Trademark Appeal Case
周知商標と図形・称呼の類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成3年審判第13928号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別記に表示したとおりの構成よりなり、第19類「台所用品 日用品」を指定商品として、平成1年11年20日に登録出願されたものである。
2 拒絶の理由
当審において、
「(1)(株)講談社昭和53年発行7月20日発行『男の一流品大図鑑』、サンケイマーケティング昭和58年9月28日発行『舶来ブランド事典'84ザ・ブランド』の記載によれば、以下の事実が認められる。
アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(以下「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出し、『コティ賞』を1970年と1973年の2回受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。1974年に映画『華麗なるギャッツビー』の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。その頃からその名前は我が国服飾業界においても知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された『Polo』の文字と共に『by RALPH LAUREN』の文字及び馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形の各商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)が用いられ、これらは『ポロ』の略称でも呼ばれている。
そして、(株)洋品界昭和55年3月発行『海外ファッション・ブランド総覧1980年版』『ポロ/Polo』の項及びボイス情報(株)昭和59年9月発行『ライセンス・ビジネスの多角的戦略'85』の『ポロ・バイ・ラルフ・ローレン』の項の記述及び昭和63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、(株)スタイル社1971年7月発行『dansen男子専科』を始め、前記『男の一流品大図鑑』、(株)講談社昭和54年5月発行『世界の一流品大図鑑'79年版』、(株)チャネラー昭和54年9月発行別冊チャネラー『ファッション・ブランド年鑑'80年版』、『男の一流品大図鑑'81年版』(昭和55年11月発行)、『世界の一流品大図鑑'80年版』(昭和55年5月発行)、婦人画報社昭和55年12月発行『MEN'S CLUB1980,12』、『世界の一流品大図鑑'81年版』(昭和56年5月発行)、前記『舶来ブランド事典'84ザ・ブランド』、(株)講談社昭和60年5月発行『流行ブランド図鑑』のそれぞれにおいて、メガネについては、『世界の一流品大図鑑'80年版』、『ファッション・ブランド年鑑'80年版』、『男の一流品大図鑑'81年版』、『世界の一流品大図鑑'81年版』のそれぞれにおいて、『POLO』、『ポロ』、『Polo』、『ポロ(アメリカ)』、『ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)』等の表題の下に紹介されていることが認められる。
他に、これを覆すに足りる証拠はない。
なお、ラルフ・ローレンの『POLO』、『Polo』、『ポロ』の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した判決(東京高裁平2(行ケ)183、平成3.7.11)がある。
以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、引用商標は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類及び眼鏡製品に使用する標章として遅くとも昭和55年頃までには既に我が国において取引者・需要者間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているというのが相当である。
(2) 本願商標は、『BRITISH COUNTRY SPIRIT』の文字と図形よりなるところ、その図形部分はポロ競技のプレーヤーを容易に認識させるものであり、これより『ポロ』(競技)の観念、『ポロ』の称呼が生ずるものと認められる。
他方、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして周知商標である引用商標は『ポロ』(競技)の観念、『ポロ』の称呼が生ずることは前記したとおりである。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、前記した実情からして、これに接する取引者、需要者は、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く出所の混同を生ずるおそれがあるものと認められる。
(3) したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨の拒絶の理由を請求人に提示した。
3 当審の判断
本願商標は、別記に表示したとおり、「BRITISH COUNTRY SPIRIT」の文字と図形との組み合わせよりなるところ、これらは常に一体不可分のものとしてのみ把握し、認識される特別の理由があるものとはいい難いので、図形部分(以下、「本願図形部分」という。)も独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものと認められる。
一方、別記に表示した馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形(以下、「引用図形」という。)を含む引用商標は、前記2に認定のとおり、本願商標の登録出願前、既に我が国において取引者・需要者間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているものである。
しかるところ、本願図形部分と引用図形は、仔細にみれば、馬の向き、マレットの位置等において相違するところがあるとしても、線で描かれたマレツト、黒塗りの馬及びポロ競技者を基調に描いた点において構成の軌を一にするものである。
そうとすると、本願図形部分は、引用図形と相紛らわしい印象を与えるものであるといわざるを得ない。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、前記した実情から、周知著名である引用商標を連想、想起し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し、登録することができない。
なお、請求人は、「本願商標は、商標の構成中に『Polo』等の文字を含まないため、直接的に『ポロ』の称呼・『ポロ競技』の観念を生じさせない。万一、本願商標の図形部分から、かかる称呼・観念が生じ得たとしても、『ポロ』『Polo』『POLO』等は、平成3年当時において『被服』等の分野はともかく『台所用品、日用品』の分野においては、それ程著名ではなかったと考えられる」旨主張している。しかしながら、前述のとおり、本願図形部分と引用図形とは、構成の軌を一にし、相紛らわしい印象を与えるものであり、また、引用商標は、ラルフローレンのデザイン及びポロ社の宣伝広告・販売等に負うものと認められるものであって、本願商標の登録出願前、既に我が国において、「被服」等に限らず、「台所用品、日用品」等の取引者、需要者間においても広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は現在においても継続しているものであると認められるから、請求人の主張はいずれも採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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