明に確認できる。

すなわち、乙第1号証の写真中のサンダルと乙第4号証のカタログ中のサンダルとは、その文字部分において、筆記体とブロック体という字体の違いがあり、また、乙第4号証の文字部分「Ke La」と同じ文字は乙第1号証の写真中のサンダルにはない。したがって、両者は一見して異なるものである。

また、本号証の写真のサンダルの底部には、かかと(ヒール)部分が無いように見受けられるのに対して、乙第4号証中の品番No.0059「ビーズ付き サンプル」においては、その陰影から、かかと(ヒール)部分があるように見受けられる。

すなわち、これらは同一の商品を示しているはずであるにもかかわらず、上記のような違いがあるという点で極めて不自然である。

そこで、本号証の写真のサンダルの現物の提出を求める。

また、請求人は、その提出された現物に対して証拠調べを申し立てる。

次に、本号証において添付されている写真中、商品タグに表示された「LaFillette」の文字は、商品タグに対して斜めに、かつ、該タグ上の対角線からずれて表示されており、不自然な態様である。また、写真を詳細に検討すると、「LaFillette」の文字が商品タグからやや浮き上がっているようにも見える。

そこで、被請求人が述べるように、平成16年4月27日から5月25日頃において、上記商品タグが存在していたことを確認するべく、当該商品タグの現物及び当該商品タグが前記期間前において製造され、本号証の写真のサンダルに使用されていたことを示す資料の提出を求める。また、請求人は、提出されたタグの現物に対して証拠調べを申し立てる。

(イ)乙第2号証の1及び2について

まず、本号証はいずれも被請求人からフレイヴァービーンズに対する納品書(控)であり、品名の欄に記載された番号は、乙第4号証のフレイヴァービーンズのカタログ中の番号に対応するものと解されるが、該カタログによると、No.0059の「ビーズ付きサンプル」には、「アイボリー」、「ライムグリーン」及び「オレンジ」の3種類の色彩のものが存在するように見受けられる。

しかしながら、本号証における納品書(控)には、番号のみが記載されているにすぎず、上記の3種類の色彩の商品をそれぞれどのように区別しているのか明らかでない。すなわち、本号証の納品書(控)に記載された商品が上記のいずれの色彩の商品であるのか全く不明なのである。また、平成16年4月27日付けの納品書(控)によると、105個のサンダルを納品したこととなっているが、これほどの数量であれば通常は1つの色彩のみならず、他の色彩のものも存在するとみるのが自然である。しかしながら、該納品書においては、色彩について何ら記載されていない。現在の商習慣においては、商品を特定するため、伝票上にもいずれの色彩であるかを表示するのが通常であるにもかかわらず、一切伝票上に商品の色彩を記載していないというのは、極めて不自然である。

次に、本号証においては、納品書(控)のみしか存在しないが、通常の商取引においては、納品書(控)以外にも商業帳簿や請求書(控)等の伝票類が存在するはずである。

そこで、本号証の納品書(控)を裏付ける他の証拠書類の提出を求める。

(ウ)乙第4号証について

本号証はフレイヴァービーンズのカタログであるが、該カタログが平成16年当時において使用されていたという事実については、本号証からは全く明らかでない。また、該カタログは、被請求人との関係においては、買い手にあたるフレイヴァービーンズのカタログであって、販売者である被請求人のカタログではない。しかも、該カタログに表示されている料金は、フレイヴァービーンズの販売価格であり、被請求人の販売価格ではない。そこで、被請求人がいかなる理由から自社の作製にかかるカタログではなくフレイヴァービーンズのカタログを使用して自社の製品の販売を行ったのかについて、説明を求める。

(エ)まとめ

上述した次第であり、被請求人提出の答弁書からは、本件商標が本件審判請求前3年以内に使用されていた事実は証明されていない。

したがって、被請求人に対して、上述のとおり追加資料の提出及び説明を求めるものである。また、乙第1号証中の写真のサンダルの現物及び同号証中の写真の商品タグの現物に対する証拠調べを申し出る。

3 被請求人の答弁の要点

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証(枝番を含む。)を提出している。

理由

(1)被請求人は、添付の証拠に示すとおり、審判請求の登録前3年以内である平成16年4月27日、同年5月6日、同年5月17日、同年5月25日に、フレイヴァービーンズ(東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目4番13号ニュー寿ビル102号)に、本件商標を使用した商品「サンダル」を販売しており、請求人の主張は全く妥当性を欠くものである。

(2)添付の証拠は、先ず乙第1号証が上記フレイヴァービーンズの証明書、乙第2号証の1及び2が被請求人がフレイヴァービーンズに納品した際の納品書である。なお、この納品書の被請求人の住所が「308 SENDAGAYA HOLYTAN 2-39-3 SENDAGAYA SHIBUYA-KA TOKYO, 151-0051」(東京都渋谷区千駄ヶ谷二丁目39番3号千駄ヶ谷ホリタン308号)となっており、登録原簿上の住所「埼玉県所沢市緑町4丁目42番9号」と相違しているが、これは「埼玉県所沢市緑町4丁目42番9号」が登記上の本店住所であり、「東京都渋谷区千駄ヶ谷二丁目39番3号千駄ヶ谷ホリタン308号」が事業所の所在地を示すものであり、どちらも被請求人を示すものである。このことは、乙第3号証の1及び2からも明らかである。

乙第3号証の1は、被請求人が平成18年9月22日に国税を納付した領収書の写しであり、また、乙第3号証の2は同じく平成18年9月22日に同一銀行において都税を納付した領収書の写しである。

これから明らかなように、国税は本店住所で、また都税は事業所の住所で納付しており、両者が同一法人であることを如実に物語っている。

(3)乙第2号証の1及び2の納品書の品名欄には、「0059」の数字のみが記載されており、具体的な品名が記載されていないが、これは乙第4号証のフレイヴァービーンズのカタログにおいて、「0059」がサンダルであることを明示している。これにより、納品書が「サンダル」を販売したことの証明となっている。

(4)以上の証拠から明らかなように、被請求人は本件審判請求日である平成19年1月25日から遡ること3年以内に本件商標を使用していたことが明白である。

4 当審の判断

商標法第50条による商標登録の取消審判により取消審決が確定したときは、当該商標権は、審判請求の登録の日(予告登録日)に遡及して消滅したものとみなされる(商標法第54条第2項)。

そこで、本件審判について本件商標の商標登録原簿を調査するに、その審判請求の登録の日(予告登録日)は、平成19年2月14日であることを確認し得たところ、本件審判の取消請求に係る指定商品に含まれる「サンダル靴,サンダルげた」について一部放棄がなされ、商標権の登録の一部抹消がされているのは、前記1のとおり、本件審判請求の登録の日(予告登録日)以降の同19年10月31日であることが認められる。

そして、放棄による効果は、遡及効ではなく、将来効と解されるから、本件審判請求の登録の日(予告登録日)には、本件審判の取消請求に係る指定商品に含まれる「サンダル靴,サンダルげた」は、存在しているといわなければならない。

よって、本案に入って審理するに、商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品について当該商標を使用していることを証明し、または、使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。

(1)被請求人は、本件商標を商品「サンダル」について使用しているとして証拠を提出しているので、該証拠について検討する。

(ア)乙第1号証は、被請求人がフレイヴァービーンズに商品「サンダル」を平成16年4月27日、同年5月6日、同月17日及び同月25日に販売したことを証明するための証明書と認められ、これには本件商標の使用に係る商品「サンダル」の写真が貼付されていることが認められる。そして、そのサンダルは草色地のもので、鼻緒の部分がビーズで装飾されているほか、本体の底部には一部判読不明ながら、○で囲んだ「35」の数字に続いて筆記体風の「Mo・・・a」の如き文字が表示されており、さらに、本件商標と同一といえる「LaFillette」の文字を記載した商品タグが付されていることが認められる。

しかしながら、該商品タグには、ほぼ中央に「LaFillette」の文字が表示されているのみで、何ら装飾もなく、他に品名、規格、品質表示、価格、製造・販売者名等の記載が一切なく、一般の取引の経験則からみると不自然さは否めない。また、上記サンダルは、撮影角度にもよるが、全体の形状がかかと(ヒール)部分のない平坦な印象を与えるものである。

(イ)乙第2号証の1及び2は、被請求人がフレイヴァービーンズ宛てに平成16年4月27日、同年5月6日、同月17日及び同月25日に発行した納品書(控)の写しと認められるところ、2004年5月25日付けの納品書(控)の品名欄に「0059 サンダル」と記載されている以外は、他の納品書(控)の品名欄には「0059」の数字が記載されているのみで、他に具体的な商品名や商標の表示はない。

ただし、上記納品書(控)の日付と乙第1号証の証明書中に記載された商品「サンダル」の各販売日とは一致している。

(ウ)乙第4号証は、その右上隅に「Flavor Beans」の文字があることからすれば、フレイヴァービーンズ発行の商品カタログ抜粋の写し一枚と推認されなくもないが、発行者、発行日、頒布の事実等が一切不明である。

該商品カタログ中には、「No.0059」ないし「No.0063」の番号の下に5種類の商品が写真と共に掲載されており、「No.0059」に「ビーズ付きサンプル」としてサンダルの写真が掲載され、「Color」として「アイボリー」、「ライムグリーン」及び「オレンジ」が記載されている。該サンダルの写真は不鮮明ながら、草色地で鼻緒部分がビーズで装飾されており、乙第1号証の写真のサンダルと色彩及び形状が近似している。もっとも、撮影角度にもよるが、該カタログに掲載されたサンダルは、乙第1号証の写真のサンダルに比べ、平坦ではなく、かかと(ヒール)部分が高く見える。そして、底部に表示された文字部分は、全部は判読不能であるが活字体による「・・・KeLa・・」の文字を読み取ることができ、乙第1号証の写真のサンダルに表示された筆記体による文字とは明らかに異なる。

その他、この商品カタログには、本件商標の表示が一切見当たらない。

(2)以上の検討結果からすると、乙第1号証の写真に表されたサンダルと乙第4号証の商品カタログに掲載されたサンダルとは、形状等が近似しているものの、商品本体に表示された文字が明らかに異なり、同一のものとはいい難いものである。また、乙第2号証の1及び2の納品書(控)の品名欄に記載された「0059」の数字と乙第4号証の商品カタログに掲載されたサンダルの「No.0059」とが一致するとしても、該サンダルには色彩別に「アイボリー」、「ライムグリーン」及び「オレンジ」の3種類のものが存在していることが窺われるにもかかわらず、上記納品書(控)において色彩の特定がされていないことは、この種商品の取引の経験則上不自然といわざるを得ない。そして、上記商品カタログ及び上記納品書(控)のいずれにも本件商標の表示は一切見当たらないのである。本件商標が見られるのは、唯一、乙第1号証の写真に表された商品タグのみである。しかも、上記のとおり、該商品タグの形態は通常の商品取引の経験則からすれば不自然なものである。

また、被請求人が商品「サンダル」を販売するに当たり、自らの商品カタログを提示することなく、納品先の商品カタログを提示すること自体、不自然である。

そうすると、上記納品書(控)及び商品カタログを根拠に、被請求人がフレイヴァービーンズに商品「サンダル」を販売したとする乙第1号証の証明書は信憑性に乏しいものといわざるを得ず、この証明書をもって本件商標が商品「サンダル」について使用されていたものということはできない。

その他、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内に請求に係る指定商品について使用されていたことを立証する証拠はない。

したがって、被請求人は、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において請求に係る指定商品について使用されていたことを証明していないものといわなければならない。

(3)以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、請求に係る指定商品「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」について使用されていなかったものというべきであり、また、その使用をしていないことについて正当な理由があるものとも認められないから、商標法第50条の規定に基づき、その指定商品中上記商品についての登録を取り消すべきものである。

なお、請求人より提出された平成19年5月18日付けの検証申出書については、前述した証拠により判断し得たものであるから、これを行わない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。