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Trademark Appeal Case

S/PDFの記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−3603(T2006−3603/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「S/PDF」の文字を横書きしてなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として平成17年3月11日に登録出願されたものであるが、その後、同17年11月30日付け手続補正書により、指定商品を第9類「耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,スロットマシン,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、以下(1)および(2)のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。

(1)本願商標は、商品の品番・型番等を表す記号・符号として一般に使用されているローマ文字1字の一類型である「S」の文字とAdobe Acrobatで用いられるファイルフォーマットであり、Windows、UNIX、Macintoshなどのプラットフォームに依存しないデータ形式で、現在の電子ドキュメントの標準となっている「Portable Document Format」の略である「PDF」の文字の間をスラッシュ「/」で区切り「S/PDF」と普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これをその指定商品中、「PDFのための電子計算機用プログラム,PDFで作成された電子出版物」に使用しても、単に商品の品質等を表すにすぎないものと認める。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)本願商標は、下記4件の登録商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品(指定役務)と同一又は類似の商品(役務)について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

ア 登録第3269460号商標(以下「引用商標1」という。)は、「PDF」の欧文字を横書きしてなり、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年4月23日登録出願、同9年3月12日に設定登録されたものである。

イ 登録第4179003号商標(以下「引用商標2」という。)は、「P.D.F.」の文字を横書きしてなり、第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成8年11月18日登録出願、同10年8月21日に設定登録されたものである。

ウ 登録第4223372号商標(以下「引用商標3」という。)は、「PDF」の欧文字を横書きしてなり、第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成8年9月6日登録出願、同10年12月18日に設定登録されたものである。

エ 登録第4305520号商標(以下「引用商標4」という。)は、「PDF」の欧文字を横書きして成り、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成8年9月6日登録出願、同11年8月13日に設定登録されたものである。

なお、引用商標1の商標権は、商標登録原簿の記載によれば、平成19年3月12日付けで商標権の存続期間満了により消滅し、その抹消の登録が同19年11月28日になされているものである。

3 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について

本願商標は、前記1のとおり「S/PDF」の文字よりなるところ、各構成文字は、等間隔で外観上まとまりよく一体的に表されており、しかも、構成文字全体より生ずると認められる「エススラッシュピィディエフ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。

そして、たとえ、構成中「S」の文字が、商品の記号・符号に用いられるローマ文字1字の一類型と認識される場合があって、また、構成中「PDF」の文字が「Adobe Acrobatで用いられるファイルフォーマットであり、Windows、UNIX、Macintoshなどのプラットフォームに依存しないデータ形式で、現在の電子ドキュメントの標準となっている「Portable Document Format」の略」を意味する語として知られているものであるとしても、これら文字の間に「/」(スラッシュ)を配してなる構成態様においては、構成文字全体が本願の指定商品中の「電子計算機用プログラム,電子出版物」との関係において、直ちに原審説示の如く「PDFのための電子計算機用プログラム,PDFで作成された電子出版物」の意味合いをもって、認識されるとは認め難いものである。

さらに、当審において職権をもって調査するも、本願の指定商品中の「電子計算機用プログラム,電子出版物」を取り扱う業界において、本願商標を構成する「S/PDF」の文字が原審説示の如き意味合いの商品の品質、内容等を具体的に表示する語として、取引上普通に使用されている事実も見出せない。

そうすると、本願商標は、構成文字全体で一体不可分の特定の意味を有しない一種の造語よりなるものとみるのが相当である。

してみれば、本願商標は、これをそのいずれの指定商品について使用しても、商品の品質を表示するものではなく、かつ、商品の品質について誤認を生じさせるおそれのないものであって、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しないものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本願商標は、上記(1)のとおり、構成文字全体を一体不可分のものと捉えて一種の造語を表したものとみるのが相当であるから、構成文字全体に相応して、「エススラッシュピィディエフ」の称呼のみを生ずるものとみるのが相当である。

してみれば、本願商標より「ピィディエフ」の称呼をも生ずるとし、そのうえで、本願商標と引用商標1ないし4とが称呼上類似するとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。

3 まとめ

以上(1)及び(2)のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号並びに同法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当ではなく、取消を免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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