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Trademark Appeal Case

商標使用の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2007−300255(T2007−300255/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4292290号商標の指定商品中「第1類 化学品」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4292290号商標(以下「本件商標」という。)は、「タフウォーター」の文字と「水すまし」の文字とを二段に横書きしてなり、平成9年9月1日に登録出願、第1類「化学品,植物成長調整剤類,肥料」を指定商品として、同11年7月9日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第4号証を提出した。

(1)請求の理由の要旨

本件商標は、その指定商品中の「化学品」について継続して3年以上日本国内において使用された事実はないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

本件商標権者は、個人の島津豊太郎氏であるところ、同氏は、同氏の住所近くの株式会社タフライトの代表取締役であり、同社は、天然鉱物(山形県高畠町二井宿産の石英安山岩)を原料とする土壌改良剤「サン・ラ・テール」及び飼料添加物「タフミール」の2種の製品を製造販売する会社であるが、同社のホームページに、本件商標は見当たらなかった(甲第2号証ないし同第4号証)。また、高畠町の商工会ホームページの会員名簿等によって調査するも、商標権者が他に個人事業を行っているとの事実も認められなかった。

そうとすれば、本件商標権者は、少なくとも3年以上継続して、本件商標をその指定商品中の「化学品」に使用した事実はないものと認められるから、本件商標の登録は、その指定商品中の「化学品」について取り消されるべきである。

(2)答弁に対する弁駁の要旨

被請求人は、本件商標を「登録から現在まで連綿として使用している」旨主張しているが、現在使用しているのであれば、その使用事実を示す取引書類を容易に提出し得る筈であるが、殊更に「平成16年12月1日」と手書きした乙第1号証を作成して提出するのみであり、現在使用している取引書類を提出していない。しかも、乙第1号証にはパンフレットの写しなるものが添付されているが、現在も使用しているのであれば、原本として、印刷したものを提出すべきである。

また、平成9年10月15日作成にかかる乙第2号証は、その作成日からも、その記載事項からも、本件商標の使用事実とは全く関係のないものである。

なお、被請求人は、「有限会社サン・リブは本商標権者が役員となっているもので通常使用権を有するものである」旨主張しているが、商標権者が役員となっている会社が商標を使用したからといって、直ちに、その会社が通常使用権を有するものとはいえない。また、当該有限会社が現存し、本件商標権者がその役員であるというのであれば、当該有限会社の商業登記簿謄本を提出すべきである。

よって、乙第1号証及び同第2号証は、本件商標の使用事実を立証するものとはいえない。

3 被請求人の主張の要点

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、その答弁及び弁駁に対する答弁を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第3号証を提出した。

(1)答弁の要旨

本件商標は、その登録から現在まで連綿として使用されているものである。乙第1号証の証明書に添付されているパンフレットには、「タフウォーター」と「水すまし」の文字を二行に縦書きした商標が表示されており、これは、本件商標と同一性を有するものである。

このパンフレットに掲載されている商品の中味は、100%石英安山岩をネットで包み、これを水道水等に入れるものである。飲用に適するとされる基準水に本件商品を入れることによる水質検査の結果は、財団法人日本食品分析センターの水質検査結果報告書(乙第2号証)に記載されているとおりである。

なお、乙各号証に記載されている「有限会社サン・リヴ」は、本商標権者が役員となっているもので、通常使用権を有するものである。

よって、本件商標の登録は、商標法第50条に該当するものでなく、本件審判請求は成り立たない。

(2)弁駁に対する答弁の要旨

商標権者は、有限会社サンリブの代表取締役をしているものであり、商標権者が有限会社サンリブに対し、本商標権の通常使用許諾をしている(乙第3号証)。許諾契約は書類のみならず口頭は勿論のこと黙認でも契約が成立すること明らかである。

乙第2号証では平成16年12月1日に販売している商品に「タフウォーター・水すまし」を使用していることが明らかであるので、請求人の弁駁の理由は当たらないものである。

4 当審の判断

(1)被請求人の提出に係る乙各号証をみるに、乙第1号証は、山形市在の株式会社萬屋薬局の代表取締役による平成19年5月11日付けの証明書であり、該証明書には、「添付のパンフレット『タフウォーター・水すまし』この商品を平成16年12月1日有限会社サン・リヴより購入したことに相違ありません」と記載されており、「タフウォーター/水すまし」のパンフレットの写しが添付されている。

乙第2号証は、平成9年10月15日付けの財団法人日本食品分析センターによる水質検査結果成績書であり、検体搬入月日を「平成9年9月30日」、依頼者を「有限会社サン・リヴ」、検体名称を「タフウォーター水すまし」とする分析試験の結果であり、判定として「一般細菌、大腸菌群、臭気、色度等の試験項目について、水道法水質基準に適合。」との検査結果が記載されている。

乙第3号証は、有限会社サンリブの会社登記簿の現在事項全部証明書(平成19年11月7日付け)であり、「役員に関する事項」の欄に「代表取締役 島津豊太郎」の記載がある。

(2)被請求人は、上記乙各号証により、本件審判の請求の登録(平成19年3月27日)前3年以内に、本件商標を取消請求に係る商品である「化学品」に使用していたことが明らかである旨述べている。

しかしながら、乙第1号証の証明書は、被請求人の取引相手と推認される薬局店からの証明書と認められるものであるところ、登録商標の使用の事実の証明は、新聞、雑誌等への広告の事実、取引の際使用された納品伝票、仕入伝票等の取引書類その他、登録商標が使用されていた事実を客観的に認め得るに足るような資料によってなされるべきであり、購入者による証明書は、上記のような取引書類とともに提出されてはじめて、取引の事実を補強するために有効なものとなり得るが、購入者からの証明書のみによっては、登録商標の使用の事実を客観的に証明したものとはいい難い。

しかも、乙第1号証の証明書は、株式会社萬屋薬局の代表取締役が「タフウォーター・水すまし」を平成16年12月1日に購入した旨証明しているものであるが、例えば、該商品が当該日に購入されていた事実を裏付ける商品の仕入れ帳簿の写し等が併せて提出されていれば格別、そのような証拠の提出もなく、被請求人の作成に係るものと推測される証明書の空白日付欄に日付を記入しただけの証明書をもってしては、絶えず多くの商品を仕入れているであろう薬局が証明日から遡ること約2年半前の具体的な日付をもって商品の購入の事実を証明し得るものとはにわかに認め難いところである。

また、乙第1号証に添付されているパンフレットの写しには、「水質改良剤」と認められる商品に本件商標と社会通念上同一と認められる「タフウォーター水すまし」なる商標が表示されている事実は認められるとしても、該パンフレットには、その印刷日や発行日の記載もなく、他に、本件審判の要証期間内に印刷されたものであることを認めるに足る、例えば、印刷会社からの証明書等も提出されていない。

そうとすれば、該パンフレットが「タフウォーター・水すましを平成16年12月1日に購入した」旨の萬屋薬局からの証明書に添付されているからといって、直ちに、該パンフレットが平成16年当時に取引に供されていたものと認めることはできない。

更に、乙第2号証(水質検査結果成績書)によれば、確かに、有限会社サン・リヴは、平成9年9月30日に、検体である「タフウォーター水すまし」を財団法人日本食品分析センターに搬入し、乙第2号証にあるとおりの水質検査結果を得た事実を認めることができる。

しかしながら、本件商標の使用との関係において、乙第2号証から認められることは、平成9年9月当時、有限会社サン・リヴが「タフウォーター水すまし」と称される「水質改良剤(化学品)」を有していたという事実にとどまるものであって、被請求人(有限会社サン・リヴが本商標権について通常使用権を有するとしても)が本件審判の要証期間内に該化学品に本件商標を表示して商品として取引に供していた事実を証明するものではない。

そして、被請求人は、他に、本件商標をその指定商品中の取消請求に係る「化学品」について使用をしていたことを裏付けるに足る証拠を提出していない。

(3)以上のとおり、被請求人の答弁の全趣旨及び乙各号証を総合的に判断しても、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが取消請求に係る「化学品」について、本件商標の使用をしていた事実を証明したものとは認められない。

したがって、商標法第50条の規定により、本件商標の登録は、その指定商品中の「化学品」について取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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