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Trademark Appeal Case

取引実情の考慮と商標類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2007−1117(T2007−1117/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「NSSD」の欧文字を標準文字で表してなり、第6類「鉄及び鋼,非鉄金属及びその合金,金属鉱石,建築用又は構築用の金属製専用材料」を指定商品として、平成18年2月20日に登録出願されたものである。

2 原査定で引用した商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4387613号商標は、「MSSD」の欧文字を太字をもって横書きしてなり、平成11年2月19日に登録出願、第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料」を指定商品として、同12年6月2日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

本願商標と引用商標とは、上記したとおりの構成からなるものであるところ、最高裁昭和39年(行ツ)第110号判決によれば、「商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかもその商品の取引の実情を明らかにしうるかぎり、その具体的な取引状況に基づいて判断するのを相当とする。・・」と判示されており、また、「・・・商標の外観、観念または称呼の類似は、その商標を使用した商品につき出所の誤認混同のおそれを推測させる一応の基準にすぎず、従って、右三点のうちその一つにおいて類似するものでも、他の二点において著しく相違することその他取引の実情等によって、なんら商品の出所に誤認混同をきたすおそれの認めがたいものについては、これを類似商標と解すべきではない。・・」と判示されている。

そこでまず、本願商標と引用商標に係る商品の取引の実情についてみるに、出願人の製造・販売に係る建築・構築用鋼材は、建築基準法による所定の基準に合致した鋼材として国土交通大臣により認定された製品(「異形棒鋼NSSD410−295」)であり、本願商標は、この認可に係る名称と実質的に同一のものであって、該業界において公認の標章であるということができる(甲第10号証)。

他方、引用商標は、商標権者の取り扱いに係るフロアーハッチ、すなわち建物設備の床面や屋内外に敷設されるコンピュータ機器の電気配線、冷暖房バルブ等を点検するための点検口(ハッチ)用部材として使用されているものであって(甲第11号証)、専ら、設備用資材の一つとして、当該団体である公共建築協会評価対象品として流通に供されている事情にあることが認められる。

上記の実情に照らしてみれば、本願商標の使用に係る商品と引用商標の使用に係る商品とは、いずれも「建築用又は構築用の金属製専用材料」の範疇に属する商品ではあるが、その用途・機能・特性又は目的を著しく異にする商品であり、また、その生産・流通系統若しくは需要者層をも異にするものであって、いずれも法的あるいは公的規制の下に認められたいわば公認の表示であるから、取引者・需要者がその出所について誤認混同を生ずるおそれはないものということができる。

そして、本願商標と引用商標とは、外観においては、語頭部分における「N」と「M」の文字の差異があり、また、称呼の点については、語頭部分において「エヌ」と「エム」の音の差異を有するものであるから、これらの差異と上記した取引の実情を総合勘案してみれば、本願商標と引用商標とは誤認混同を生ずるおそれのない非類似の商標とみるのが相当である。

そうとすれば、取引の実情を考慮することなく、本願商標と引用商標とが称呼において類似するものとした原査定は妥当なものとはいえない。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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